鬼神VS魔神
WG学園、日本支部
屋根
「爆水気炎!!」
ドガァァァン!!
激しい爆発
「炎網壁!!」
ガッガガガ!!
その爆発の爆風を防ぐ鬼怒
「鬼怒、最後に言わせてもらう」
「舞桜は諦めるんだ」
「…すまない」
「諦められない」
「…馬鹿野郎」
「破火水気!!」
白刃之が地面を強く蹴る
「!!」
グツグツグツ…
揺れる鬼怒の足下
バァァァン!!
爆炎に包まれる鬼怒
「…お前が幾ら強くなろうと、俺には勝てない」
黒煙が巻き上がる
「舞桜も大事だ」
「だが、学園の仲間達が、もっと大事だ」
屋根から出ようとする白刃之
「…それでも、舞桜を救いたいんだ」
ズァァァ!!
黒煙が吹き飛ぶ
「鬼神爆炎」
鬼怒のハンマ-が巨大な炎に包まれる
「…覚悟しろ」
「白刃之」
「…「鬼神」か」
「俺は何だろうな?」
両手を広げる白刃之
「天水魔神」
白刃之の両手が、巨大な水の刃に包まれる
「火は水で消える」
「だが、水は火で蒸発する」
ゆっくり歩き出す2人
「下らん理論だ」
「お前もな」
走り出す2人
「…最後に勝負を決めるのは」
「信念だ!!」
ガァァァァァァァン!!
北校舎
「…屋根での爆発、見事ですな」
「蕗東様」
イスに縛られた舞桜と、その横に座る蕗東
「文科、勝負は付いたか?」
「いえ、恐らく、まだでしょう」
「激しい戦いに間違いは無いようですが」
「アハハハハ!そりゃそうだな」
爆笑する蕗東
「お前の能力で見張ってろ」
「いつ、鬼怒が裏切るか解らないからな」
「…御意」
「しかし、蕗東様」
「何だ?」
「その舞桜様には能力をかけなくて良いのですか?」
「目でも覚まされたら…」
「コイツに能力をかけると、鬼怒が裏切る可能性が上がる」
「使えるコマは壊れるまで使わないとな」
「…そうですか」
「それに、俺の能力をかけるには時間と体力がいる」
「気安く使って良い物でもないしな」
ロシア支部、牢獄前
「大丈夫か?毀棄梨」
毀棄梨を背負って、城牙が牢獄から出てくる
「…大丈夫だ」
傷だらけの毀棄梨
「無茶は関心しないな」
「誰だ?」
「何、単なる医者だよ」
「名前はイトウ」
「…何の用だ?」
「学園とゼロは手を組んでる」
「その女を貸せ」
「…良いだろう」
イトウが手を開いたり、閉じたりする
そして、毀棄梨の頭に手を当てる
「細胞超活性化」
毀棄梨の傷が、みるみる治っていく
「…凄いな」
「伊達に、保健室に勤めてないさ」
「それより、城牙」
「何だ?」
「牢獄内はどうなってる?」
「…地獄だな」
「人間の戦いとは思えない」
「そうか」
イトウが鍵を取り出す
「拘束具の鍵だ」
「外して、お前も戦場へ行け」
「…良いだろう」
「だが、金田は良いのか?」
「…メタルと同等の強さだ」
「心配はない」
「…解った」
「それと、もう1つ」
「何だ?」
「…人間か?」
「…勘の良い奴だ」
日本支部、屋根
「…クソめ」
立っている白刃之と倒れている鬼怒
「…実力の差だ」
「何度も言ったように、諦めろ」
「…諦めるわけにはいかない」
「俺は行く」
「蕗東の所に」
「…そうか」
「ついでに、舞桜も助けてやる」
「…ああ、そうだな」
ガチャン
扉を開け、出て行く白刃之
「…それが目的だろうが」
「馬鹿野郎…」
校長室
「…解らないわね」
息切れするネオン
「何がですか?」
「攻撃が当たらない」
「それが能力だからね」
「「底辺」の意味、教えようか?」
「…是非、教えてくれる?」
「「最低の場合」だよ」
「?」
「最低の場合」が常に解る」
「だから、攻撃は当たらない」
「…つまり、「攻撃が最低の場合」だと言う事かしら?」
「そうなるね」
「アナタじゃ、勝てないよ」
「…そう」
「でも、それ以上の「最低」を教えてあげようかしら?」
「…ご自由にどうぞ」
ネオンの体から、白い何かが発せられる
「!?」
「…能力者じゃなくても、エネルギ-は有るのよ?」
「馬鹿野郎が」
ゴォン!!
ネオンの頭が思いっきり叩かれる
「い、痛ぁい…」
うずくまるネオン
「ゼロとは共同戦線を張る」
「校長から連絡があっただろ?」
トウツがため息をつく
「…聞いてないよ?トウツさん」
「お前が聞かなかっただけだ」
「そこのガキ」
「え?」
「今から仲間だ」
「校内のイ-タ-を殲滅するぞ」
「は、はい…」
「行くぞ」
北校舎
「…む」
「どうした?文科」
「侵入者ですな」
「行ってきます」
「おい、待て」
「何でしょう?」
「鬼怒と白刃之の勝負はどうなった?」
「鬼怒様の敗北ですよ」
「白刃之様がこちらに向かってきております」
「じゃぁ、侵入者は白刃之か?」
「いいえ、違います」
「誰だ?」
「銀髪の眼鏡をかけた殿方ですな」
「…鏡燕だな」
「文科!行ってこい」
「御意」
出て行く文科
「…白刃之、お前の相手は俺だ」
「早く来い」
「早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く…」
「お前を殺させろ」
読んでいただきありがとうございました