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第39話

「さて、じゃあ迷宮の続きでもいくか?」


そう言いながらつぐみを懐にいれる龍星。


「ふみゅ~♪」


その瞬間に垂れ化してぷちサイズになるつぐみ。


「つぐちゃんはりゅーくんが大好きだね~♪」


背伸びしてつぐみの頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めるつぐみ。

まるで猫のようにすりよるあたり猫みたいだ。


「これを瑠奈が見たら龍星ばかりずるいって言うんだろうな」


「まあ、気持ちはわからなくもないけどね」


万里がその様子を見てつぶやくと京里は苦笑を浮かべていた。


「ハンドパワーなんてものがないですからね、瑠奈には」


と、言いながら苦笑する日菜。


「手のひらに愛でる力をあつめるのはたやすいことじゃないからな」


「りゅうくんになでられてと肌がつやつやになるのもそのせいかも?」


懐かしそうに言う龍星と芹香はこてん、と首をかしげてながら言った。


「瑠美なんてかわいいからってつぐみをさらって龍星におしりぺんぺんされてたもんな」


「ああ、確かにそうだったな。 巻き添えで豊と渡辺兄弟も巻き添えくらったけどな」


陽は笑いながら言い、富士也はというと思い出して遠い目をしていた。


「そういえば、フジくん。 すこし気になっていたんだけど。 頭のうえにいるのぷちはどこから連れてきたの? 誘拐はダメだよ?」


芹香が近寄り、富士也を見上げて腰に手を当てていかに怒ってますよ~という雰囲気をみせる。


「うし?」


「いや、その。 散歩していたらついてきたんですよ」


こてん、と首をかしげる富士也そっくりのぷち。

困ったように頬をかいて答える富士也。


「ないない!ないない、ないよー!」


「あ、なんかつぐぴょんが怒ってる。 知り合いなのかな?」


京里の懐にいたつぐぴょんがぷんすか怒っているようだ。


「う、うし」


「みゅー!」


ぺこぺこと謝る富士也そっくりのぷちとそれにご立腹のつぐぴょん。


「つぐみ、言葉わかるか?」


「えっと。 どこにほっつき歩いていたのって言ってる。 こっちは迷子になってさまよっていたみたい」


万里の問いにつぐみはぷち達の言葉を翻訳する。


「あ、せやった。 ここに来るときにこの子も見つけたんやけど」


深紅はそう言いながらカバンをおろすと、ジッパーをあけると中から飛び出してくる。


「ふんぬぅ!」


「やでェ!」


しゅたっとポーズを決める二匹。


『ぷち鬼とはこらめずらしいえ』


りゅーさんを見てユウギがそうつぶやいた。


「ふんぬぅ!」


むきっとね!という感じでポーズを決めるぷち鬼。


「名前はりゅーさんとみーちゃんらしいで」


深紅はそう言いながら振り向いた。


「いつのまに見つけてきたんだ」


と、こまったような顔で深紅を見つめる炎心であった。


「ところで、お兄ちゃん。 なんで頭の上に猫を乗せてるの?」


つぐみがそう言いながら龍星を見上げる。


「にゃ~」


白い猫が前足で目をこすりながら龍星の頭の上から器用に乗っている。


「りゅうくん、動物に好かれるからどこかでねこけてきたときにそのまま連れてきた一匹かも」


「そういえば、フジくんもそういうところあるよね。 二人ともそのあたり同じだけど。 お兄ちゃんの方が数倍すごいよね!」


ブラコンつぐみんが目をきらきらと目を輝かせている。

そんな彼女の頭を優しくなでると気持ちよさそうに目を細めるつぐみ。


「そりゃ、龍星さんみたいにがたいがいいわけじゃねーし」


「お前も母さんに鍛えられてみるか? 俺にみたいにはなれるかはしらんが強くはなるぞ」


富士也がそうつぶやくとわしゃわしゃと富士也の頭を撫でる龍星。


『御主人、早く食材をあつめよー!』


「わかったから抱き着くな」


大きな胸の感触になれないままで頭を撫でる万里。

ぴょんぴょんと飛び跳ねるカール。


「あ、あの。 万里……その子もしかして下着」


「は、はいてないの?」


その瞬間に見えた光景に日菜とつぐみが万里を見つめる。


『着物は下着なんて邪魔くさいさかい、いらんよ』


ユウギはけらけらと笑って言っていた。


「エルはきちんとはいてるけどな」


『どこが違うんだろうね~?』


胸を押し付けながら富士也に甘えてるエル。

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