序章8 人違いですぞ!
あらら人違いなのです!
「準備はいいか?」
「任せておけって、しっかしあんな小さなガキを殺すのに俺らを出すとはどんな依頼主だよ」
「さぁな?だが報酬は前金だけでもかなりの額だ、ガキ1人殺すだけでコレだけもらえるんだいい仕事だろ」
違いないな、と下卑た笑いを漏らす男たち。
彼らは殺しを専門とする請負人で金さえもらえれば相手が誰であろうと殺す者たちだ。
そんなクズみたいな連中だが恨みや妬みと言った感情は何処にでもあり。
それこそ道端にある石ころの数ほど落ちてるものだ。
それらを解消すると言う名目で考えれば人と言うのは簡単に食いついてくるものだ。
だが、しかし彼らは狙いを間違えてしまうのであった。
壇上にいるトゥラーシュではなく、龍星の肩に乗ってるつぐみのほうに視線を向けていたんだから。
「命がほしければそいつを渡しな」
「なんだ、あんたら」
そういう男をにらむ龍星はつぐみを肩からおろして京里に渡す。
「・・・・・(りゅうくん)」
「大丈夫だ、芹」
心配そうに見つめる芹香の頭をなでて笑う龍星。
「わきゅー、なんなんですの。 あの人たち」
不機嫌そうな感じでいう白姫は龍星の後ろに隠れている。
「つぐみは渡さないんだから! わたしの妹だからね!」
「そうだよ、つぐみちゃんはわたさないって、いつからつぐみちゃんは妹になったの!?」
瑠奈の言い返しに同意しつつ、ツッコミをいれる希。
「お、お?」
「な、なんか違わね?」
「ああ、雰囲気がすんごく違う」
困惑する襲撃犯たちはつぐみを見て困っていた。
それもそうだ、人数があわないのだから。
「おっと、ここからは逃がさないぜ?」
「万里、警戒をゆるめてはいけませんよ」
万里は槍をかまえて、笑うと隣では日菜は薬瓶をかまえてる。
そうざわざわと騒いでいると、男のほうから鮮血が散る。
男の胸から剣が貫いていたからだ。
視線を向けるとそこには無表情なハイズがおり、ずるっと抜いて回りにいる敵をにらむ。
「トゥラーシュを狙いにきたか? なら、容赦はしない」
「こ、こいつ!」
「よくも!」
龍星たちを無視して向かうやつらだが、そこを龍星たちが逃すわけもなく。
日本刀で鞘を抜かずに相手の頭上をたたいてから腹を蹴る。
それを見てハイズは驚き、龍星を不思議そうに見ていた。
万里も槍を器用につかい、振り回したり、突いたりして敵の戦意をそぐ。
人数もそう多くないからか、歌が終わると同時に終わった。
「ドラグーン?」
「は? 俺は龍星だが」
ハイズがそういうと首をかしげる龍星。
これには万里たちも不思議そうに見ているのである。
じーとハイズは龍星を見て、なるほどとつぶやくと。
「いや、すまなかった。 人違いらしいな。 ついでの人違いでそっちの子も怖い目にあっただろ
どうだ、歌姫の緩和の歌でも聞いてみたら」
白と黒の二本の剣をしまいながらハイズはそういった。
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