表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/56

第28話

「………とりあえず、身近な依頼をこなしておくか?」


「そうですね、その方がよいかと」


海里がそう言うと日菜は同意してギルドへと赴く。

両腕をつかまれて動きにくい万里は困った顔をしていた。


「赤羽、なんとかしてくれ」


「助けたら押し付けるだろ」


万里の頼みを即答で断ると先に歩き出す赤羽。


「あ、待ってください~!」


鈴が慌てて赤羽を追いかける。


「まあ、なんだ。 頑張れ」


「そのうち慣れると思うえ」


深紅の頭を撫でながら笑う炎心とにこにこと笑う彼女。

 この二人はすでに恋人同士でかなり仲がよい。

そのため、ほかの冒険者たちからはモゲロ!と呪いの念を送られているとか。


「ジャイアントトードかジャンアントアントにするか………」


「こっちはカエルでこっちはアリなんですよね」


海里は真面目な顔でクエスト掲示板を見て悩んでおり、日菜はカエルは嫌だな~と思っていた。


「ジャイアントトードは筋がはっているが美味いらしいんだよな」


『なら、ご主人、こっちにしよう!!』


ぽつりと万里が言うとカールがその声を聞いて目をらんらんと輝かせていた。

食べ物がからむと彼女は積極的というべきなのだろう。


『花より団子やね~』


くすくすと笑うユウギに万里も確かに、と納得していた。


「まあ、こっちが最優先だろうな。 飼育している生き物や人が食べられているらしいし」


「そうやねぇ、そっちが先に討伐した方がえぇやろ」


炎心もその依頼を見て言うと深紅も資金を確認してからうなずいた。


「飲み込まれないように気を付けないとな」


「え、飲み込まれちゃうんですか」


赤羽がそう言うと鈴は怯えた様子で聞き返す。

まあ、そうだろう怯えるのも無理はないことである。


「ああ、だからここで安全に過ごした方が」


「それはもっと嫌です!」


「だから、なんで嫌なんだ」


赤羽はうなずいて言うが鈴は離れたくないと握りこぶしをして見上げている。

困った様子の赤羽はため息をついていた。


「あんな、これは遊びやないんやえ」


「そ、それは………」


深紅にあきれたように言われてうつむく鈴。


『まあ、えぇんやない? ジャイアントトードくらいなら、初級者がいても大丈夫やろ』


ユウギは万里にひっついたまま笑う。


『ジャイアントトードは美味いんだよね!』


「ああ、美味いらしいからたくさん食べていいぞ」


カールは万里に抱き着いて言うと彼はうなずいてそう話していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ