序章その6
書いたぜ~
???side
わたしは異種の間に愛が生まれて産まれてきた。
だから、そんな愛もありなのかなって昔、読んでいた本の内容を思い出してみた。
「まあ、わたしもそんな愛の中で生まれてきたんだけど」
「どないしたんや、トゥラーシュ」
つぶやいたとき心配そうに見下ろしてくる妖狐族の少女に声をかけられたのでわたしはなんでもないよと首を横にふった。
「そうなん? ならえぇけど」
そんな会話を何十回も聞いていた長身の男、ハイズは溜息を吐きつつ敵影が無いか気を配りながら先頭を歩いている。
「そんな気を張らんでも大丈夫やないんか?わっちの耳にもトゥラーシュの耳にもリリムの耳にも何も引っかからんさかいこの辺りは大丈夫やで?」
「待ち伏せされてる事もあるだろう、どっち道、用心に越した事は無いだろ」
ふふ、真面目やねぇ。という金色の長い髪のエルフの女性が背中に背負っていた矢と持ち、弓につがえて構える。あきれ半分感心半分といった感じなのはわかる。
「そういう用心はいつも装備してるつもりやで?」
不適に笑いながら言うと共に矢を放つ
風を切り、音すらも置き去りにする矢は真っ直ぐと飛ぶと目の前にいたオオカミを貫いた。
その距離ざっと100メートル、ソレも草原の草に身を隠すように屈んでいたのをだ
「ビンゴ♪あとは任せたで、ハイズとクリム」
そのつもりだ、とハイズは真っ黒な刀身と真っ白な刀身の剣を構え駆け出す人と、札と狐火をまとい走り出すクリム、
リリムが射抜いたオオカミは先手要員だったようで陣形が崩れ連携にも満たないオオカミ達の攻撃をハイズは情け容赦なく斬り捨てて行く。クリムは狐火であぶっていったり、凍らしたりしていた。
「コレで全部だな、あっけないものだ」
「堪忍な?少しでも危険と感じたら徹底的に排除がわっちらのやり方なんや」
「そういうことや、まあ、使える主を間違えたちゅーことやな」
と三人はそんなふうに倒れてるオオカミをみていた。
死体となったオオカミの山を見てリリムが頼むで、と何かに話しかけると何処からともなく吹き上がる火柱がオオカミを飲み込み、一瞬の内で灰へと変えた
「いつ見ても証拠隠滅には打ってつけだな」
「ハイズ、精霊たちに失礼やろ、口の聞き方には気を付けんと炙られるで?」
ソレは勘弁だ、わざとらしく大げさに言うハイズに本当に焼いたろうかと思ったがいつもの事なので代わりに溜息を吐いておく。
「おっと、トゥラーシュ?怪我はないか?」
「....うん、ごめんね?私のせいで」
「全然大丈夫やって、わっちらは大事な家族が守れればそれでええねん」
「そういうことだ」
「せやで」
だから気にするなと二人は言うがそれが出来ないトゥラーシュは罪悪感に満ちた顔で、灰となって消え去ったオオカミ達がいた場所を申し訳ない目で見る
「私の力のせいであの子達も私を狙ったんだよね...」
「トゥラーシュ、それはトゥラーシュのせいやない、あいつ等やってトゥラーシュやのうても襲っとったはずや」
さとすようにクリムがトゥラーシュの頭をなでていた。
それでも複雑な様子がぬぐえないでいるのは誰がみてもわかる。
でも、前に進もうと歩き出すのだった。
???side
うにゃ、なかなかの道のりだったにゃ。
けど、ここまでくれば休憩もできるはずにゃ。
いや~、冒険者っていうのも大変にゃ!
ここまでくるのに山賊やら盗賊やらで大変にゃ目にあったにゃ。
「プレセア、ありがとうにゃ」
「いえいえ、ボクは薬草を取りに来ただけでそれで危ないと思って参加したまでだよ」
隣を歩くのはドラゴン族の少女でプレセアというらしいにゃ。
ここに来る道中で助だちをしてもらったのにゃ。
いいやつにゃ。
「あの村に住んでいるにゃ?」
「うん、薬屋さんをしているんだよ?」
わたしの問いにカノジョは笑顔で答える。
同じ薬屋仲間とは交換もしているそうにゃ。
だから、お互いに損はしていないのだとか。
それはそれですごいのですにゃ。
「到着したら冒険者ギルドによるの?」
「そうにゃ、はぎとったものを鑑定してもらったり防具に必要なのをゆずってもらうにゃ」
プレセアに聞かれてしっぽをぴん、と立たせて笑うわたし。
あ、そうそうなにをかくそうわたしの姿は猫の獣人なのですにゃ!
肌は褐色にゃんだけど、そういうのもありだと思うにゃ!
さて、いざ!と勢いをつけて歩き出すわたしとプレセア。
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