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幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
カップルとして

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44/59

第44話 Scene:望「いいよ。貸してやる。慰めてもらえ」

 どうしたんだろう。なにがあったんだろう。翼の部屋で翼と寝てる。

 ちょっと、顔を触ってみる。あ、起きた。とりあえず、朝のちゅー。


「どうして、望、ここにいるのー?」

「覚えてないのか?」

「えっとぉ。乾杯したとこまでは覚えてるー」

「あのなぁ……」


 やっぱりなんか変。


「あのさぁ、光はー?」

「いるよ」

「光がいるのにぃ、私たち一緒に寝たのー?」

「まぁな」


 こんなこと、今まで無かったのにぃ。


「エッチしたぁ?」

「昨日はしてない」

「えー、恋人たちの日なのにぃー?」

「誰のせいだと思ってんだよ」

「へへぇ。ごめーん」


 翼がぎゅってした。きっと何かお話があるんだな。


「話していーよ」

「一体、どこから……乾杯してから、覚えてないのか?」

「……う……ん」

「おっけ。じゃ、最初っからいくな。昨日、チョコレートケーキを食べた後、颯が由香先輩から、チョコレートをもらったって言い出したんだ」

「えっ!受け取っちゃったのー?」

「そう。受け取っちゃったの」


 ひとつ目のガーン!颯の大バカ者!

 ふたつ目のガーン!チョコレートケーキ食べたこと覚えてない!


「で、どうなったのー?」

「光が走って出て行った」

「いえで?!」

「ああ。そんで、颯が追って行った」

「ひぇぇぇぇ!ドラマチックだぁー」

「光に追い付いて二人で颯んちに行こうとしたら、由香先輩が家の前で立ってたらしい」

「ひゃぁぁぁ!ホラー!」

「そんで、揃ってここに泊まっているというわけさ、ちゃん、ちゃん」


 パチパチパチ!素晴らしい、のかな?でも、拍手!


「ふたりも一緒に寝てるのぉ?」

「いや。光は自分の部屋。颯はいつもお前が寝てる部屋」


 望がいつも寝てるのは、ここのおばちゃんとおじちゃんの部屋なのだ。


「仲直りしたのかなぁ?」

「いや、違う気がする。さて、今日はどうなるのかな……」


 翼が立ち上がった。


「一緒にシャワー浴びるー?」

「今日は止めとく」


 翼が屈んでキスしてくれる。


「もっと一緒にゴロゴロしたぁーい」

「俺もだけど……離れられなくなりそうだから、止めとく」

「ええぇー」


 これ以上粘っても今日の翼はつれない感じだから、諦めようっと。

 昨日の服のまんま、リビングへ行く。


「颯、起きてたんだねー」

「ああ、お前の寝床取っちゃってごめんな」

「それは大丈夫だけどー。望の方こそ、昨日のこと何にも覚えてなくてごめんねー」

「なんも覚えてないの?」

「乾杯だけー」


 へへへ、と笑いながら、颯を観察。思ってたより普通で、何考えてるか分からない。

 でも、ここで一人で座ってたんだもん、光と一緒じゃないって事は、そーゆーことだよね。


「なんで由香先輩のチョコ受け取っちゃったのー?」

「受け取ったつうか、レジに置いて行っちゃったんだよ。いらねえっつったのに」

「あ?それじゃ落とし物みたいなー?忘れ物的なー?」

「そう思ってもらいたい」


 それじゃぁ、光が走って出て行った意味が分かんない。


「光にちゃんと言ったー?」

「聞いてくれないんだよ」

「そっかー」


 光よりも颯の方が可哀想になってきた。背中をとんとんする。元気がないときに、翼が私にやってくれる魔法みたいなもん。


「そのチョコ、今、持ってるー?」

「鞄に入ってる」


 颯のリュックをごそごそしたら、ぐちゃって潰れたチョコレートの紙袋が入ってた。


「まさか……!」

「なに?」

「望たちがおねだりしたのより、高いやつー!」

「食っていいよ」

「いらないよー。返しに行こーよ」


 ビックリした目でこっちを見てる颯、ハトみたい、おもしろー。


「レジに落ちてましたよ、って返そーよ?」

「望……一緒に来てくれるか?」

「もちろんだよー」


 颯が望をぎゅってした。まずいって!翼が見てるかもしれないし!手をバタバタさせて、翼を見た。


「ひゃぁ、颯!翼が見てるからぁ……!」

「いいよ。貸してやる。慰めてもらえ」


 あ、そっち?翼がいいなら、望も協力するのは嫌じゃないよ。望じゃ、ちょっと小さいけどね、颯の背中に手を回して、なでなで。


「ありがと……元気出てきた」

「でしょー?頑張ってこー!ねー?」

「よっしゃ。じゃ、颯が元気がマシマシになる朝ご飯を作るぞ」

「望も手伝うー!」


 翼のとこへダッシュ。颯といえども、翼が嫉妬しかねないもんね。「大好き!」そう言って、翼にぎゅーっ。


「望のこと貸してくれてありがとな」

「ああ。今回だけな」


 翼って太っ腹。そんなところも大好き!




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