俺だけの愛しいキミ
注意:BLです。ちょっと際どいシーンあります。
12/07:色々設定が間違っていたので訂正しました。
貴方はいつも傷付いて泣いていた。
俺と貴方が出会ったのは、貴方がクソみたいな俺の母親と再婚の挨拶に来た時。
『は、初めまして。柊優人です』
『あーくんは~、勿論反対しないよねぇ?』
『え?あ、うん』
俺は照れた様に笑って恥ずかしがる貴方を見て、一目惚れした。
いつもより香水臭いババアに眉をひそめながら、俺は何気なく優人さんを眺めていた。
「おはよう、綾くん」
「おはようございます、優人さん」
出会った時の事を思い出し、遠くを見ていたら優人さんに話しかけられた。
休日の朝からぼーっとしていたのを、心配されたらしい。
「大丈夫?何かあった?」
「あぁ、大丈夫です。気にしないでください」
「そう?何かあればいつでも言ってね」
「ありがとうございます」
一年経った今でも俺と彼の間には、一線引かれている。
というか、俺が一線引いている。そうでもしないと、俺が我慢出来ずに襲ってしまいそうだ。
「……やっぱり、お母さんの事気にしてる?」
「え?あぁ、大丈夫ですよ」
半年前、母が俺と彼を置いて出て行った。置き手紙ではなく、記入済みの離婚届を残して。
彼は俺がその事を未だに引きずっていると、勘違いしている。あんな母親、誰も気にしていないのに。
「ごめんね、僕がダメなばっかりに……」
「気にしないでください。全然気にしてないので」
「でも綾くん……」
彼はしきりに俺の事を心配してくる。
俺はそろそろ限界が近づいてきた。
「綾くんも、好きな人とか出来たら遠慮しないで僕に言ってね」
「じゃぁ遠慮しないで言うね。俺、優人さんが好きなんだ」
「ふぇ?!」
俺は優人さんの一言に、我慢していた理性の糸が切れた。
思わず手を握って告白していた。優人さんはどうようしているが、そんなの気にしていられない。
「優人さん、キスしていい?」
「え、あ、や、んんッ」
「……かわいい」
その夜、俺と優人さんは沢山愛し合った。時折俺を拒否する声が聞こえたけど、そんな事は気にならなかった。
だって俺が優人さんの事好きなんだよ?本気で拒絶する筈がないでしょう。
「おはよ、優人」
「……あ、う」
「昨夜散々声をあげたもんね。喉つぶれちゃった?」
泣いた目が赤い優人。この一晩で俺達とても仲良くなったよね。
ほら、まずは俺の母親と絶縁しなくては。
少しでも俺の優人とか関わりがあった人なんて、全員居なくなればいいんだ。