扉の場所
本部
「…霧上さん」
「何でしょう?総督」
「もう、本部は任せて大丈夫ですね?」
「ええ、余裕ですわ」
「…送って欲しいところがあります」
「良いですか?」
「はい、解りましたわ」
WG学園、屋根
「…鬼怒、もう1度言う」
「舞桜は諦めろ」
「…何度でも言おう」
「無理だ」
「…そうか」
小さく、ため息をつく白刃之
「鬼怒、俺の能力を覚えているか?」
「…空気中の水素を利用し、水素爆弾を作り出す能力だったな」
「そうだ」
「だから、こんな事も出来る」
ドガァァァァン!!
鬼怒の周囲が、爆炎に包まれる
「…これ程の爆発でも、お前は耐えるだろう」
「…無論だ」
無傷の鬼怒
その周囲には、何かの幕が張られている
「「エネルギ-によるバリア」だな」
「能力ではなく、単にエネルギ-を放出してるだけだ」
「…その通りだ」
「俺の能力を知ってるか?」
「知ってるさ」
「Cランクの能力…」
「属性は「火」」
「「武器が敵に当たる瞬間、火による爆発で威力を増大させる」だ」
「…そうだな」
「それ程の能力を持ちながら、舞桜をさらわれた」
「…そうだ」
フツフツフツ…
白刃之の周りが、白い蒸気に囲まれる
「お前は!1年前の悲劇を繰り返すのか!!」
ガタガタガタ!!
白刃之の足下の屋根が揺れ出す
「そして!蕗東の言いなりで仲間を殺そうとする!!」
バァァァン!!
吹き飛ぶ白刃之の足下の屋根
「いい加減にしろ!!」
ガァァァァン!!
白刃之の背後に爆炎が広がる
「…行くぞ」
ゆっくり構える鬼怒
海岸
「…この海岸って」
此所羅に言われた場所に来た秋雨
その海岸は、メタル達主催の肝試しをした時に来た海のある海岸である
「秋雨君!こっちだ!!」
「り、柳舞さん!!」
柳舞が秋雨を呼ぶ
「秋雨君、「扉」の場所が解った」
「GLは?」
「ココに居るよ」
GLを背負った柳舞
「良いかい?「扉」を見つけたら、僕は急いで飛び込む」
「君は僕に続いてきてくれ」
「…解りました!!」
廃校
「秋雨!やっと来たか!!」
凩が秋雨を迎える
「白珠が扉の前で待ってる」
「行くぞ」
廃校に入る秋雨、柳舞、凩
「「扉」って、何処ですか?」
「前にも来たことありますけど、何もありませんでしたよ」
「それも、そのはずだよ」
柳舞が階段前の板をめくる
「隠されてるんだからね」
廃校、地下
「…えっと、ここですか?」
暗く、よく見えない
「そうです」
「良く来ましたね」
「!?」
聞き覚えのある声
「残念ですが「扉」へは行かせません」
傷だらけの白珠が、喋っている人物の足下に転がっている
「白珠!!」
駆け寄る凩
「待て!凩!!」
呼び止める柳舞
ザクッ
「ぐぁぁぁあああぁ!!」
凩が斬られる
「…柳舞君、元は会長を務めていたアナタが、何をしてるんですか?」
「く…!!」
「情けない」
暗闇から出てきたのは…
「…神月総督!!」
「お久しぶりですね」
「秋雨君」
「どうしてアナタが!?」
「ロックさんから連絡が有ったんですよ」
「「「扉」が狙われた」」
「至急、「扉」の守護に廻ってくれ」とね」
「ロックさんも、苦戦してるみたいですよ」
「金田さんにね」
「金田さんが…」
「まぁ、良いでしょう」
「どの道、「扉」へは行かせません」
日本刀を構える神月
「私の武器、「暁」です」
「使うのは禁止されてましたが、今回は特例ですよ」
「…秋雨君」
「…何ですか?柳舞さん」
「「扉」へ行くんだ」
「GLは任せる」
「でも!それじゃ、柳舞さんが…」
「良いんだ」
「GLさえ、救えれば…」
「でも…!!」
「秋雨君、俺はGLを1度は手放した」
「心配をかけたし、迷惑もしただろう」
「…だから、せめてもの罪滅ぼしがしたいんだ」
微笑む柳舞
「それに、総督相手に1分持たせられるのは、ゼロで城牙と僕ぐらいだよ」
「行かせません」
「絶対に」
突っ込んでくる神月
ガシッ!!
その足首を掴む白珠と凩
「行かせねぇぞ…!!」
「行かせないからね!!」
「この…!!」
「行け!秋雨君!!」
「はい!!」
GLを抱え、扉へ走る秋雨
ガタン!!
「これは…」
開けた先に広がっていたのは、闇
真っ黒で、何も見えない
「…!!」
そこへ飛び込む秋雨
「しまった!!」
叫ぶ神月
「この…!!」
怒りの表情となり、白珠と凩を振り払う神月
「許しません!!」
「…来てください」
「本気で行きます」
にらみ合う神月と柳舞
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