序章その3
こーしんです!
みなもside
朝食を終えて自宅から出て隣にある家を見に行くことにしました。
隣には幼馴染ともいうべき彼がいるんです。
父さんの助手をかってでて放浪していることがかなり多いので私としては心配です。
いつ、不憫なことが起きても彼だからという理由で納得できる頻度ですから。
おそるおそると家のドアに手を触れてみると、空いていることに気づきました。
ほっ、と安堵して寝ていたら起こしてしまうのでこっそりと中に入ります。
部屋の中はすっきりしているようでちょっとちらばりかんがあるような感じです。
忍び足でベッドへと向かうとそこではぐっすりと眠っている私のす、すきなというか恋人というか。
は、恥ずかしいです!い、いえそこはたいして重要じゃないでしょうけど。
「すー」
「寝顔、かわいいです」
眠っている彼ーー上狼秀久にちょこっと近寄り、寝顔を眺める。
至福のひとときとはこういうのでしょうか?
ね、寝ているのなら・・・・その・・・・キスしても・・・・バレません、よね。
よ、よし! わたしも京里さんを見習わないといけません。
心臓の高鳴りをおさえようとしながら顔を近づけるわたし。
あと、ちょっとというところで手をつかまれて引き寄せられての、濃厚なき、きしゅをすることに。
うゥ、絶対起きてましたよね、ひーくんは!!
「ん・・・ちゅ」
「ん・・・ふ・・う」
い、息が続きませんよ~////
苦しいと伝えるためにひーくんの胸板をぽんぽんとたたくんですけど。
さらにふ、深いきしゅになりまして、あうう////
わ、わざとしていますよ、これ!
「ぷは・・・・ただいま」
「お、おかえりなしゃい////」
ようやくきしゅから解放されまして、へたりこむわたしを目を細めて見つめるひーくん。
うう、ずっこいです。あれからもっとかっこよくなってます。
村の女の子たちもひーくんのかっこよさに気づいているひとがいないとも限らないくらいです。
ひとりでもんもんしているとひーくんに抱き寄せられてそのぬくもりに目をほそめてしまうわたし。
ほっとするぬくもりから離れるのはとても寂しい気持ちになるんですよね。
「ふむ、帰ってきてからそうそうに奥さんを襲うとはやるもんだな」
「ちょっと、智ちゃん! なんでひとんちに勝手に入っちゃダメだよ~っ!!」
メガねかけたあの変態で有名な彼がいつのまに見ていたことにわたしの頭はオーバーヒートを起こしかけました。
うぅ、なんでこうも恥ずかしいことの連続なんでしょうか。
あ、そうそう。智さんの隣にいるひとは久慈川萌さんといって、名前のとおりの人なんですけど。
セクハラをとめようとして逆にセクハラされちゃう子みたいなんです。
おかげで気苦労が絶えないそうみたいで。
「ふむ、今日は黒か・・・」
「ちょ、智ちゃんどこを見て意見を述べているんだよ~!?」
あ、スカートをめくられて中身を見られてるみたいです。
恥ずかしそうにスカートを抑えて右ストレートが智さんに決まりましたけど、ぴんぴんしています。
なんであんなえぐるような攻撃に平気でいられるんでしょうか。
「あいつらもよくやるな」
「そうですねってそうじゃないです! 狸寝入りは卑怯ですよ!」
苦笑しているひーくんに注意するように声をかけると。
「いや、なんかつい」
「つ、ついであんなことされたら動けなくなるじゃないですか!」
苦笑するひーくんに顔を赤らめながらいうんですけど効果あるんでしょうか。
芹香さんなら注意してくれるですかね?
あまあまです?