ツィギー・トゥトゥは四天王最弱
「またツィギー・トゥトゥの所に人間が来たらしい。」
魔王と、北、西、東を任された四天王三人が水晶を使った通信機器で会話をしている。
「またなの?それって勇者?」
「勇者ではなさそうだ。ただの冒険者だろう。」
「しかしツィギー・トゥトゥは四天王の中でも最弱……」
魔王と四天王三人は、水晶越しに睨み合った。
ツィギー・トゥトゥは南を任されている、四天王の一人だ。魔王領の南は暗い森林地帯となっており、人間の住む国に一番近い場所となっていた。故に、ツィギーの元には魔王を倒さんとする人間が数多く訪れる。
今日もツィギーの城までやって来た冒険者が、剣を構えてツィギーを睨み付けていた。
「お前が南の四天王だな!?」
「そうだ!魔王様に仇なすならば、このツィギー・トゥトゥが相手になろう!」
立ち上がり冒険者に対峙したツィギーを見て、冒険者達は一瞬固まった。ツィギーの短いふわふわした髪は白く、頭からは同じ色の三角形の耳が生えている。ふわふわの毛皮で出来た服を身にまとい、白くて長い尻尾が毛を逆立ててピンと伸びていた。
「かわいい……」
冒険者の呟きはツィギーには聞こえずに、眉尻を釣り上げたツィギーは冒険者達の動きに警戒している。そんな緊張している表情も可愛らしく、冒険者達は男女問わず目尻を下げた。
「ツィギー!大丈夫か!?」
「オロバス様!」
大声でツィギーを呼び入って来たのは、東の四天王であるオロバスだった。彼もツィギーと同じ獣人なのだが、ツィギーが猫の獣人なのに対し、オロバスは獅子の獣人だ。体格も大きく戦闘力には雲泥の差がある。靡いた金色の鬣さえも威風堂々としていて、いかにも強そうだ。
「なっ……何でこんな所に東の四天王が!?」
冒険者達は慌てふためいていた。四天王が二人も揃っていては、勝ち目が無い。そんな冒険者達に唸り声を上げ、オロバスは冒険者達の戦意を喪失させた。
「俺の爪の威力を試したいか?相手になってやるぞ。」
自らが勝つことを確信した笑みを浮かべ、オロバスが冒険者達を見ると、冒険者達は竦み上がって逃げ出した。その足の早さにツィギーは目を丸くし、オロバスは笑っている。
しかしツィギーにも冒険者達の気持ちがよく分かった。オロバスは強く、見た目にも恐ろしい。きっとツィギーがオロバスの敵であったなら、ツィギーも逃げ出していただろう。
ツィギーはオロバスに体を向けると、ペコリと頭を下げた。
「オロバス様、また助けて頂きまして、ありがとうございました。いつも足を引っ張ってしまって、情けないです……」
「む。良いんだ。同じ獣人同士ではないか。助け合わねばな。」
オロバスはちらりとツィギーの顔を見ただけですぐに目を逸らすと、頬を掻きながら答えた。しかしツィギーはオロバスの言葉に情けなく笑う。
「私がオロバス様を助ける事なんて出来ないですよ……。助けて貰ってばかりです……」
「そんな事はない。そうだツィギー。俺は腹が減った。何か食べる物を作ってくれないか?」
ツィギーは少しでもオロバスの役に立てる事が嬉しく顔を輝かせた。
「勿論です!すぐにお作りしますね!お待ち下さい!」
ツィギーはるんるんと長い尻尾を振りながら厨房に向かった。残されたオロバスは目元を大きな手で覆い呟いた。
「かわいい……」
「オロバス、貴方ツィギーに何を作って貰ったのよ?」
「何でも良いだろう。」
「バゲット、ステーキ、サラダ、ビシソワーズにスフレケーキだったな。」
面倒くさそうに流したオロバスだったが、北の四天王がサラリと答えてしまった。オロバスは目を剥いて水晶越しに北の四天王を見る。
「何でお前が知ってるんだ!?」
「誰がこの水晶の道具類を開発したと思っている。ツィギーの城は監視水晶を各部屋に設置するよう手配した。」
この言葉に西の四天王達が目を見開き反応した。
「ええ~?それって覗き~?」
「むっつりね~。」
二人に揶揄われ北の四天王は苦い顔をしながら弁明する。
「……違う。人間共が何処に入り込んでも分かるようにする必要があったからだ。……おい、また人間共がツィギーの城に来たぞ。」
北の四天王が冷たい視線を監視水晶に向けると、西の四天王が黒い笑みを浮かべた。
「今回はアタシ達の番ね。」
「ええ。行きましょう。あ、その監視水晶私達も欲しいわ。」
「俺も。」
「俺も。」
西の四天王の言葉にオロバスと魔王が同調し、北の四天王は溜息を吐き出した。
ツィギーは冒険者達と戦っていた。冒険者の剣がツィギーの体をかすり、ツィギーの脇腹から血が滲み出た。ツィギーの白い身体と身に纏った白い毛皮に、赤い血が鮮やかに映える。靱やかなツィギーの肉体は筋肉が程よく付いていて、腹筋が縦に割れている。その艶めかしさに、冒険者はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「あらやだ!ツィギー、アナタ血が出てるじゃない。」
「私達のツィギーに何て事……人間共、覚悟なさい。」
騒々しく現れた二人の西の四天王は、怒りに目をギラつかせて冒険者達に向かった。ツィギーは突如現れた二人に目を丸くしている。
「アントニオ様……イライザ様……」
「ちょっとツィギー?アタシの事はアンナちゃんって呼んでって言ってるじゃないのぉ。」
ツィギーの唖然とした小さな呟きを聞き逃さなかったアントニオは、頬を膨らませながら鞭を振るっている。アントニオはツィギーを見ているのに冒険者の皮膚を的確に引き裂き、ツィギーの出血量とは比にはならない量の血が飛び散っていた。
イライザも鋭い爪で冒険者達を切り裂き、返り血で塗れている。あっという間に冒険者達を倒した二人は、冒険者達を担ぐと城の外に放り出した。筋肉質で体の大きな二人は、ツィギーでは到底無理な芸当を何でもないように軽々とこなして戻って来た。
「アンナ様、イライザ様、ありがとうございました……いつも助けて頂いて……」
「やだわぁ~。アタシったら返り血でベトベト!お風呂に入りたいわねぇ。」
暗い顔で二人の前で俯くツィギーの言葉をアントニオが遮った。それにイライザも同調する。
「そうね。この血を流したいわ。ツィギーの傷の手当てもしなくちゃ。あ、アントニオは別で入るのよ!ツィギーと一緒になんて許さないからね。」
「何よぉ!イライザばっかりズルいわよぉ!」
姉妹…兄妹と言うとアントニオが怒るので姉妹である。その双子の姉妹が睨み合っていると、ピンと尾を立てたツィギーが笑顔で頷いた。
「私、お二人のお背中お流しします!用意して来ますね!」
少しでも役に立ちたいと、ツィギーは急ぎ足で浴場に向かった。その背中を穏やかな笑顔で見送った二人は、次はどちらが先に風呂に入るかで口論したのだった。
「……で、ツィギーに背中を流して貰った訳か。」
オロバスの顔には心底羨ましいと分かりやすく書いてある。そしてその対象である双子の四天王は、恍惚の表情を浮かべて至福の時間を思い出していた。
「ツィギー可愛かったわねぇ。」
「そうねぇ。私達、体が大きいからツィギーってば一生懸命洗ってくれたのよねぇ。」
双子は全く同じタイミングで幸せそうな溜息をついた。頬に手を添えているポーズまで一緒だ。
魔王は腕を組み、何か考えているようだ。北の四天王はそんな魔王に声を掛けようとしたが、監視水晶に映った人間を見ると瞬時に立ち上がった。
「またツィギーの城に人間が来たようだ。」
「行ってらっしゃい、むっつり~。」
「ツィギーに変な事すんじゃないわよ~。アタシ達も監視水晶で見てるからね~。」
手を振る双子を一瞥すると、北の四天王は舌打ちをして通信水晶を切った。
魔王城と四天王の城には転移装置が設置されている。この転移装置や通信水晶等は北の四天王、ドミニクが開発したものだ。そしてこれ等の発明品は、ツィギーが四天王となってから開発された。
ツィギーが四天王になる前までは「また南の奴がやられたらしい。」「え~?またぁ~?南の奴って弱いのばっかよねぇ~。」「ねぇ、南の奴、名前何だったぁ?」「知らん。」と、こんな会話をしていた程だと言うのに、この変わり様である。
通信水晶も音のやり取りしか出来なかったのに、映像まで映せるようになり、半月に一度だった四天王会議は今ではほぼ毎日行われている。
「大丈夫か?ツィギー。」
「ど、ドミニク様……ありがとうございました。」
今日来た冒険者は手強く、ツィギーは尻尾を強く引っ張られ、その痛みに涙目になっていた所にドミニクに助けられた。ドミニクは尻尾を掴んでいる冒険者を炭くずにして、その他の冒険者は森の外まで吹き飛ばしてしまった。
ツィギーは尻尾の付け根の痛みと、自分が苦戦している相手を一瞬で片付けてしまったドミニクとの力量の差に、またじわりと涙を浮かべ俯いた。
そんなツィギーの頭に、ドミニクは慰めるようにポンと手を置いた。
「ツィギー、この前貸した本はもう読んだか?」
「あ……それが、分からない単語がありまして……」
ツィギーが顔をパッと上げて答えると、ドミニクは優しく微笑んだ。
「では教えてやろう。先に風呂に入れ。お前は本を読むとすぐに眠くなるからな。」
「はい。ドミニク様はどうされますか?お背中お流し致しますよ!」
「おっ……俺はいい……」
前回西の四天王の背中を流したのを思い出したツィギーはこう提案したが、ドミニクに顔を逸らされて断られてしまった。少ししょんぼりしながらツィギーは汚れを落として戻ると、ドミニクは食事の支度をして待っていた。
「どっドミニク様!お食事の支度でしたら、私が致しますのに!」
大慌てでドミニクに駆け寄ると、ドミニクはツィギーの頭を撫でながら言った。
「腹が減ったし、丁度良い肉が手に入ったのを思い出してな。ツィギー、食べようか。」
確かに食卓からはとても良い匂いがしている。ツィギーは誘われるがままに席に着いた。ツィギーは美味しい食事に顔を輝かせ堪能し、ドミニクはそんなツィギーを堪能した。
食後には一緒に読書をして、いつの間にか寝てしまったツィギーをベッドに運ぶと、ドミニクは自分の城に帰って行った。
「なぁ~にが、丁度良い肉が手に入ったのを思い出してな。よ!ベビードラゴンの肉を買い占めたの、アンタだったのね!」
「しかもツィギーをベッドまで運んで!見た?あの時のドミニクの顔!しまりのない顔してたわよね~。」
「ああ。デレデレしていたな。して、ベビードラゴンの肉は余っているのか?」
東西の四天王に責められたドミニクは、顔を赤くして黙り込んでいる。ずっと見ていたのか、何て暇な奴等だ。と思っているが、いつものドミニクも似たようなものである。
「む。またツィギーの城に人間が来たな。今回は……」
「今回は俺が行く。」
オロバスが立ち上がろうとしたのを魔王が制した。四天王達は驚いて魔王を見ている。今まで魔王がツィギーの城に助けに行った事は無かった。魔王が出て行く程の事ではなかったからだ。異論を聞く事無く魔王は通信を切った。残された四天王達は水晶越しに顔を見合わせる。
「……羨ましくなっちゃったのかしら……?」
「皆のツィギーなのに、自分だけ会えなかったんだものねぇ。」
「……今回は俺だったのに……」
「仕方ないだろう。次からは魔王様も入れて順番を決めねばならんな。」
落ち込むオロバスに、ドミニクは冷ややかな視線を送った。送ったのはその視線だけで、ベビードラゴンの肉を送ってやるつもりはドミニクには無いようだった。
「ねぇ、この四天王……」
「ああ……めちゃくちゃ可愛いな。」
今日訪れた冒険者達は、ツィギーと戦いながらもコソコソと話をしている。彼等はツィギーから目を離さずに軽やかに立ち回っていた。
「倒して縛って連れて帰らない?」
「俺も同じ事考えてた。」
「賛成。」
冒険者達はそれが可能な程には実力があるのだろう。彼等はツィギーの攻撃を易々と躱していた。攻撃を外したツィギーが勢いのままに床に手を付いたのを見た冒険者達は、その計画が上手くいく事を確信し視線を交わし口角を上げた。
だがその計画は上手くいく筈もなかった。城を覆う程の殺気を感じた冒険者達は、ぞくりと背中を震わせた。
「ツィギーを、縛って、連れて行く、だと?」
ツィギーの前に闇を纏って現れた魔王に、冒険者達は竦み上がる。怒りでギラギラと燃える瞳に、額に青筋がいく筋も浮かんでいる魔王の形相は、この世のものとは思えぬ程に恐ろしかった。
「ま、魔王さま……」
零れるようにか細い声でツィギーが言うと、魔王はツィギーの方を振り向いた。ツィギーは情けない表情で目には涙を浮かべている。魔王は慌ててツィギーに近付いた。
「ツィギー!どうした?何処か痛むのか!?」
ツィギーの涙に動揺した魔王は腕を上げたり下げたりしている。冒険者達はその隙に脱兎の如く逃げ出した。ツィギーは涙が零れないように眉間に皺を寄せて耐えながらも魔王を見上げた。
「……ついに、魔王様にまで、ご迷惑をぉ………申し訳、ございません……」
ツィギーは魔王の前に跪き、両手を床に付けて頭を下げる。下を向くと溢れた涙が床を濡らした。
自分が現れた事でツィギーが涙を流している事にショックを受けながらも、魔王はツィギーを慰める。
「迷惑などではない。ツィギー、俺達がお前を助けに来るのは、お前が大切な仲間だからだ。」
「でも、私は魔王様のお役に立てておりません。魔王様のお役に立ちたくて、四天王になりましたのに……」
ツィギーの前任者が冒険者に負け、次の南の四天王を選ぶ試験が行われた。ツィギーはまさか自分が選ばれるとは思っていなかったが、敬愛する魔王の役に立つ為の第一歩として試験を受けた。ツィギーは他の受験者の誰よりも弱かったのだが、面接だけで南の四天王に選ばれてしまった。面接官は魔王と四天王達。満場一致で決まった。
弱いツィギーが選ばれた事に不満は起こらなかった。ツィギーは他の受験者も、魔王も四天王達も魅了していたからだ。
ツィギーはぐずぐずと泣いている。その泣き顔も愛おしく、魔王はツィギーの涙を拭った。
「何を言う。お前が南の四天王になってから、四天王達の結束力は強くなった。魔物達も、悪魔達もそうだ。これはお前のお陰だ。」
ツィギーは潤んだ瞳で魔王を見上げている。この人の為に……そう思ってきた相手から、役に立てていると言われ嬉しい気持ちが胸の内に暖かく広がっていく。
「ありがとうございます、魔王様……これからもお役に立てるよう、一層努力します。」
ツィギーは再度頭を下げると、表情を引き締め魔王を見上げた。潤んだ瞳で力強く見つめられ、魔王は叫び出したい衝動を必死に押さえつけた。心の中では「俺のツィギーが最高に可愛いパレード」が行われていたのだが、流石に本人の前でそれを出す訳にはいかなかった。
「魔王様、お疲れではないですか?お食事、お風呂は如何でしょうか?」
「……そうだな……特に腹は減ってはいないが……」
色良い返事が貰えずにツィギーは考えた。折角魔王が来てくれたのだ。少しでも、魔王の役に立てる事は無いだろうか。
「魔王様、マッサージは如何でしょう?」
魔王は吃驚したような、嬉しいような、よく分からない表情をしてツィギーを見て固まっている。ツィギーは「昔父によくやってたんです。気持ち良いって褒めて貰いました。」とアピールをした。
やっとマッサージの言葉が染み込んだ魔王は、顔を赤くして頷いた。
「……頼もう。」
「お任せ下さい!」
嬉しそうに顔を輝かせ、ツィギーは小さいが形の良い胸を拳で叩いた。すぐに客室を整えると、魔王をベッドに誘い足の裏からゆっくりと揉み始めた。
「上手いものだな。」
「ありがとうございます。皆さんの疲れを癒せればと、勉強したんです。あ!勿論毎日の鍛錬は怠っておりませんよ!……でも……中々強くなれなくて……」
ツィギーは眉尻を下げて苦い微笑みを浮かべる。魔王はツィギーのマッサージの心地良さに目を閉じながらも答えた。
「鍛錬か。お前が四天王となってから、他の四天王や魔物や悪魔達も真面目に鍛錬するようになったな。これもお前の功績と言えよう。」
ツィギーは何故それが自分の功績になるのかと首を傾げた。そして自分より遥かに強い他の四天王達や悪魔達が更に鍛錬をしたとなれば、ツィギーは今よりも足手まといになってしまう。ツィギーは魔王の背中をマッサージしながら、もっともっと鍛錬をしなければ、と決意を新たにした。
四天王や魔物、悪魔達が真面目に鍛錬をするようになったのは事実であった。オロバスはツィギーに鍛え上げた肉体を披露したかった。アントニオとイライザは美しく舞い戦う姿でツィギーを魅了したかった。ドミニクはツィギーを守る為に様々な物を発明し、魔術の精度も上げた。魔物や悪魔達もツィギーを守る為に鍛錬をしている。
そして魔王もまた、ツィギーを守る為、そして下剋上を防ぐ為に鍛錬をしている。ツィギーが南の四天王を任されてから、魔王領全体の戦闘力は上がっていた。
「ツィギー、大儀であった。お前も休め。」
仰向けになり手をマッサージされていた魔王はツィギーの手を引き肩を抱くと、温かく微笑んだ。密着する形となったツィギーは、状況に頭がついて行かずに目を丸くしたまま答える。
「有難き幸せにございます……?ま、魔王様……?」
「俺は寝る。お前も休め。」
ツィギーの肩を抱いたまま魔王は目を閉じてしまい、朝までツィギーの頭には疑問符が回っていた。
「おはようございます〜。魔王様〜。」
「魔王様、つやつやしてるぅ〜。」
双子の四天王から水晶越しに揶揄われ、魔王は呆れた顔をした。
「何だお前達、見ていたのか。」
「私達はちょっとだけですよぉ。」
「そうそう。ドミニクはずっと見てたみたいだけど~。見てよあの目の下の隈!」
双子の揶揄う対象がドミニクに移動した。当のドミニクは水晶を見ずにブツブツと呟いている。昨夜の魔王が余程羨ましかったようだ。
そんなドミニクを魔王とオロバスは残念なものを見るような目付きで見ている。
「お、また人間共がツィギーの城にやって来たようだ。」
オロバスの言葉に全員が顔を上げ反応した。
「ツィギー・トゥトゥは四天王の中で最弱……。」
魔王と四天王達は水晶越しに睨み合った。
お読み頂きありがとうございました。