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「おらよー」
「いてっ!?」
家に帰って早々妹の尻キックの洗礼を浴びた。今度俺の尻を蹴ったのは意外や意外、莉茉だった。
「お前ってそんな暴力的な妹だったっけ?」
「お兄さんが悪いんですよ」と莉茉は頬を膨らませる。「私の配信をもう観ないとかコメントするから」
「あ? あ、ああ……」
そういや勢いでそんなことコメントしたな。
「それがどうしたんだよ。元々俺なんか害悪厄介リスナーだっただろ」
「私の配信に本当の害悪なんか一人もいませんよ。悪口言ってる人も本気じゃないって、私もわかってますから」
「お、おう……」
俺はそうは思わない……。中には本気で犯罪的なこと書き込んでた奴もチラホラいたし……あ、そうか、こいつ上位のチャットしか表示してないな。まあそれがいいか。
「まあとにかく、俺はもう二度と観ないし、何もコメントしないからな。さすがにやってることが低俗過ぎるというか、低次元というか、いくらプロレス的とはいえやっちゃいけないと思うし」
「そんなんじゃ甘いんですよ。もっと私が血反吐吐くほど不快になるような汚物的な言葉をぶつけてきてホラホラ」
そう言って莉茉は俺の尻、太もも、ふくらはぎを三連続で蹴る。
「なんだこいつ急にキャラ変わりやがって……。とりあえず夕飯作るから」
「ご飯なら夢花お姉ちゃんが作ってます。だからお兄さんは今からやる私の雑談配信で暴れ回って、どうぞ」
「絶対やだ。俺は疲れたから寝る」
「うわっ」
体にしがみついてくる莉茉を振り払い、俺は部屋に直行し、荷物を放り投げ、制服を脱ぎ捨て、下に下りて脱衣所に直行し、全裸になって浴室に入り、シャワーを浴びてひとっ風呂浴びた。きもちよかったです(小並)。
「今からお風呂配信やりますね」
そこへ機材を手に持った莉茉が登場。もちろん全裸。
「やってもいいけど大炎上不可避なんですがそれは」と俺は全裸で俺に尻を向けながらノートパソコンやマイクをセットしている莉茉に行った。さすがに浴室の中に機材をモロに置くと壊れてしまうため、脱衣所の床に機材を設置していた。で、音がマイクに入るように浴室の扉を少し開けた後、
「こんりま~。今から大好きなお兄さんと一緒にお風呂に入りまーす」と言って俺が浸かっている湯船に入った。
溢れ出るお湯。うちの浴槽はそんなに大きくないためか、莉茉は俺の体の上に、「よいしょ、今お兄さんの上に乗りました」と言って、本当に太ももの上に尻を乗せた。
「そういうドッキリはしなくてもいいから。どうせ配信なんかしてないんだろ」
「本当に配信してるんですけどね。嘘だと思ったらあそこのノートパソコンの画面、見てみてください。OBS君が恥ずかしくて真っ赤になってるはずなんで」
「たしかにこの環境だとCPUが熱くなりそうだな」
「リスナーのみなさーん、今私のお尻にお兄さんの何かが当たってま~す。そしてそれがどんどんおっきくなってま~す」
「……別におっきくはなってないな」
しかし莉茉のお尻の割れ目に俺の何かが挟まってしまっているのはたしかだった。……特になんとも思いませんがね。
「んしょっ、んしょっ」
「……なんで腰を動かしてるんですかね」
「だってこうすると気持ちいいんでしょう?」
「ちょっ、んなっ、やめっ」
刺激が加わったせいで俺の何かがそういった状態へと変化していった。
「固くなってんぜ」と莉茉はニヤリ。
「出ろ」
さすがにこれはまずいと思い、俺は莉茉の体を持ち上げ、浴槽から投げ出すようにして追い出した。それでも莉茉は浴室から出ようとはせず、
「背中流しますよ」
シャワーのノズルを手に取ってお湯を出し、俺の背中を流し出した。
俺はそれには構わずバスチェアに座ってシャンプーを頭に付けて髪を洗った。一通り洗い終えたところで、
「頭いきますよ~」と莉茉が言って俺の頭をシャワーで流した。「じゃあ私、先に出ますんで」
「お、待てい。まだ肝心な所、洗ってないゾ」とやけくそになった俺は座ったままある部分を指で差した。
「なんで洗う必要なんかあるんですか」
「お前、純潔処女が売りのくせに男と風呂入ってさっぱりした配信をして炎上して再生数稼ぎたいんだルルォ!? そんなんじゃ甘いよ。ココアライオン」
「おかのした」
というわけで莉茉が俺のライオン(誇張)を洗った。
で、風呂から上がった俺は、
「おい、リスナー冷えてっか~?」と言って着替え始めた。
「バッチェ冷えてますよ~」と莉茉はパソコンを見て言った。「一瞬で一万人登録者数減りました。こんなんじゃもう商売になんないんだよ」
「ならさっさと引退して、どうぞ」
「お、そうだな。というわけで皆さん、私は今日限りで無期限休止します(復帰するとは言ってない)。というわけで終わり! 閉廷! みんなメンシ抜けていいよ! 解散!」
莉茉がパソコンを閉じる。




