第18話だよん
朝、小鳥のさえずりで目を覚ますつぐみ。
眼をこすりながら起き上がると、よくみると自分とよく似ている存在がいるではないか。
ひとりはロップイヤーの兎の耳と尾がある子でもうひとりはマンチカンの猫耳と猫しっぽがある子と、
もうひとりはチワワのような犬耳としっぽを持つ子。
どの子も自分によく似ているというか似すぎではないだろうか。
「みゅ~」
「みゃ~」
「わみゅ~」
「・・・・かわいい」
つぐみにすりより三匹の頭を撫でてほんわかしているつぐみ。
小動物が好きな彼女にとっては癒しになるだろう。
とりあえず、起こさないように布団に寝かせて猫きぐるみパジャマから着替える。
龍星から渡されたので着ているのだが、違和感がないのはなぜだろうか。
着替えていると、三匹が身を起こしてじーとつぐみを見ていた。
「え、えっと?」
かなり困った顔で三匹を見つめるつぐみ。
どうしてこんなにも見つめられていなければならないのだろうか。
「ないない!」
「みゃー」
「わみゃー」
つぐみが着替え終えたと確認するやいなや飛びつく三匹。
こ、困ったかわいいからこそおいていけないし。
連れていっていいものかとつぐみは悩んでいたりする。
なので、京里や龍星や芹香に聞いてみようと思ったのだ。
「芹ちゃん、起きて!」
「もうちょっとだけ」
猫のように丸まっている芹香をゆすり起こすつぐみ。
彼女が低血圧なのはよく知ってはいるが相談のためには起きてもらわなくてはならない。
何回も芹香の体を揺さぶるつぐみ。
「もちゅ~♪」
「んん・・・・ふにゅ?」
垂れ兎耳のつぐみそっくりのぷちが芹香の豊満なバストに吸い付いていると起き上がる芹香。
寝ぼけ眼でつぐみそっくりの兎のぷちを優しく剥がして。
「起こしてくれるのはありがたいけど、胸にすいつくのはやめてね」
「ないない?」
芹香に諭されるが不思議そうに小首をかしげるつぐみそっくりの兎耳のぷち。
「みゃ~」
「わみゅ~」
二匹のぷちも芹香に飛びついてすりすりと甘えているようだ。
「なにこれ、かわいい!!」
「芹ちゃんもそう思うよね」
芹香はそういって抱きしめると苦笑しながらも否定はしないつぐみ。
「ガウウ《つぐみそっくりだぁ~》」
《不思議なり》
ルイセとシルトはその様子を見て不思議そうにしているようだった。
そして芹香が着替えるのを待って部屋を出て朝食をもらいに向かうつぐみたち。
「あ、つぐみ。 おはよう、今日もかわいいね」
「おはよう、つぐみに芹」
食堂のテーブルには京里と龍星がおり、こちらを見て微笑んでいた。
なにげに京里はくさいセリフをはいているが。
「りゅうくん、見て見て! この子たちつぐちゃんにそっくりなんだよ!」
興奮気味に近寄りながら三匹のぷちを見せる芹香。
「みゅ?」
「みゃー!」
「わみゅ~」
三匹そろって不思議そうに龍星と京里を見つめていた。
「おー、かわいいな~♪ つぐみに似ているから余計だな」
「そうだね、つぐみに似ているから余計にかわいいね」
そう言いながら三匹の相手をする龍星と京里。
二人とも笑顔で見つめているのがわかる。
「ところで、京里。 避妊しなくちゃだめだろ」
「違うからね!? お兄ちゃんわざと言ってるでしょ!」
龍星が真面目な顔でそう言ったのを見てツッコミをいれるつぐみ。
「いや、まだそんなことするまでになってないんで。 ありえないことかと」
真面目に訂正しながらも苦笑する京里。