11 バゲットでかんたんラスクを作ろう!
「栗さーん、助けて!」
夕方、彩夏が玲奈の部屋のチャイムを連打した。
「なに、どうしたの。抱えてるのは、バゲット?」
「これ、先輩が「要らないからやる、お前料理するタイプだろ」って押し付けてきたんだけど、……期限今日までなの! あたしフランスパンは買わないから困ってて」
「捨てるわけにも行かないもんね。じゃあ、これでラスクでも作る?」
「ラスク!? あの、おしゃれカフェで出てくるサクサクのやつ?」
「そう、それ。簡単だから、やってみよっか」
玲奈は彩夏を部屋に招き入れて、バゲットを薄くカットする。
「食パンなら栗さんに教えてもらったサンドイッチ作れるんだけどさぁ、あの先輩あたしの料理スキルの低さとレパートリーの少なさを舐めんなってんだよね」
「胸を張ることじゃないわよ、彩夏」
フライパンにバターを溶かし、パンを並べると、じゅわっと甘い香りが広がった。彩夏が思わず鼻をくんくんさせる。
「すごい! もう美味しそう!」
「でしょ? でも、ここからが大事。焦がさないようにじっくり焼くの」
弱火でじっくり、時々パンをひっくり返しながら焼き色をつけていく。カリッと仕上がったところで火を止めて、仕上げに砂糖をふりかける。
「粉砂糖でもいいし、はちみつをかけても美味しいよ」
「超おしゃれ……! 焼くだけ楽ちん!」
彩夏が焼きたてをひとつつまんで口に放り込む。
「ん〜っ! カリカリしてて、甘くて……最高!」
「でしょ? これ、ガーリックラスクにしても美味しいわよ」
玲奈が残りのパンも薄切りして焼き、バターにチューブのニンニクを混ぜる。
「あー、これもやばい! ガーリックラスク、酒が進む香りだ。チューハイ持ってこなきゃ」
「ビールも捨てがたいわ」
「どっちも飲むー!」
こうして、彩夏が酒を持ってきていつも通りに酒宴へと早変わり。
「栗さんあたしねー、最近面白い番組みっけたんだ。アニメなんだけどDVDに焼いたから見ようよ」
「あなたはそういうの好きよねぇ」
「アニメは心のエナドリ!」
「何も飲んでいないうちからキメてるわね」
撮りためたアニメを見ながら笑って飲んで、二人の夕方は今日も賑やかに過ぎていった。




