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我が愛しの守護天使様  作者: ハタケ


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30

 高校生活の残りは順調に進んだ。あまりにも順調だった。それまで俺は一体何を苦悩していたんだと、過去の自分がバカらしくなるほどスムーズに日々は進んだ。美加子とはラブラブだった。趣味は違えど波長が合うからか、なんでもない会話も盛り上がった。愛美ともそうだったが、たとえ会話が途絶えてもまったく気まずくならなかった。一緒にいるだけで全てが完結していたのだ。そしてこれも重要なことだが、体の相性も完璧だった。いくら仲が良くてもこれが合わないと結婚生活が遠のいてしまう。それをする度に頭が真っ白になるほどの悦楽が俺たちに訪れた。この世にこんな気持ちのいいことがあるとは思わなかった。このために生まれてきたと言っても過言ではない。かといって会う度に体を重ねるといった、依存症のような状態にもなからなかった。気分が乗らないときは絶対にやろうなんて思わなかった。無理に敢行して限られた至福の瞬間を浪費したくなかった。


 そして俺たちは卒業を迎えた。人生最高だった高校三年間という、ダイヤより貴重な輝かしき日々にピリオドを打つ日が来たのだ……。

 卒業式が終わって四人で集まった校庭で、俺は卒業証書を手にしながら大号泣した。美加子と愛美、赤坂の前で、恥も外聞もなく嗚咽を漏らした。まるでこれで俺の人生が終わってしまったかのように感じたのだ。

「も~う、これからなのに、そんなに泣いてどうすんの~?」と美加子が俺にハグしながら慰める。

 そういう彼女も涙声だった。

 愛美と赤坂はいたって冷静だった。

 赤坂は地元に就職。

 愛美はかつてバカにしていた地元の音楽系専門学校へ行くことになった。音楽の道に進むと決めたが、やはりプロになれるとは思えないので、上京してまで音楽系の学校に進むのは諦めたのだ。そこまで本気になれない、と彼女は言った。

 そして俺と美加子は頑張ったかいあって同じ大学に進学できた。これも愛の力だな。

「せんぱーーーーーいっ! 卒業おめでとうごじゃいまーーーーすっ!」

 そこへ、変態絵師様登場。俺に飛びついてきた(なんとかホールド)。

「うわっ、重くなったなお前」

「珠海さんがもっとメシ食え食えっていうから食ってあげたんですよ~。よって体力も性欲も倍増しましたあああぁぁっ! ちゅっちょっ」

 いずみんが俺の耳たぶに口づけをする。くすぐったいんだが。

「もっとメジャーな部分に口づけしてくれよなー」

「なるほど~。じゃあ珠海さんのタマくんに今から口づけしますかね……」

 いずみんが俺の目の前で跪く。

「あ、そこは私が数年先まで予約してるんで」

 美加子がいずみんの首根っこを掴んで立ち上がらせる。

「数年先ですかぁ? じゃあ十年後くらいだったら予約空いてますかね」

「空いてない。タマは私と終身契約してるから」

「ひゅー」と赤坂が下手な口笛を吹く。

「役者が揃ったところだし、タマくんの家に行きましょうか。莉茉ちゃんたちが準備してくれてるでしょうし」と愛美は言った。

「では諸君、サラダバーッ!」といずみんが一人駆けだした。俺の家に向かって。

 俺の家にいつものメンバーが勢揃いし、卒業パーティーが開かれた。

 卒業式の二日後に赤坂が早速仕事に出ることもあって、みんなが集まって無邪気に遊ぶのは、これが本当に最後の最後かもしれない。次があるとしたら、当分後だろう。

 パーティーは言うまでもなく最高だった。ここでの出来事を思い出すとあまりにも切なくなってくるから、内容はスキップさせてもらう。

 それに、本当に大切な想い出は他人に容易に口にしたくないからな……。


 そして、俺の、真の人生が、始まった……。

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