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幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
踏み込む勇気

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31/59

第31話 Scene:光「何て言うか……恋してる、じゃない?」

 まただ。

 望が颯の手を引っ張って連れて行ってしまった。へばりついて、こそこそと話している。


「そんな嫉妬しなくても大丈夫だろ」


 翼に励まされる。


「だけど……」

「俺も頑張ってるから、落ち着けよ」


 颯を好きだと言った望が、ちゃんと想いを伝えようと頑張っているんだものね。

 邪魔しちゃいけない。それは分かっているけど、嫉妬してしまう。この気持ちはどうにも押さえきれない。どうしてもイライラしてしまう。


 授業が始まる。

 望が離れて席に座るようになったから助かった。隣にいたら、質問攻めにしてしまいそうだもの。


「ひーかーりー、午後さ、お買い物に行かない?」

「いいよ」

「クリスマス会の準備しよーよ」


 もうそんな時期か。


「いいね。何か計画してるの?」

「みんなでホームクリパ!今年は颯んちじゃなくて、光んちでやっていーいー?」

「楽しそうだね」


 なんだかんだと言い逃れをして、ここ数年、イブは颯と二人で過ごしてきたけど、今年はみんな一緒か。それもありかな。颯と一緒にいられるだけ、まだマシだ。


「俺はコンビニのバイト入ってっから、遅れていくわ」

「分かったー」


 


 

 望の頭の中は、きっとこういう楽しいイベントのことでいっぱいなんだろうな。

 次から次へと、それっぽいアイテムが籠に追加されていく。


「飾りは望が組み立てるからねー」

「オッケー、よろしく。料理はどうするの?」

「ピザ!あとー、チキン!」

「デリバリーは時間読めなさそうだから、3人で取りに行こうか」

「そうしよー!」


 順調に決まっていく。

 明後日の週末に開催する、小さなクリパ。4人で過ごせる、最後になるかもしれないホームパーティー。私ってば、なにを期待しているの?





 家に帰ったら、見慣れないパンプスが玄関に並んでた。


「「ただいま」」


 望と大きな袋を抱えて入る。


「お母さん」

「おばちゃーん!」


 久しぶりに母を見た。翼とケーキを食べている。


「どうしたの急に?」

「大学病院の研究職の更新に必要な書類がこっちにあってね、取りに来たの。明日には戻るわよ」

「おばちゃーん、望ね、ここんちの子になってるよー」

「ようこそ。望ちゃん、翼から全部聞いてるわよ」


 ちゃんと報告してたんだ。私はちっとも連絡とってなかったから、翼の意外な一面に驚いた。


「じゃー、今日は望、自分んちに帰るねー」

「ありがとう。急だけどそうしてくれる?ケーキ食べてから行ってね」

「わーい!」





 翼が望を送って行って、お母さんと食器を洗う。


「あなたたちが楽しそうにやってて何よりだわ」

「うん。卒業も近いのに、就職先は決まってないんだけど……楽しくやってる」

「今だけよ。しっかり楽しみなさい。それにしても、望ちゃんは相変わらず可愛いわね」

「そうだね。望はちっとも変わんない」

「そう?相変わらず可愛らしいけど、変わったわよ」

「え?どう?」


 どこが変わったの?私にはさっぱり分からないけど。


「何て言うか……恋してる、じゃない?」

「ああ」


 颯にね。だけど、それも前から変わってないし。


「翼のことが大好きって顔に書いてあって……本当に、可愛いわよね」

「翼?」


 颯の間違いじゃない?


「そうそう。翼もまんざらでもなさそうだし、上手くいくといいわよねぇ」

「お母さん、勘違いしてない?」


 翼は昔から望が好きだけど、望は颯が……


「あら、気が付いてないの?あの子は絶対、翼のことが好きよ」


 混乱する。そんなはず、なく……ない……?……か……?

 思い出がフラッシュバックする。最近の望の言動、態度、そうかも。


「お母さん、ありがとう」

「ケーキ?どういたしまして」


 それから翼が帰って来て、3人で一緒にご飯食べて、お父さんの近況とかも聞いたはずだけど、頭の中はずっと望のことでいっぱいだった。





 翌日、学校で颯に聞いてみる。


「最近さ、望となに話してるの?」

「別に、大した事じゃないけど……」

「翼のこと?」

「……」


 颯が両手で頭をグシャグシャと掻いた。


「バレたか!やっぱり、分かるよなぁ?!露骨に態度に出すなっつってんのに、あいつ……!」


 言葉を失う。いつからなの?望ったら、颯に翼のこと相談してたの?


「どうしたらいいと思う?俺さ、望にアドバイスくれって言われて、もっとセクシーにしたらどうかとか、ボディタッチを増やせとか教えてやってるんだけど、翼にはちっとも通用しねえんだよ。望はさ、望なりに頑張ってるんだけどよ……あいつはその辺のポテンシャルが低いっつうか」

「嘘でしょ?!」

「嘘じゃねえよ。いいとこまで行ってると思うんだけど、今一つなんだよ……なにが足らないと思う?助けてよ、光」


 ごめん、望、ごめん、本当にごめんね。




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