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作者: 一角黒馬

「翼が生えると思ったから」

少年は、そう答えた。

本当に、悪い事をしたという自覚が欠片も無い。

人を高い所から突き落としたのに、まだ、夢を見ているように、きょとん、としている。

「人に、翼が生える訳が無いでしょう」

「あの子は、人じゃないと思った」

「どうして?」

少年は、瞳をキラキラさせて、嬉しそうに手を組んだ。

「だって、あんなに美しいんだもん。絶対に天使だと思って、翼を見せてって言ったのに、なかなか見せてくれないから」

そう言う少年も、突き落とされた同級生に劣らないくらい可愛らしい容姿をしている。

小顔で睫毛の長いパッチリした目、薄ピンクの唇、ふわふわでくせっ毛の髪の毛。

いかにも夢を見てそうではあるが、殺人未遂までして罪の意識が無いのは、何か危ない物を抱えていそうだ。

「でも、突き落としても、翼は生えてこなかった。その子に、悪いと思わない?」

少年は、またきょとん、とした。

「そんなの、考えた事も無いよ」

この子は、天使の皮をかぶった、非情な悪魔だ。

同じように、高い所から突き落とせば、悪魔の翼が生えてきそうだ。

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