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幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
踏み込む勇気

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32/59

第32話 Scene:光「俺も、今から恥ずかしいこと言うわ」

「早く行こーよー!」

「うん、お待たせ」


 下で待ってる翼の車に急ぐ。


「先に、ピザ取りに行くの?」

「チキンが先だよー、それからピザ行ってー、最後にケーキねー」


 望は楽しそうだ。一生懸命準備してくれたクリパ、私も楽しく過ごしたい。


「しゅっぱーつ!」

「おー!」


 助手席に乗る望と、おしゃべりしてる翼、確かにお似合いだ。よくよく見てると、まさに。望は全力で翼にアプローチをかけている。それに望と話してる時の翼は……なんて言うか……ちょっとキャラ変わってるし……翼は翼で全力で望に好意を伝えてるはずなのに、なんで二人はすれ違っているのか……今さらながら……


「私ってば……なんで気が付かなかったの……」

「ひーかーりー、今なんて言ったのー?」

「なんでもない」

「ジュースはあるしー、飾り付けオッケーだしー、颯も帰る頃にはパーティーに来るかなー?」

「そのはずだよ」





 油っこい匂いと、テンションの高い大好きな人たち。


「「「「メリークリスマス!!!!」」」」


 だけど4人が集まると、どうしていいか分からなくなってしまう最近の私たち。


「どれから食べるー?」


 タブレットから流れてくるしっとりとしたクリスマスソングに雰囲気を持って行かれそうになる。黙りそうになる皆を、望が一生懸命引き戻そうとしているのが分かる。


「私、ケーキ食べようかな?」

「はー?光、いきなりケーキ?!どーしたのー?」


 この前みたいに、望を泣かせてはいけない。私たちの友情はお亡くなりになんてなってないんだから!


「それもいいかもな」


 翼が乗ってきてくれた。


「光と颯、ケーキカットするー?」

「望と翼がしなよ」


 望が手渡そうとしてるナイフを私は受け取らない。

 こうして、私と颯をくっ付けようとしてくれてるんだよね。ありがとね。


「どうしてー?」

「望、翼とやりたいでしょ?」

「うーん……」


 は?俺?みたいな顔してんじゃないよ、翼、あんたの出番なんだよ!翼に顎をクイクイと向けるが伝わらない。


「……望は颯とやりたいんじゃないのか?」


 そうじゃない!翼……!今の返しは違うよ!私たちは間違ってたの!


「翼とやりたいよな?望……?」


 鈍感なくせに、今のはナイスアシストだよ颯、もう一押しお願い。


「ほら、やれよ」


 颯が携帯を向けたので、私もそうする。

 ほら……ほら……!手をひらひらさせて煽ってみる。せっかくのシャッターチャンスを逃さない。


「ふえぇ、なんの罰ゲームなのー?ふえーん」


 ぎゃっ、泣いちゃった。そんなつもりじゃない、どうしよう、どうしよう。


「もう、お前が翼のこと好きってバレちゃったんだよ」

「もー!颯のばかぁ!しゃべっちゃったのー?」

「違うよ。お前の態度がバレバレなんだよ」


 翼が固まってる。


「ふぇーん。ひーどーいー、望だけ、バレバレー恥ずかしー、ふぇふぇ」

「そうだよな。じゃ、俺もちょっと恥ずかしいけど言うよ。光のことが大好きなんだけど、どうしても彼氏にはしてもらえないんだ。なんでなの?もうダメなのか?」

「へ?あたし?」

「はーやーてー、ふぇん、光にそんなこと言っちゃダメだよー、光は恋バナ、絶対してくれないんだよー、ふぇーん、嫌われちゃうよー?」


 え?


 あ。


 そっか……


「私、颯のこと好きだよ」

「あー、しゃべったー、なんでぇー?」


 私は自分の気持ちを望に言ったことなかったのか。


「だって、望が颯のこと好きって、告白するって言ってたから……」


 あれ?これ、言って良かったかな。


「俺?」


 ひっくり返りそうな颯。


「そんなのぉー、もーずぅっと前のことだよー!」


 ケラケラ笑ってる望。あのぉ……


「だよなー?お前、翼のことばっか俺に聞いてきてたよな?」

「だってー、光は恋愛トークNGだからさー。颯しか相談出来る人いないしー。」

「そんなんじゃ……ごめんね、望」

「なにがぁ?」

「私、勘違いしちゃってて、望の気持ちちっとも分かってなくて……」

「そっかぁ、そうだよね、私、颯が好きって言った後、翼が好きになったこと言ってなかったもんねー、へへ、ごめんー」


 望が悪いことなんて、これっぽっちもないのに、謝らせてしまった。


「俺も、今から恥ずかしいこと言うわ」

「つーばーさー?」


 真っ赤になって下を向いている翼を、望がしゃがんで覗き込んだ。


「お前が好きだ」

「え?」

「マジか?マジで?望、やったなー!」

「やっぱり颯は気付いてなかったんだね」


 私と颯が喜んでいると、望がまた泣いた。


「お父さんとしてー?」

「は?」

「飼い主としてー?」

「はい?」

「翼が望のこと好きなのは、ペットだと思ってるからでしょー?」

「颯、おまっ!」


 翼が颯を睨んだ。


「あ、まあ、さ、もう過去の事じゃね?今はさ違うんだよな?本当に好きなんだろ?」

「昔っから好きだよ。小2からずっと望だけだ」

「うわ。やっべ、そんな?お前、望みたいな子がタイプだったの?」

「黙れよ。そうだっつってんだろ」


 目に手の平を押し当てて泣いてる望の涙を、翼が拭った。


「泣くなって」

「ふへぇー」

「女として好きだよ」


 望が笑った。




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