ゼロの目的
生徒会室に向かう秋雨
「鬼怒さん、居ますか?」
天鹿和が答える
「今は、治療委員会室にいるよ」
「何でも、皆で話だって」
「そうなんですか」
「おい!秋雨」
「何ですか?天鹿和さん」
「先刻の緑髪…、ありゃ、誰だ?」
「GLの元能力者だそうです」
「元能力者ねぇ…」
考え込む天鹿和
「それじゃ、失礼します」
生徒会室から走って出て行く秋雨
「裏、緑髪のGLの元能力者って…」
「風華 柳舞会長だな」
「…副会長に、言っても大丈夫なのかな?」
「俺の知った事じゃない」
「…秋雨にも知る権利があるだろ」
「…そうだね」
治療委員会室
「失礼します」
「秋雨か」
「坊主、何をしに来た?」
「いえ、鬼怒さんに外出許可を…」
「外出許可?何でそんな物が必要なんだ?」
「緑髪のGLの元能力者の人が「目的を手伝って欲しい」…と」
「!!」
凍てつく治療委員会室の空気
「え…、何かマズイ事を言いましたか?」
「…それは本当か?秋雨」
「はい、本当です」
「行くぞ」
一気に鬼怒達が立ち上がる
「場所は?」
「この住所らしいですけど…」
「貸せ!坊主!!」
白刃之が秋雨の持っているメモを取り上げる
ゴツン!!
「…」
椿姫が白刃之の頭を殴る
「…何しやがる?」
「秋雨君の物を取り上げるとは、いかがかしら?」
「チッ…、解ったよ」
秋雨にメモを返す白刃之
全員が治療委員会室から出て行く
「…鬼怒」
鏡燕が鬼怒に話しかける
「何だ?鏡燕」
「風華会長…、いや、舞桜ちゃんはどうするんだ?」
「居ないのなら、仕方ないさ」
「合っても…、ショックしか生まれないだろう」
「…そうだな」
廃墟ビル
バァン!!
扉を蹴破り、秋雨達5人が入ってくる
「シシシシシ!侵入者かぁ?」
暴祖が出てくる
「侵入者ではない、柳舞に会いに来ただけだ」
「シシシシシ!そうなのかぁ?リ-ダ-!!」
「!!」
暗闇の奥の階段から、柳舞が出てくる
「…久しぶりだな、お前達」
「柳舞…!!」
「まぁ、上がれよ」
「話がしたい」
「…解った」
廃墟ビル、広間
「…柳舞、生きていたのか」
「ああ、あの爆風で死にかけた後、ここのボスが拾ってな」
「治療して貰ってたんだ」
「…そうか」
「…能力も得た」
「どういう事だ?お前の能力はGLだろう」
「…能力が個人個人で違う理由は何だ?」
「記憶だ」
「…まさか」
「一度、記憶喪失になっちまってな」
「それで、学園に戻れなかった」
「それが理由だったのか、柳舞」
「まぁ、ゼロの凩って奴のおかげで、記憶は戻ったんだけどな」
「…そうだったのか」
「1つ聞きたい、柳舞」
「何だ?白刃之」
「…このゼロの目的は何だ?」
「何がしたい?」
「…ゼロの目的は、イ-タ-の殲滅」
「「イ-タ-」…だと?」
「あのチ-ムは蕗東が滅ぼしたはず…」
「いや、次は蕗東がリ-ダ-になっている」
「それで、新規結束したわけだ」
「…理由は何ですの?」
「ゼロがイ-タ-を滅ぼしたい理由は」
「昔、俺を拾った「城牙」って言うゼロのボスが居た」
「このチ-ムは、プライドが高い」
「故に、一般人には被害を及ぼさない」
「それが、ゼロのル-ルだった」
「それで?」
「あるチ-ムが、一般人を襲ってな…」
「学園は気付いてない」
「「ならば、俺達がそのチ-ムを滅ぼそう」と、城牙が言い出してな」
「誰も反対はしなかった…」
「城牙を信じていたからな」
「…そうだったのか」
「しかし、相手チ-ムは、こちらより戦力が遙かに上」
「勝てる見込みはない」
「「じゃぁ、何処かのチ-ムに協力して貰おう」って話になった」
「しかし、犯罪組織が人助けにかって出るわけがない」
「そこで、唯一協力してきたのが…」
「「イ-タ-」だったんだな」
「そうだ」
「その時、すでにリ-ダ-は蕗東だった」
「アイツにとっては好都合だったんだろう…」
「唯一、自分の顔を知るお前が記憶喪失だったからな」
「…そして、奴はゼロを裏切った」
「学園を呼び、俺と城牙、他のゼロの奴達をも捕まえようとしたが」
「城牙が立ちはだかり、捕まったのは城牙だけ…」
「つまり「イ-タ-への復讐」が、ゼロの目的だな?」
「そうだ」
「まぁ、俺の目的は「扉」だが…」
「シシシシシシ!お前はゼロを利用してやがったのか?柳舞」
暴祖が立ち上がる
「利用じゃないさ…、目的は同じだ」
「ロシア支部を破壊すること」
「…聞き捨てならんな」
白刃之が立つ
「ロシア支部を破壊だと?」
「昔のお前は、口が裂けてもそんな事は言わなかったはずだ」
「…GLのためですか?柳舞さん」
「そうだよ、秋雨君」
「…詳しく聞かせろ」
「…そうだな、鬼怒」
「リ-ダ-!新人を連れてきましたぁ!!」
「リ-ダ-!寺冬君が暴れてます!!」
「…ん?」
まさかの3組鉢合わせ
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