第32話
「ど、どんまいです」
ハーフエルフの小さな少女が落ち込んでいる秀久に声をかける。
「次はうまくいきますよ!」
と、そう言うのはハイエルフの小さな少女だ。この二人がどことなくつぐみに似ているのは作者の趣味です。
「ティルちゃんとシャルちゃんも励ましてくれているんですから、次は大丈夫ですよ!」
「そ、そうだろうか。 絶対この光景を見てたら万里たちは笑っていそうな気がするんだが」
みなもも落ち込んでいる秀久を励ましていた。
夕べのことで落ち込んでいたのはまるわかりだったりする。
「けどさ。 今回はみなもが被害にあったわけだし。 俺、不甲斐ないな」
「そんなことないですよ! 秀久くんは頑張ってます! だって、わたしのために護衛をかってでてくれましたし。 一生懸命に守ってくれているって思っています」
落ち込んだままの秀久に手をつかんで笑うみなも。
ちなみにどんな被害にあったかというと、ジャイアントトードからでる粘液が吐き出されて衣服が解かされるというハプニングである。
「そうですよ、お兄ちゃんは頑張ってます!」
「うんうん、頑張ってるよ!」
シャルとティルは秀久に抱き着いて笑顔を見せる。
この二人は親なしな為に秀久の両親が引き取り、秀久の家に住んでいたする。
そしてみなものことを姉として慕い、恋人になったことは大喜びであったとか…。
「そうだろうか。 涼宮くんみたいな女性は君にはもったいないと」
「「エロスは黙れ!」」
智が発言するとブラコンずなハイエルフのティルとハーフエルフのシャルと呼ばれた少女たちが怒る。
「なにがいけないのだ?」
「智ちゃんはもう少し空気を読んだ方がいいよ」
不思議そうな智にあきれたように言う萌。
そんなこんなで秀久は元気を取り戻し、再び冒険に出るのであった。
「次こそは気を付けるぞ!」
「「その意気だよ! お兄ちゃん!」」
やる気を見せる秀久にシャルとティルは防御と攻撃をかけてあげながら笑みを見せる。
「にゃ~」
「うん、スズも頑張ろうね」
みなもの肩に乗っている羽のある子猫に彼女はうなずいた。
喉をこしょこしょとなでるとぐるぐると喉をならすスズと呼ばれた子猫。
みなもに懐いているが使い魔なのかもしれない。
「後方での攻撃はシャルちゃんとティルちゃんがいるから大丈夫ですね」
「萌ちゃんも期待していますからね」
笑顔で近寄る萌にみなもは笑みを見せると彼女はちょっと照れくさそうにしていた。