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幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
永遠のパートナー

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53/59

第53話 Scene:光「こんなに好きだったんだなって、思って」

 ずっと自信がなかった。望のようにやりたいことがはっきりしていない自分が、「好きだ」と言ってくれる颯に甘えるように一緒にいるだけのように思えて、そんな自分が好きじゃなかった。


「ひーかーりー!内定おめでとー!」


 昨日は颯と遅くまで飲んで来たので、望と翼には会えなかった。


「ありがとう!」


 望のハグに全力で応える。

 この子に嫉妬してたかもしれない。何でも思ったことを言える素直さが、私は羨ましかった。


「よかったな」


 翼の笑顔に、笑顔で応える。

 この兄にも劣等感を抱いていた。何でもクールにサラっと出来ちゃう器用なところが、私の駄目なところをより惨めに感じさせるような気がして。


「今日は一緒に学校行くでしょー?」

「うん!」


 確かに仲良しだけど、私がこんな事を腹の中で思ってるなんて知ったら、幻滅するだろうな。


「昨日は颯とどこ行ったのー?」

「こら、望、プライベート」

「ははは。いいよ。駅前のイタリアンレストランだよ」


 そうだ。大事な報告しとかなくちゃ。


「颯に、付き合ってくださいって言ったの」

「「……」」


 なんで沈黙?

 まあ、自分勝手なやつって、思うよね。別れてくれって言ったり、付き合ってくれって言ったり、私ってば……


「光から言ったのか?!」


 翼の驚きっぷりに驚く。


「そうだけど……」

「きゃー!ひーかーりー!やったねー!」


 望が飛びかかってきて、体勢を崩しそうになった。

 後ろで翼が支えてくれる。3人でハグをして「やった、やった」と望の音頭で跳ねた。あはは。望の喜び方って、こんな感じなんだね。


「じゃ、行くか」


 そう言って翼が絡み合った手をほどき、こっそりと私に近付いて耳元で言った。


「学校でも騒ぎ出すと思うから、覚悟しとけ」


 玄関に走り出した望の方に顎をくいっとやった。


「ガッテン」

「はは。お前、なんか変わったな」

「そう?どう?」

「明るくなった……素直になった……かな……上手く言えないから、思いついたら言うよ」

「ありがと」


 登校早々、颯を見るなり、飛びつく望。

 それを見ても少しも焼く気にはなれない自分に、私自身変わったなと思う。

 翼が近付いてきた。


「自信が持てるようになった」

「え?」

「ピッタリの表現だ。そうそう、お前、自分に自信を持てるようになったと思う」

「私もそう思う、かも」

「かもってなんだよ」


 笑ってる翼。ありがとう。かけてくれた言葉で、より自信が持てたよ。


「望、その辺にしとけ。変出者に見えるぞ!」


 翼が望を引き剥がす。颯が私の方に走って逃げてくる。


「望に絞め殺される!」

「おはよ」


 さっきまで会ってたような気がするけれど、もう会いたくなっちゃってたのが恥ずかしい。


「おはよう」


 いつもと同じ笑顔?ううん、違って見える。どうしてだろう、目が離せない。

 じっと見てたから、颯が「ん?」って顔をした。


「こんなに好きだったんだなって、思って」

「は……ずかしい、んだけど……嬉しいから、ありがと」


 言っといて私も恥ずかしくなったから、走って望のところに行った。


「就職課に内定報告行くから、付き合って」

「いーよー!」


 颯から逃げてきちゃった。もはや私もキャラ崩壊中、絶対変だと思われてる。

 息を整えながら就職課に行き、氏名・学籍番号・内定をくれた会社の情報を書き込んで提出する。


「へー、こうするんだねー」

「望はどうするの?就活してるの?」

「今の役ねー、最後までやり切れるか分かんなかったから、就活は後回しー」

「あ、ケイコさん?」

「そー、それー」

「望でも自信ないことってあるんだね」


 思ってもみなかった。望はいつだって最後までやり切る気合とガッツが売りだと思ってたから。


「うーん。たまーにあるよー。今回は翼がねぇ一緒に頑張ろうって言ってくれたから、乗り切れたんだぁ」

「そっか、よかったね」

「光もでしょー?」

「私?」

「颯がいたから頑張れたんでしょー?」

「そうだね」


 教室までの廊下を歩きながらおしゃべりは続く。


「ほら、私、熱意とか執着みたいのが薄い方じゃない?そんなに器用でもないし、だから、どうしても人に、特に颯に甘えちゃってて……情けないんだけど……自分じゃ何も出来ないって言うか……」

「あのねえっ!」


 望が手を腰に当てて、仁王立ちしている。


「これ以上、望のお友達の悪口言ったら、光だって許さないんだからねー!」

「悪口じゃ……」

「悪口だよ!望、そういうの光に言って欲しくないんだからー!」

「はは。ごめん」


 望が私の手を握った。


「そんなところも全部、光だよー。望はそのまんまの光がだーい好きだからぁ。好きじゃ無かったらぁ、友達してないんだしー」

「そうだね。ありがとう、私も望が大好きだよ」

「はっ!」

「どしたっ?」

「初めて言われた!光に大好きって初めて言われたー!」


 望が教室に走り出した。


「聞いてー、聞いてー、光に好きだって言われたー!」


 言ったこと、無かったけな……?




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