第21話
息が絶え絶えな瑠奈たちが地面にて臥せっていた。
「まあ、こんなものかしらね」
「は、はるかさん。 瑠美がつぐみをさらったこと根にもってる?」
つぐみと同じ小柄な女性がそれを見てそうつぶやいたのを見て直貴が尋ねると。
「そんなことないわよ~♪ それくらいうちの子がかわいいってことでしょ?
むしろうれしかったわあ♪ でも、あとで龍星くんに怒られたんじゃない?
あの子、つぐみにたいしてかなりの超怒級シスコンだから」
直貴ににこにこ笑顔でそう言ってくるのはつぐみんの母であるはるかだ。
美桜と並ぶと姉妹のように見えること間違いない。
まあ、実際血のつながりはあったりする。
なのでつぐみにとって龍星が兄であるのは間違いないだろう。
「うんうん、つぐみも希もかわいいからね!」
「うん、だからついついさらっちゃった☆」
瑠奈がうなずいていると瑠美は悪びれた様子もなくいうのであった。
それに胃痛を悩ませる豊がいた。
「「それですますな」」
瑠奈につぐみの弟の瑞貴がげんこつをたたきこむ。
ちなみに龍星じこみである。
瑠美にはみなもの兄の直哉がげんこつをいれていた。
二人とも涙目になっているのがわかる。
「希、大丈夫か?」
「う、うん。 なんとか」
拓真が希に声をかけて聞くと彼女は手を引いてもらいながら立ち上がる。
関石姉妹の居候の人物である。
「佑樹くん、大丈夫?」
「あ、はい。 大丈夫です」
千里さんの家で居候している真里が声をかけると彼は立ち上がり、笑みを見せると安堵した様子を見せる。
見た目はつぐみと同じ少女であるようだ。
どうしてこうまで似ているのか彼女自身にもよくわからないとのことである。
ただ、京里のことを兄として慕っているとのことだ。
ちなみに名付け親は千里の奥さんである。
「ユタカ、だいじょうぶデす?」
「ああ、平気だよ。 ひめか」
豊に薬を差し出すはとてもきれいな女の子だ。
ひめかといって、瑠美たちの幼馴染でもある存在である。
「ほら、直貴。 はやく立ち上がってよ」
瑠美によくにた少女はそういって直貴の腕を両手でつかんでひきあげる。
彼女もなぜか瑠美によくにているのだ、なので瑠美の妹としてすごしている。
それを眺めながら手をたたいて、今日の訓練の終了をつげると各々かえっていくのをはるかは見送る。
~~~~
ところかわって万里の方では・・・?
「そうやね、旦那はんはうちより早く死ぬことは間違いないやろ。 けど、うちは先に死にそうになさそうに思うで? あと、大切な友人が死ぬのはなんども見てきたのは事実や
けど、いろいろな可能性というものがあるんよ? この世界には不思議なことがたくさんある」
万里の胸板に手を当てて口元をもちあげて妖艶に笑うユウギ。
たぶん、千里のことをあげているのだろうと万里には用意に理解できた。
「意味がわからん」
「まあ、そないな些細なことより・・・・うちが旦那はんが好きだということをじっくりしっぽりと教えてあげるえ」
考えている万里に密着して唇を合わせるユウギであった。
「んぐ!?」
これに慌てる万里は離れようと必死だ。
ここまで振り回されるのは初めてではないだろうか。