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我が愛しの守護天使様  作者: ハタケ


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20/33

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「お兄さん? 大丈夫ですか?」

「……ハッ!?」

 あたりを見回した。俺は床に仰向けに倒れていた。横には心配そうな表情で俺を覗き込む莉茉と夢花が。

「びっくりしたぁ……叫びだしたと思ったら急に倒れるんだも~ん」と夢花が涙目で言う。「死んだかと思ったよ~」

「な、何があったんだ?」

「私に説教したんですよ、お兄さんが」莉茉も少し涙目になっている。「……でも、心に響きました。私、甘えてました。正直言うと、私ブラコンです。お兄さんに構ってもらいたいからと思って、これまでVTuber続けてこれたんです。罵詈雑言歓迎配信にしたのもお兄さんのためです。だってお兄さん、私やいずみん先生みたいな天才にずっと嫉妬してたじゃないですか。だから好きなお兄さんのストレスの捌け口になろうと思って、ああいう配信スタンスにしたんです。全てはお兄さんを幸せにするためです。まあ結果的に逆効果になったんですけどね……あっ、どこ行くんですか?」

「ちょっと散歩に行ってくる……」

 俺はおぼつかない動作で立ち上がり、ふらつく足で部屋から出た。


 外に出て、何の変哲もない住宅街の道路をウロウロしながらスマホを取り出し、リマエルのチャンネルに飛ぶ。『セクハラお兄さんの謝罪会見』というサムネをタップ。リマエルが一人で喋っている。

『私のお兄さんが取り乱してすみませんでした。でもたしかにお兄さんが言ったとおり、私は甘えていたんだと思います。言ってませんでしたけど実は私、お兄さん一人のために配信をしていたのです。お兄さんに喜んでもらうために、よしよし頑張ってるね、と褒めてくれるために今まで血の滲むような努力をしてきたんです。人気者になるためではありません。でも私はいつの間にかこんなにいろんな人から喜ばれるような立場になりました。さっきお兄さんが言ったとおり、銀盾をもらうほど有名になった今の私は、お兄さん以外なんかどうでもいいからもう辞める、みたいな勝手な判断ができない立場になりました。私がここで辞めると困る人が多くいることがわかりました。だから私は、これからはお兄さんのためではなく、応援してくださったみなさんのために頑張ろうと思います。というのも、お兄さんはどうやらもうVTuberを始めとしたオタクコンテンツに完全に愛想が尽きたようなので、彼一人にアピールしてもどうしようもないみたいだからです。というわけですいませんが、悪口歓迎配信も控えようと思います。今すぐ完全にスタイルを変えると今のリスナーさん達が戸惑うと思いますので、徐々にチャット欄を浄化する方向で行きたいと思います』


『うんうん』『リマちゃんのリスナーは元々優しいから大丈夫だよ!』『本気で悪口言ってる人はあんまりいなかったし』『うんうん』『これでリマちゃんの配信が平和になるんなら歓迎』『今度から罵詈雑言書いた奴は開示な?』『歌舞伎町とかNYの浄化作戦より時間かかりそう』『通報に協力するから、これを機に俺にスパナちょうだい(どさくさ便乗)』


『待ってくださ! 悪口言ったら即開示とか、そんなこと私は一切しませんので。さっきお兄さんが喚き散らしたように、私のようなたいして努力もしてないのに(実際はしましたが)こんな若いうちに成功した強運の持ち主は、それこそ馬車馬のように働かなければならないと思います。だから、みなさんから嫉妬や羨望をされ、僻みや妬みや中傷の言葉をもらうのは仕方がないことだと思います。私はこの仕事が向いているだけでなく、好きです。休みなしに何十時間連続で配信してもまったく苦になりません。それなのに、お金がバンバン入ってきますし、いろんな人達から分不相応な褒められ方をします。まったく苦労もしてないのに裕福になっちゃったので、正直罪悪感がヤバいです。ですから、ある日突然、若い身空で病気になって死んじゃってもまったく理不尽だと思いません。多少の悪口や批難なんかされて当然だと思ってます。好きなことを仕事にして生きてるならそんなもんオプションだろ、ってそれ日本一のプロゲーマーが一番言ってますしね。でも殺害予告みたいなのはさすがに通報しますので。というわけでみなさん、これからもよろしくお願いします』


『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』『うんうん』


 アホらしい。二度とこんなコンテンツなんかには関わりたくない。勝手にやってろ、バカ共が。

 俺は動画を閉じた。

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