表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
踏み込む勇気

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/59

第36話 Scene:光「双子だからな」

 望はあの後、私と手を繋いで颯の家に行ってくれた。

 そして汗だくになってる颯と翼を前に、涼しい顔をしてこう言い放ってくれた。


「仲直りしたいなら颯が謝ってー!」


 颯は「はい」と答え、私に頭を下げて「ごめんなさい」と言ってくれた。

 その後は、私を見つけたのに何ですぐに連絡しなかったんだとか、夜遅い公園で女の子が二人だけでいるなんて危ないとか、翼から散々お説教をくらった。望はしょんぼりと聞いていたけど、ようやく解放されて二人になった時に「はぁ、うるさーい」と言った。私だけに聞こえる小さな声で。


「ちょっと!聞いてなかったの?」


 笑える。


「聞いてたよぉ。だからうるさいって思ったのー。えへへー」

「ありがとう」


 一緒に仲直りに付いて来てくれて、一緒にお説教を受けてくれて、こうして笑える。

 大事な大事な唯一無二の私のお友達。


「私ね、コスメのマーケティングのお仕事したいなって思ってるの」

「いーねぇー!」


 初めて話す、私のやってみたい事。


「CM出演させてもらってね、もともとお化粧品好きだし、宣伝広告の担当者さんとお仕事してるうちに、私もそういうお仕事に携われたらいいなって、思うようになって」

「ふんふん」

「就職課で探してみたけど、そういう求人は無くて……」

「じゃあさぁ、この前のCMの会社に頼んでみたらー?」

「え?」

「きゅーじん」


 それはいいアイディアかも。


「やっぱり望に話して良かった!そうしてみる!」

「上手くいくといーねー!」


 受けていたウェブに流すCMのシリーズの撮影は既に終わっていた。

 翼なら連絡先を知っているかもしれない。


「あのね、相談があるんだけど」

「おっ、珍しい」

「あのコスメの会社の担当者と名刺交換ってした?」

「したよ、いる?」


 そう言って、名刺入れを取り出す。


「いいの?」

「いいだろ?」


 三枚の名刺をくれた。


「この人がいつも現場にいた女の人、こっちがたまに来てたオジサン、で、この人は初回だけ来た女の人、たぶん偉い人」

「そっか」

「内容にも寄るけど、基本的に、このオジサンに相談するのがいいと思う。忙しそうだから、まずはメールで」

「ありがと」

「上手くいくといいな」

「なんでも分かっちゃうんだね」

「双子だからな」


 翼のアドバイス通り、オジサンにメールを送った。

 内容は簡単に、求人があれば応募がしたいといった用件だけにした。





 そうしてその数日後、私は今、会社訪問に来ている。

 オシャレとは言えない、白いパーテーションが立ててあるだけのミーティングスペース。


「月岡さん!我が社に興味を持っていただけたんですね」

「突然すみません。もう卒業が近いんですが、あまり就職活動に時間を割いてこなかったものですから……」

「いえいえ、こちらが無理に追加の撮影をお願いしたのが悪いんです。相当な時間、奪っちゃいましたね。この度は連絡をくれて有難うございました」


 プラスチックのカップに入れていただいたコーヒーを手に、和やかにお話をする。


「早速ですがね、月岡さん。人事に確認してきたんですが、今、弊社で求人を出しているのはマーケティングのアシスタント業だけになっていましてね」

「はい」

「正直、華やかな仕事ではないですし、お給料も安いので、とても月岡さんにご紹介できるものではないかと……社内では話していましてね」


 思っていた以上に、ドンピシャの仕事だ。


「やりたいです。その仕事、私にやらせてくれませんか?」

「でもですね、結構キツイ仕事ででしてね。当社は新卒は採用しない事にしていて、即戦力になる中途の方にしかこなせない業務だと……社内では……」


 やんわりお断りされているのは分かっている。

 でも、諦めたくない。


「新卒で経験は無いですが、きつくても頑張ります。戦力になれるよう努力しますので!」

「そうは言ってもですね……」

「お願いします!」


 こんなに誰かに食い下がったのは、たぶん生まれて始めてだ。


「そこまで言われてしまうと……」


「ふぅ」っと溜め息をついて、頭を掻いている。困らせてごめんなさい。でも、どうしても諦めきれない。お願い……どうか……


「……月岡さん、近々、数日実習研修に来られますか?」

「はい!来ます!」


 やった!チャンスもらえた!


 とりあえずアシスタントを募集しているという部署にて、私が使い物になるかを確認していただく機会が与えられた。しかも、その間は時給が発生するという。まさかの願ってもない展開だった。


 早く望に報告したい。颯や翼にも話したい。

 みんなに応援してもらいたい!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ