表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/56

第44話 つぐみに異変?

宿屋のベッドで起きて、目をこすりながら起き上がるちみっこ幼女。


「ちっちゃくないよ!?」


地の文にツッコミをいれるのもいつもどおりのちみっこ幼女。


「だからちっちゃくないってば!」


垂れたロップイヤーの耳をぴん、と立てて猫しっぽをぶわーと逆立てさせて抗議するちみっこ幼女。


「なんども言うけどちっちゃくな………へ?」


『マスター、獣耳と尾が生えているなり』


「わうう《すごーい!》」


「にゃ、これはびっくりにゃ!」


「「きゅ~!」」


シルトはたんたんとルイセは驚き、ポワはも驚き、つぐみについてきた二匹の尾が二つにわかれた狐ずも驚いてる。


「か、鏡」


「はいにゃ」


ポワから受け取り、全身を見て叫びそうになるがなんとか口を押えるつぐみ。

 フードつきのパーカーをかぶり、しっぽはスカートの中になんとか隠して外におそるおそると出る。


「つぐちゃん、おはよう! 今日もいつどおりだね」


「せ、芹ちゃーんっ!!」


出会った瞬間に抱き着いて涙目を浮かべるつぐみ。

 これには抱き着かれた芹香も驚き、困惑していたのであった。


「な、なにがあったの?」


『主に獣耳と尾が生えたなり』


シルトに問いかける芹香にシルトはたんたんと答える。

 それを聞いてひょい、とフードを持ち上げてみるとそこにはかわいいうさぎ耳がひょこん、とある。


「美桜さんなら、知ってるかも! 電話しよ!」


そう言って励ます芹香であった。

 いままでこんなことがなかったのだからパニックに二人はなっているのだろう。

スマホで電話したら美桜と葉留佳が来てくれるとのことで部屋で待つことに……。


「ごめんね、つぐみ。 お母さんが実験台だったばかりに」


「え、どういうこと?」


そう言って謝られて抱きしめられるつぐみ。

 肝心の彼女は目をぱちくりさせていたのである。


「はるちゃんは特殊な魔力を増強をさせるための実験にされていたの。

そこではるちゃんのお父さんが乱入して連れ去った。 

でも、すでに遅くてかなりの調整はされていたみたいなのよ」


「そう、だったんですか………。」


芹香は美桜を見てちら、とつぐみを見てつぶやいた。


「りゅうくんは」


「知ってるわ、幼い頃から出ていたからね。 たぶん、つぐちゃんは忘れていたのね」


芹香がふと、気になり尋ねると彼女は笑顔で答える。


「魔力が高くて従魔使いになったのもそのためね」


葉留佳はそう言いながら娘の頭を撫でていた。


「どうしたら消せる?」


「うーん、つぐみには彼氏ができたでしょ? そのせいで守りたい強くなりたいというのがでてきて」


「それで出てきちゃったわけなのよね~」


つぐみの問いに困ったように笑う葉留佳と美桜である。


「ふみゅう~」


しょんぼりと頭を垂れるつぐみ。

 自然と垂れていたうさみみも垂れ、しっぽも垂れる。


「………。」


なんとなく猫しっぽに鈴付きリボンをつける芹香。


「芹ちゃん、なにあそんでるの?」


頬をふくらまして拗ねるつぐみは猫しっぽで地面をぺしぺしとたたいていた。


「あ、そうそう。 フジくんにも同じこと起きてるかもね☆」


「ああ、そうだったわね。 推薦して実験に協力した方だし、まあ怒られたわけだけどね~」


と、ふふふふ、と笑う龍星の母とつぐみんの母であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ