第13話【自給の生活】
俺はコボルトの肢体から身ぐるみを剥ぐと森のなかに運んで埋葬してやった。
腐ってハエがたかったら気の毒だからな。
『これで森の肥やしぐらいにはなるだろう。さて、戻るか』
折り畳みのスコップを担ぐ俺はクレアが待つ洞窟に戻る。
『お~い、コボルトの肢体を片付けてきたぞ~』
「うむ、ご苦労だったな、アナベル」
クレアは洞窟の中を漁って、逃げたコボルトたちが残した物品を一ヶ所に集めていた。
『何か使えそうな物でもあったか?』
『武器と防具、あとは僅かな食料だ。骨董品のランタンもあったぞ」
『どれどれ~』
俺は集められた物品を見る。
古びたショートソード、ハンドアックス、ウッドクラブ、あとはボロいレザーアーマーが二着だ。
レザーアーマーは洗わないと駄目だな。
コボルトの血で汚れていやがる。
「ランタンは油が切れてるから使えないな。代わりに薪が少しあるぞ。あと汚いシーツだ」
俺は嗅覚が利かないからクレアに訊いた。
『シーツは臭うか?』
「犬臭いな」
『じゃあ、レザーアーマーと一緒に洗濯だな』
「近くに小川があるぞ。そこで洗うといい」
『了解』
クレアは洞窟内を見回してから言う。
「しばらくは秘密基地からここにかよって建築作業だ。忙しくなるぞ」
『お前、本当に家を作れるのか?』
「何を言っている。家を作るのは貴様だぞ」
『えっ、俺が作るの……?』
「そうだ」
『無茶言うね~、クレア。道具も材料も何も無いぞ?』
「道具は秘密基地にある。図面は私が書く。材料は森と洞窟で採取するぞ」
『えっ、どうやって?』
木材は森からってのは分かるが、洞窟から何を取るんだろう?
踵を返したクレアが大岩のひとつに手を伸ばす。
そして何やら呪文を唱えた。
すると大岩がバラバラと崩れて幾つかの岩のブロックと化す。
岩のブロックは40×20センチサイズだ。
それが魔法で三個出来上がった。
「私がブロックを切り出すから貴様が積め。力仕事は貴様の仕事だ」
『それにしても便利な魔法だな……』
「魔法使いがダンジョンとかを作るのに使う建築魔法のひとつだ。これで秘密基地の煉瓦も作った」
『魔法って、超便利だな……』
こうして俺とクレアの新居作りが始まった。
クレアがブロックを切り出し、俺が積み上げ作業に励む、それの繰り返しで、まずは壁を拵える。
そんな作業が数日続いた。
俺は切り出されたブロックを積んで洞窟前面の5メートル天井まで壁で塞いだ。
入り口は一つ、窓は二つ、部屋は三つに区切った。
更にクレアが岩を切り出して作った奥の部屋が二つ。
洞窟内の部屋は五つとなった。
リビング、台所、俺の部屋、クレアの寝室、書庫となる。
これだけ広ければ二人で住むには十分過ぎるだろう。
そして、これらを作るのに一ヶ月の作業期間が掛かったが、何とか家らしく作れたのである。
しかし、石造りの家で埃っぽい。
流石に現代の綺麗な家とは比べられない。
俺からしてみれば原始人とまでは言わないが、古代人の家である。
そして続いては家具作りだった。
テーブル、椅子、食器棚、本棚といろいろ作った。
家具が揃うのに、更に一ヶ月掛かった。
気付けば俺のステータスに建築製作、家具製作、道具製作が追加されていた。
製作から始まった俺とクレアの生活は、このまま自給自足の生活となる。
俺は飯を食わないから良いが、クレアは食う。
そしてクレアは自分が食べる分は自分でどうにかすると言って頻繁に狩りに出た。
ウサギやキツネを森で狩ってくるのだ。
水は近くに小川があるので俺が汲みに行くのが係りになっていた。
俺は暇だったので、家の前の広場を耕し畑を作った。
しばらくしたらトマトやキュウリの実がなる事だろう。
それを食うのもクレアである。
そして、知らないことはクレアの書庫で調べた。
そんなこんなしていると、俺は農作業スキルを習得していた。
もう、めっきり農民ゴーレムだ。
スローライフ全開である。
それからしばらくは俺はクレアと二人でゆっくり過ごした。
クレアから傀儡学を学んで傀儡魔法も幾つか覚えた。
それでクレアとの差を知る。
学びたての俺と比べてクレアの傀儡魔法は凄かった。
とても一日二日で追い付けるレベルではない。
それに俺には木彫りのセンスはゼロだった。
だから自分で自分のパーツを拵えるのは諦めた。
身体が壊れたらクレアに修理を願うしかないだろう。
そして月日が過ぎて行った。
俺は眠らないから夜は一人で本を読み漁った。
それで更に一ヶ月が過ぎる。
そして、俺は気付く。
『俺、この数ヶ月間、自家発電を一度も堪能していないぞ!!』
そうだ、チ◯コがないからだ!!
クレアの乳やら尻を眺めていたのに肝心なことを忘れていたぜ。
そうだよ、チ◯コが必要だ。
でも、俺は木彫りのセンスがない。
自分で自分のチ◯コを作れない。
『ならばチ◯コをクレアに作ってもらおう!!』
こんなところでスローライフをやってる場合じゃあねえ。
そう俺は考えた。
そして、第一話に続く。
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by、ヒィッツカラルド




