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第23話

 翌朝、トゥラーシュ達は宿の食事ができる場所にいてそこで朝食を食べていた。

トゥラーシュはドラグーンの膝の上に座り、美味しそうに食べている。

それはかわいいふさふさした耳としっぽが証明してくれるだろう。

 人間の耳あたりからふさふさ耳とふさふさとしたつやのあるしっぽ。

トゥラーシュが特殊な生まれだからというのもあるのだろう。


「ふみゅ~♪」


「口の周りがよごれてるぞ」


ドラグーンはそう言いながら口元にある汚れをティッシュでふきとる。

父と娘?もしくは兄と妹?かってくらいになんか見られていたりするのだが。

そんなこと二人には関係なかったりする。


「見せつけてくれますわ~」


「まあ、しょうがないだろ」


エルフ耳を動かす水色のロングヘアーの少女———クリムが言うとハイズは苦笑を浮かべていた。

 まあ、注目が集まっているのはなにもトゥラーシュだけではないのだが。


「トゥラーシュを思う存分、愛でてドラグーンの肌がつやつやしているわね」


「トゥラーシュも肌がつやつやじゃん」


シルフィとエースはその様子を苦笑いしながら見ている。

エースは鳥類の獣人なので鳥のような羽の耳をしているのだ。

背中の羽も彼女の自慢である。


「なでなでってそんなに気持ちいいの~?」


「知らないにゃ。 おねーちゃんはどう思うにゃ?」


「うーん、たぶん気持ちいいんじゃにゃいかとおもうにゃ」


ルミアの疑問にルーチェは首をかしげてからルルーシュに問いかけると彼女もよくわからないようである。


「わたしは一度でいいからなでてもらいたいですね~」


タマモはどこか楽しそうに九本のしっぽを揺らしていた。


「ちょっと、ここで魅力の魔法使わないでよ?」


「そうやで、迷惑やさかい」


そんなタマモに注意するシルフィとクリムだった。

ちっ、と舌打ちしたのはたぶんきのせいではないだろう。


「そんなことありませんよ~、いつか会える人に尽くすと愛に生きると決めてますから~♪」


「「(絶対嘘だ……)」」


そんなこんなで食事を食べ終えた後で、ギルドへと向かった。

 相変わらずトゥラーシュはドラグーンの懐から出てはいないでいるが。

ぴこぴこと音を拾おうと耳が動いているのがわかる。


「フェルーレのみなさん、いらっしゃい。 今日はどんなクエストになさいますか?」


受付嬢の女性が笑顔で出迎える。


「ああ。ギガノックスっていうやつの依頼を受けたいんだが」


「畑にある食物を食い荒らすアイツですね。 まだ、討伐できる人いないんで助かります」


ハイズの言葉に頭をさげる受付嬢のエルフ。

紙をもってきてそれを渡すとハイズがサインをかいていく。


「ハイズさん…………あなた、後悔していませんか?」


受け取りながら受付嬢は心配そうに見て聞いた。

突然だが、それを聞いて驚きはするがすぐに表情をもどし。


「後悔なんてするもんかよ。 それで大事な家族が守れるんならな」


「さすが、俺と一緒に母さんに鍛えたられたことはあるよな」


ハイズの言葉に関心したように言うドラグーン。

 彼は元は人だった、だけどある日を境に彼は人ではなくなったのだ。

それは彼にとって望むべきことであり、後悔なんてするほどでもないのだから。


「まったく、そう言えるのはあんたくらいよ」


「せやな、自ら自害したくて首を差し出しにいくもんはこの世界にはおるからな」


「タマモ的に、自ら望んでなったことなのにあとから後悔なさる理由がわかりません」


九本のしっぽをゆらすタマモにみんなが苦笑していた。


「そういう人もたまにはいるんですよ。 タマモさん」


「そうそう、ハイズみたいな後悔しないなんてやつはそうはいないんだから」


そういって現れたのは金色のツインテールの少女と黒髪ロングヘアーの少女だった。

ちなみに最初に会話に割り込んだのは人魚のお姫様で次に現れたのは月の国のお姫様である。

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