12 ありあわせおつとめ品でアヒージョ!
「栗さーん、見てー! お値引き品のウインナーとシメジ、プチトマゲットだぜ!!」
のんびりレシピ本を読んでいたら、例のごとく、彩夏が勢いよく部屋に飛び込んできた。
お買い物袋には、ウインナー、シメジが入っている。
「おっ、いいわね。何食べたいの?」
「なんかお酒に合うオシャレーなやつ!」
「見かけによらず大雑把よね、彩夏って。これはどう? アヒージョ」
玲奈は今読んでいたお料理週刊誌を開いてみせる。
“冷蔵庫の余り物てかんたんアヒージョ”
「わぁ! いいねアヒージョ! 食べたい!」
「今持っている食材で作れるわよ」
「やったーー!」
玲奈はキッチンに立ち、ニンニクの皮をむいて、まな板の上で包丁の平部分を押し付けて軽く潰す。
「え、切らないの?」
「潰すだけで十分香りが出るよ。今はたまたまニンニクあったから使うけど、ないならチューブでもいいし」
「なるほど! メモメモ!」
彩夏は早速マネをして、包丁の平でぎゅっとニンニクを押し潰す。
玲奈が小さなフライパンを用意し、たっぷりのオリーブオイルを注いだ。そこに潰したニンニクと鷹の爪を入れ、弱火でじっくり香りを出していく。
「いい匂い……! もう美味しそう」
「まだ具材入れてないよ?」
「だって、オリーブオイルとニンニクって最強コンビじゃない! 匂いだけで白飯三杯イケる!」
シメジ、トマト、ウインナーを投入すると、じゅわっとオイルが弾け、ウインナーの表面が破裂。さらに食欲をそそる香りが立ち上る。彩夏は思わず鼻をくんくんさせた。
「ウインナーでアヒージョってアリなんだね?」
「めっちゃアリ。このオイルにトーストしたパンをつけながら食べたたら最高だから」
「マジ天才の発想……!」
弱火でぐつぐつ煮込むこと数分。シメジがしんなりし、トマトの皮が弾けるころ、玲奈が軽く塩を振って火を止めた。
「ほら、完成」
「やばい、おしゃれすぎる……!」
彩夏はスキレットのままテーブルに置かれたアヒージョを見つめ、フォークを刺す。そしてアツアツのウインナーを口に放り込んだ。
「ん〜っ! 熱っ! でもうまっ!!」
「気をつけなよ、アヒージョは油が熱いんだから」
「わかってるけど、我慢できなーい!」
玲奈はくすっと笑いながらパンをちぎり、オイルに浸して食べる。ニンニクとウインナーの旨みが溶け込んだオイルがパンにじんわり染み込んで、たまらない美味しさだった。
「彩夏、ビールあける?」
「もち!!」
いつものカップにビールを注ぎ、二人で乾杯。アヒージョをつまみに、おしゃべりしながら、テレビを見ておしゃべりをして、今日も楽しく過ぎていった。




