究極の選択
「何やってんの?秋雨君」
「白珠ちゃんこそ…」
「む?また可愛い子がやってきたではないか」
「…何だ?この状況」
沈黙する秋雨達
「…て、寺冬!!」
「んんん-!!」
口にタオルをまかれ、まともに喋ることの出来ない寺冬
「む?君はこの子の知り合いか?」
「返してください!!」
「…君が代わりになるなら、ね」
「返せ、このアマ」
白刃之が、一瞬で寺冬を奪還する
「ん-!!」
「「んんん」と、うるさい奴だ」
ゴスッ
「ん…」
気絶する寺冬
「良い度胸ではないか…、この私から彼を奪うとは」
「コイツはウチの生徒だ」
「返して貰うぞ」
にらみ合う2人
「秋雨君…、この状況は何だい?」
「会長まで…」
「首狩さんに夜風まで!!」
「理解不能です」
「…とりあえず、皆、落ち着こうか」
柳舞が全員の中心に行く
「…俺達は白珠の誘いで来たんだけど」
「僕達は柳舞さんに誘われて」
「寺冬君が暴れるから」
「…要するに、ちょっと別れようか」
学園組とゼロ組で別れる
「まぁ、こんな状況って所だね」
首狩が秋雨に耳打ちする
「俺達の目的は、寺冬君の奪還だ」
「見た所、ウチの会長が助けてるから、このまま脱出した方が良いんじゃ…」
「そう言うわけにも行きません」
「GLを助けなければいけないんです」
「どういう事だい?」
「それは…」
「シシシシシシ!ゴチャゴチャうるせぇぞ」
「隠さず話やがれ」
「…確かに、今すぐの脱出は無理みたいだね」
「はい、そうみたいです」
「さて、秋雨君はどうするんだ?」
「…何がですか?」
「俺達の仲間になるかどうか、だよ」
「…」
「無論、学園を裏切ることになる」
「それでも良いのかい?」
「…だけど、裏切らなければ、GLは助けられない」
「そうなるね」
ゆっくり歩き出す秋雨
「ゼロ側に着かせていただきます」
「秋雨君…!!」
「…すいません」
「さて、他の人達はどうする?」
「「裏切る」と行っても、学園に直接的被害を及ぼすつもりはないよ」
「何を言ってる?」
首狩がその言葉に反応する
「「ブラジル支部が壊滅した」と、情報が入ってる」
「アンタ達がやったんだろ?」
「…そうだよ」
「死者は1人も出してないけどね」
「…違うな、柳舞」
「何だ?鏡燕」
「本部周辺で死体が見つかった」
「お前達の仕業だろう?」
「…違うさ」
「あの情報は俺達も得ている」
「ウチに、あんな事が出来る能力者は居ない」
「…そうか」
「だが、俺は着かないぞ」
「…解った」
「俺もこちらに着こう」
白刃之が柳舞の方へ行く
「白刃之会長!!」
「…もし、柳舞が学園に危害を加えるようなことがあれば、学園側に着くがな」
「お前らしい選択だな」
「…椿姫ちゃんはどうする?」
「その呼び方!!」
「あ…、ゴメン」
「椿姫はどうするんだ?」
「…私は着きませんわ」
「学園の治療委員会を任されている身ですもの」
「…そうか」
「鬼怒は…」
「着かない」
「だろうな」
「解ってたのに聞くな」
「…まぁ、ここで着いたら鬼怒じゃないからな」
苦笑する柳舞
「…その通りだ」
「コレで決まりだな」
「秋雨君と白刃之以外は着かない…って、事だね」
「そうだ」
「俺達は学園に帰ろう」
「このことは校長に報告させて貰う」
「…校長によろしく」
「生徒会の皆にも、よろしくお願いします」
「…ああ、言っておこう」
「鬼怒!あと1つ、わがままを言わせてくれ」
「何だ?」
「…舞桜によろしく」
「…解った」
そう言って、鬼怒達は学園に帰っていった
アメリカ支部
「失礼しますわ!」
「うわ…カムだぜ、あのババァ…」
テンションだだ下がりのトルア
霧上を迎えるクラウン
「神月総督の命令で、最高ランクの武器を取りに参りましたわ!!」
「…最高ランクの?」
「そうですわ!!」
「流石に本気ですね、総督も」
「当たり前でしょう、彼達を舐めてはいけませんわ」
「そうですね…」
「取りに行ってきます」
「そうしてくださいませ!!」
数十分後
「…持って来ました」
「では、神月総督に届けてきますわ」
「そうしてください」
ヒュン
消える霧上
「まったく…、あのババァのしゃべり方はタイラ-ドだぜ」
「失礼なこと言っちゃダメですよ、トルア」
「そうだけどよ-」
「報告します!クラウン殿、トルア殿!!」
「どうしたんですか?」
2人の元に、一般兵が走ってくる
「先日、発見されました死体が、無くなっております!!」
「ホワッツ!?」
「何だって!?」
「イタリア支部でも同様の事件が発生しております!!」
「…どういう事でしょうか?」
「解らねぇな」
「向こうが捨てた死体を、向こうで回収するってか…」
日本
東には、蔵添と言う山があった
蔵添山
「報告します!蕗東様!!」
「…何だ?」
「イタリア、アメリカに放った死体が、全て消えております!!」
「…何だって?」
「ですから、我々が用意した死体が全て消えております!!」
「残っているのは、本部とロシア支部のみです!!」
「…まぁ、良いだろう」
「ロシア支部が残っていれば、それで良い」
「全員に伝えろ」
「明日、計画を開始する」
「了解!!」
読んでいただきありがとうございました