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廃工場の惨劇


廃工場前


「GL、出てこい」


柳舞の前に、GLが出てくる


「どうしたの?柳舞」


「…今まで世話になったな」

「ありがとう」


「?」


GLの頭をなでる柳舞


「…記憶消去」


「!!」


GLの脳内から、今までの記憶が消えていく


「り、柳舞…」


「すまない」




「あれ?私、何を…」

「って言うか、アナタ誰?」


「…学園に帰れ」


「?」


「道のりは覚えてるか?」


「え、ええ…、覚えてるわ」


「なら、良いんだ」


「…よく分からないけど、さようなら」


「…ああ、さようなら」


そう言って、去っていくGL




廃工場



「…蕗東、舞桜、居るか?」


暗く、何も見えない工場の中を見回す柳舞


「か、会長…」


「蕗東!?」

「無事か!?」


「ええ、無事ですよ」

「糞会長」


パァン!!


柳舞の肩を、弾丸が貫通する


「ぐぅ…!!」


「アハハッハ!!バカじゃねぇの!?」

「流石に気付くだろ!?」


「…蕗東」


「仲間を信じるって言う、お前の信念は立派だが…」

「そう言うのを「バカの1つ覚え」って言うんだよ!!」


「おいおい、キツイ冗談だな…」

「蕗東、キサマがそう言うつもりなら、俺も手を抜くわけには行かないな…」


「何をするんだ?」

「能力まで手放したお前に!!」


「…見てたのか」


「傑作だったよ!自分の能力可愛さに、能力の記憶を消して手放すなんてなぁ!!」


「…能力が無かろうが、俺の主流戦術を、お前は知ってるだろう?」


「体術…だろ?」


「そうだ」

「GLはサポ-トでしかない」


「それも封じるさ」


「!?」


バンッ


一気に廃工場が明るくなる


「コレ、な~んだ?」


蕗東が、気絶した舞桜の髪を掴む


「舞桜…!!」


「妹思いのお前に、今、この状況の俺を倒せるか?」

「無理だな!!」


「キサマ…!!」


「おいおい、心配しなくても、お前の相手は俺じゃない」

「そうだろ?お前達!!」


「そうだな!蕗東!!」


蕗東の後ろの物陰から、大勢に人間が出てくる


「イ-タ-と内通してたのか…!!」


「そうだよ!目的は同じ!!」

「「お前を殺すこと」…だ!!」


「俺達も、テメェに仲間を捕まえられてきたからなぁ…!!」

「まさか、敵の部下から協力してきてくれるとは思わなかったぜ!!」


「…マズイな」




WG学園、生徒会室


「…」


沈黙する白刃之


(アイツだけに行かせて良かったのか…)


「ん?白刃之じゃないか」

「どうした?」


「…鬼怒か」


「会長は?」


「…廃工場に向かった」

「舞桜を助けに」


「何だと!?」

「俺も向かう!!」


「…いや、やめておいた方が良い」

「恐らくだが、イ-タ-の連中も居るだろう」

「そして、蕗東は裏切っているはずだ」


「!?」


「…任務がてら、イ-タ-の奴を捕まえてな」

「蕗東が学園を裏切っていることが解った」


「それを会長に言ったのか!?」


「いや、言ってない…」

「いくら、あのバカでも気付いてるはずだ」


「…それに、舞桜を助けるために、GLとで全力でやるだろう」

「俺達が居たら、巻き添えを食らう」

「アイツは…、舞桜を敵と見分けるので精一杯になるはずだからな」


「…そうか」


「えっと、ただいま…かな?」


ゆっくり生徒会室に入ってくるGL


「GL!どうしてここに!?」


「え…、緑髪のお兄さんが「帰れ」って…」


「柳舞のことか!?」


「…柳舞?」


「アイツ…!記憶を消したのか!!」


「行くぞ!白刃之!!」


「解ってる!!」


生徒会室を飛び出す鬼怒と白刃之


「何なの?もう…」



廃工場


「…」


地面に倒れ、一切、動かない柳舞


「惨めだね!糞会長!!」

「…いや、コレからは俺が会長か!!」


「俺達のやることは終わったな?蕗東」


「ああ!ご苦労だったな!イ-タ-共」


「それじゃ、帰るとするか…」



「いや、その必要は無い」


「え?」


ぐしゃ…


潰れるイ-タ-の一員


「な、何だ!?」


「お前達は「会長の妹を誘拐、そして会長を殺し、それを発見した俺に殺される…」」

「最高のシナリオだろ?」


「テメェ…!調子に乗り過ぎなんだよ!!」


武器を取り出し、構えるイ-タ-達


「この人数に勝てるのか!?」


「「勝てる」?何を言ってるんだ?」

「お前達は、負けてるんだよ」


工場の外に出る蕗東


「死ね」


バァァァァン!!


吹き飛ぶ工場


「アハハッハ!本当、バカの集まりだな!!」

「爆弾を仕掛けてるのに気付かなかったのか!?」


ゴツン…


蕗東の足が、舞桜の頭に当たる


「チッ…、爆風に飛ばされて、運良く被害を免れたのか」

「生かせておくべきか…?」


「ん…」


起きる舞桜


「…舞桜ちゃん!大丈夫かい!?」


「蕗東…先輩?」


蕗東から、一気に離れる舞桜


「どうしたんだい?舞桜ちゃん」


「イ-タ-と内通してたんでしょ!?」


「いや、アレはイ-タ-をおびき出すための作戦だよ」


「…え?」


「ほら、現にイ-タ-を全滅させたでしょ?」


工場の周りに転がる、イ-タ-達の死体


「本当だ…」


「さぁ、こちらにおいで」

「舞桜ちゃん」


「…」


ゆっくり手を出す舞桜


「騙されるな!舞桜!!」


叫ぶ白刃之


「白刃之先輩!?」


「そいつは裏切り者だ!!」


「!?」


「蕗東!柳舞は何処だ!?」


「…黙ってれば良い物を」

「うるさい奴達だ」

「死んだよ!あのバカは…ね」


「何…!?」


「うるさかったよ!最後まで!!」

「「舞桜を離せ!舞桜を解放しろ」ってさぁ!!」

「本当!最悪の糞会長だったよ!!」


「…」


ゆっくり、白刃之の前に出る鬼怒


「…蕗東、今の言葉を取り消せ」


「あ?」


「取り消せ」


「嫌だね!下剋上制度に基づき、俺が会長だ!!」

「命令に従え!!」



「…会長って言うのはな、蕗東」

「皆の信頼と期待、罪を背負ってやる物なんだ」

「「従え」なんて、間違っても言うなよ」


燃えさかる廃工場から、柳舞が出てくる


「生きていたのか!柳舞!!」


「…この程度で死ねるか」


「いや、死んで貰わないとな」


パァン!!


「!!」


「お、お兄ちゃ…」


「柳舞ァァァ!!」



弾丸が、柳舞の腹部を貫く


「がぁ…」


「アハッハハ!滑稽だねぇ!!」


爆笑する蕗東


「柳舞!!」


「お兄ちゃん!!」


柳舞に走り寄る白刃之と舞桜


「…あはは、油断大敵ってやつか?」


「笑ってる場合か!!」


「白刃之、言いたい事が有る…」


「何だ!?」


「お前が認めた相手には負けるな…、俺とお前が、そうだったように」


「…解った」


「舞桜、お前は男運がないんだから、しっかり気を付けろ」

「悪い奴に連れて行かれないように…な」


「うん!うん!!」


泣きながら頷く舞桜


「…鬼怒には、GLをよろしくと言っておいてくれ」

「頼んだぞ」


ジジジ…


炎が、ガスタンクに近づいていく


「そんな遺言みたいなことを言うな!!」

「今、学園に運んでやる!!」


「…無理だな」


ガシッ


白刃之と舞桜の服を掴む柳舞


「…じゃぁな」


ブン!!


思いっきり2人を放り投げ、地に墜ちる柳舞の腕


「何しやがる!?」


「お兄ちゃん!!」



「…鬼怒、後は頼んだ」


ガァァァァン!!


大爆発を起こす工場


それと共に、柳舞も炎の中に消える


「バカだねぇ~!最後まで、仲間を庇いやがった!!」

「本当にバカだ!!」


腹を押さえて笑う蕗東


「…生徒会、副会長の名の下に」

「下剋上の制度を、要求する」


「あ?」


「勝負を挑むぞ、蕗東」


ハンマ-を構える鬼怒


「…蕗東会長だろ?バカが!!」


銃を構える蕗東


「お前も、生徒会に居たのなら解ってるはずだ」

「蕗東」


白刃之が呟く


「鬼怒の恐ろしさを」




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