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我が愛しの守護天使様  作者: ハタケ


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 海から戻って数日後、再び一同が俺の家に結集した。今度は夏休み最後のパーティーをここで開催しようというのだ。外国みたいなホームパーティーを。そういう騒がしいイベントは正直あんまり好きではないが、全員気の置けなさすぎる仲だからまったく問題ないどころか、むしろウェルカムだった。


 俺と美加子は、夜の浜辺で口づけをしたその日から正式な彼氏彼女になっていた。

 赤坂もいつの間にか夢花とくっついていた。ロリコンの夢が成就されてよかったな。

 愛美は音楽への情熱が漸増するに従って恋愛への興味が失われていった。一度は諦めていた音楽への道――作曲家の夢だったが、普通の大学に入るのではなく、音楽系の学校に行ってチャレンジするだけしてみる、と彼女は決意した。音楽へのモチベーションが増したその要因は、意外にも俺にあった。なんとなく聴いてみようかな、という気持ちで買ったベートーヴェンのCDを、俺がそこそこ楽しんで聴いているのを傍で見て、なんか情熱が触発されたのだとか。


 そして8月31日の午前。

 最初に家を訪ねてきたのは美加子だった。パーティーは午後からだから、午前中は二人きりで過ごそうと誘ってくれた。

 俺たちは街で二人きりで楽しく遊んだ。まあ狭い街だから、行く所は限られているが、それでも面白かった。ちなみにしかるべき休憩施設には、さすがに行っていない。

 で、ランチを食べた後、家に帰り、俺が玄関の扉を開けると、

「サプラーイズ!」

 いつの間にか勢揃いしていたみんなが、俺にクラッカーを浴びせた。

「なんのさぷらいず?」と俺はハテナ顔。

「えー? 忘れてたの? お兄ちゃんの誕生日だよ、このボケ頭っ」と夢花が俺の尻を軽く蹴る。

「そうですよそうですよ~」といずみんも俺の尻を蹴る。「夏休みの間、珠海さんのタマタマにはずいぶんお世話になりましたからね~。そのお礼がしたくて私がこの誕生会を企画したんです。ちょうど夏休み最終日が誕生日だなんて、まるでこの日のために生まれてきたかのようじゃないですか」

「お兄さん、本気で忘れてたの?」と莉茉も俺の尻を便乗キックしながら言った。「それはちょっとまずいのでは」

「いや、最近あまりにも楽しいことがありすぎたから、自分の誕生日すら忘れてたわ……」

「なにそれ~。さ、入って入って。いろいろ用意してあるんだよ~」美加子が俺の背中を押す。

 リビングにはたしかにいろいろ用意されていた。ケーキ、様々な料理、そして決して冷めてはいない、あっつあつのチキン。他にもプレゼントボックスらしきものも。その中にはボロのバットが入っているに違いない。つまりMOTHERの最初の武器である。俺はこれから旅に出るのだ。このバットを手に持ってこのマイホームから旅立ち、やがては銀河を旅する列車にまで乗るであろう。つまりモラトリアムを卒業し、開拓者になり、最終的にはゴミ箱評論家になるのである。まあ嘘だが。実際バットなんかプレゼントされなかったが、みんなからは俺がもらって嬉しい物を渡された。ところでさっきからストーリーがダイジェスト化しているが、これは面倒くさいからではなく、締め切りが近いためにこうなってしまったのだった。つまりゼノギアスdisc2である。ところでリマスター、まだ時間かかりそうですか?(しつこい)まあそんな冗談はいいとして、人がはしゃいで楽しんでいる様子を見せられても、他人は、「あ、そう」としか思わないから文章にしないまでだ。

 というわけで俺は人生最高の誕生会を心底楽しんだ。めでたしめでたし。

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