プロローグ〜②〜
「なぁ?深見はどうした?俺は協力するを押したぜ!」
前の席の人吉から話しかけられた
人吉とは入学から席が前後であることと、名前に負けない人の良さからよく関わってくれて、この学校の中では1番の友人だ
「これでもっと他の人の生活に貢献できるといいけどな」
人吉がニカッと笑いながら自分に話す
、、、、、ホントに良い奴だよお前は
「いや、まだ押してないが、どうせ寮に戻ってもゲームやるだけだからな。協力する予定だよ。」
そういうと人吉は
「まぁ、だよな。ここの生徒のほとんどが寮生活らしいし、時間はありそうだもんな。」
と言った
この学校の9割ほどの生徒が寮生活をしている
株式会社リンネが山を買い取り、そこを学校、寮を作ったものだからやはり何かと寮の方が便利なのだ
「んじゃ、上月に便乗するわけではないけど夕飯は食べに行くか」
と言うと
「いいね!深見に任せるが、何がいい?って聞かれたら洋食系がいいな」
と人吉
「そうだな、なら洋食屋でも行くか。なんかガッツリ肉食いたくなってきた」
そして自分は「協力する」を押した
いや、押してしまったのかもしれない
この実験に関わったことによって、自分の人生が大きく変わってしまったのだ
そして、5分経つと
『時間になりました。協力しない を押した方は10分以内に職員室前に来てください、それ以外のかたは待機していてください』
スピーカーから案内が告げられた
リストモニターには「協力ありがとうございます」とメッセージが書いてある
さて、1時間どう過ごそうか
電子機器が使えないとなると、携帯やリストモニターが使えないのがネックだな
まぁ、人吉と話していれば1時間なんてあっという間だろう
そんなことを思っていたらスピーカーから
『時間になりました。それでは実験を始めます』
と連絡が来た
周りを見渡すと誰も退席してない
まぁ、臨時収入も貰えるし、1時間なら部活するのと変わらないもんな
スピーカーから
「〜♪ 〜♪」
とヴァイオリンで悲しそうな音楽が聞こえてきた
すると教室のモニターから
「残り440人 あと10秒で電子機器が使えなくなります」
と表示された
1クラスのほとんどが30人で1学年5クラス、3学年合わせると大体450人だから、ほぼ実験に協力してるな
そんな計算をしている内に教室モニターのカウントダウンが進んでいく
上月は周りの友人とはしゃぎながらカウントダウンしている
5...4...3...2...1...
「ゼロ」
そうポツリと呟くと教室モニターが0になる少し前に
「きゃんでぃまん」
と表示されて暗くなった
夢だとこのくだりが体感1、2分で終わってるのに文にすると凄い増えるな、、、