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幼馴染みの恋愛模様  作者: あおあん
踏み込む勇気

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27/59

第27話 Scene:光「俺、今日ついてる」

「望、颯と何話してたって?」

「内緒だってさ。私には話してくれなかった」

「なぁ、光、お前の目算あってんのか、俺、心配になってきたんだけど」

「そんなに簡単じゃないと思うよ。時間は必要だと思う」


 今日は授業の後、私のCM撮影で、翼がスタジオに連れて来てくれた。

 午後の授業に望と颯の二人を残すのは、正直、不安でしかないのだけど、こればっかりは……


「月岡光さん入られまーす」

「よろしくお願いします」

「まだ、お時間ありますので、控室でお待ちください」


 そう言われて、翼と引っ込む。


「望は積極的に颯に仕掛けてるように見えるけど、まだ、告白はしてないのか?」

「そうだと思う。颯は鈍いから、望が言っても気づいてない可能性があるけどね」


 私は、望との『バンド内恋愛禁止』の約束を破って、こっそり颯と付き合ってきた。

 望がバンドの活動が終わると同時に、颯に告白すると言うので、それを待っている。


「仲はいいよな?一緒に帰ってるし、こそこそしてるようなところもあるし」


 私の双子の兄、翼は望が大好きだ。しかも、昔っから。


「うん。昨日の感じだと、私に遠慮して、颯に気持ち言えずにいるのかも、とも思うよね」

「だから、ぎゅってするのも俺なのか……」

「そうでしょ。私の前で、颯に抱き付くわけにはいかないもんね」


 私たちの溜め息は止まらない。


「俺は恋愛対象外、だよな」

「でしょうね。ずっとそんな距離感じゃん?今更、急に恋人って雰囲気でもなくない?」

「でも、俺さ時々、すげぇ懐かれるんだけど。あれ、なんで?」

「警戒されてないんでしょ?ただ、甘えられてるだけじゃない?」

「あんなの二人の時にやられたら、颯は確実に持ってかれるぞ?」

「嫌な事言わないでよ……」


 ペットボトルのお茶を握る手に力が入る。

 いくら颯が私のことを好きだと言ってくれても、望の気持ちに気付いたら靡かないとは限らない。


「翼、もっと、頑張んなよ」

「お前が望が颯に告白するまで見守ろうっつったんだろ?」

「そうだけど……」


 望のことだから、もっと早く行動に移ると思ってた。

 こんなこと口にするのは憚られるけど、望が颯にきちんと振られれば、諦めもつくだろうし、そのタイミングで翼が慰めれば、きっと望の気も変わるだろうって……


「月岡さーん、お時間です」

「はーい!」


「じゃ行ってくるね」そう言って、翼にペットボトルを渡す。

「頑張ってな」そう言って、送り出してくれる。翼はなかなかいい男だよ?と、望に言ってやりたい。





 家に帰ると、驚くべきことに望がご飯を作って待っててくれた。

 麻婆豆腐とサラダが用意されている。


「一人でやったのか?」


 翼ってば……顔がにやけてるよ……


「えっとぉ、ホントのこと言うと、颯に手伝ってもらったー」

「あ、そっか」


 がっかりし過ぎだよ。ま、私も同じくらいがっかりしてるけど、ね。


「あのね、見てー。これはね、一人で作ったよー」


 ポテトサラダ?


「おぉ!お?ずいぶんとゴロゴロしたジャガイモの……触感を生かして作ってくれたんだな?……これってジャガイモしか入ってないのか?」

「そーそー、ポテトっぽいのが美味しいからー。ねー?光?」

「うん。私も好き」


 あまり勘ぐったら、また喧嘩になるかな。でも、聞かずにはいられない。


「どこで作ったの?颯んち?」

「ううん。実はね、ここで、さっきまで……勝手に使って、ごめんね?」

「それは構わないんだけど……颯は、帰ったの?」

「うん。バイトあるって、コンビニ行った。一緒に颯に会いに行くー?」

「私と望が?」

「もー遅いかぁ」


 照れくさそうにキッチンに立つ望が腹立たしい。

 私のいない間に、二人で料理してたなんて、内心穏やかではいられない。


「私、欲しいものあるから、買ってくる」

「えー今からぁ?」

「暗いから、俺が付いて行くよ」

「じゃぁ、望も行くー」


 みんなで行ったら意味ない。ていうか、望に付いて来てほしくない。


「望はお風呂入って待ってて」

「でもぉ……」

「すぐ帰って来るから」


 翼に手間かけさせて申し訳ないと思ったけど、一目、颯に会いたかった。

 私のいない間に、望とどんな進展があったのか確認しなくちゃ。


「車出すよ」

「ありがと」


 表の駐車場に翼を待たせて、颯のいるコンビニに入る。

 嫌いな金髪のバイトが、一瞬、こっちを見た。


「光?」

「あ、いた」

「買い物?」

「そう」


 ……なに言うか考えてなかったな。


「また、オレンジジュース?」

「そう」

「はい」


 100%のをくれた。


「もしかして、俺に会いに来てくれたのかもって、期待しちゃった」


 目頭が熱くなってきた。


「会いに来た」

「本当か?」


 まだ、信じてて大丈夫?望より私の方が好きって言ってくれる?


「本当」

「じゃ、お会計は俺が担当させてもらうよ」


 笑いながらレジに行く。


「望のジュースはいいのか?」

「いい。お料理ありがとう、ね」

「ああ、望が手伝えってうるさいから、仕方なく、な。勝手なことして悪かったな」

「大丈夫。楽しかった?」

「え?望とのクッキングが?ないない。ありゃ、楽しいとは言えない、大変なだけだったよ」

「ふふふ」

「光の笑顔、ゲットー。俺、今日ついてる」




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