第15話 召喚されし勇者
少女が学園の廊下を歩いているとあなたの周囲に、突然謎の模様が展開した。
ゲームや漫画で見かける魔法陣のようなそれに飲み込まれ、次の瞬間には知らない場所へ抛りだされていた。
周囲には少女をかこっている人がおり、普通はパニックになるはずが不思議と冷静に判断していた。
これはいわゆる召喚されてしまったのだろうかと。
優し気な風貌の少年とその隣にいる謎の人物たちはこちらを見ている。
「突然、ごめんね。 えっと、言葉はわかるかな?」
「・・・・残念ながらそうみたいね」
黒髪のアメジストの瞳の色をした若干癖まじりの少年の言葉に黒髪の長い髪の少女は淡々と答えた。
「王に向かってなんて口を!」
「いいんだ。 自然たいで接したいからそれに僕が生きていることがばれたらまずいだろ?」
周りにいた一人が憤りを見せると手で制して止めると悲しそうに見つめるローブをきた謎の人物たち。
「王ということは、あなたが王様なのかしら?」
「うん、父上がいなくなってしまったし国も滅びてしまったけど。 僕が王なのは事実かな」
少女の視線をまっすぐ受け止めながら少年は話す。
彼の名前は夜瀬澪次であるクリスタルを守る守護者の一族である。
それはかなり有名だが、異世界人である彼女としてはどうでもいいことだ。
「・・・・悲しくないの」
「悲しいけど、今はこうするしかできないからね。 でも、きっと取り戻そうと思う。
勝手だけど、君にその為の力になってほしいんだ。」
苦笑しながら話す彼を見て彼女は無表情にまっすぐ視線を合わせて見つめていた。
周りをみると石畳みのような岩壁のようなそんな部屋の中だと気づく少女。
「・・・・期待しているところ悪いんだけど。 わたしにそんな力はないわ。
ただの女子高生だもの」
「そんなことはありません! わがクリスタルを守護する王家に伝わる呪文で勇者を呼び出したのですから!!」
「どうか、お願いします! 我らがついていければよいのですがそれでは目立ちすぎるというものです。
どうか、我らに代わって王を守り勇者として王国の復帰をお手伝いしていただきたい!!」
彼女は視線をす、とそらしてからいうと澪次の従者と思われる男性たちが口々にそう言ってきた。
口やかましいことこのうえないと不機嫌になる少女。
だが、言われてみるといつのまにかプロテクターと剣を収めるものが彼女は身につけていることに気づいた。
「そう、難しく考えないで気楽にこの世界を楽しんでくれてもいいんだ。
僕も気楽にこの旅を楽しみたいと思うからね・・・・」
「・・・・・はぁ、仕方ないわね。 行くところもないし、暇つぶしにつきあってあげるわ」
そう、少女は振り向いて告げると少年――澪次は笑みを見せた。
変わっている王の生きざまと彼の信念を見て見たいというのもある。
それにもう一度だけ、信じてもいいかもしれないと彼女は思ったのだ。
ここは元の世界とは違うのだから・・・・。
「それならば話が早いです! こちらへ!」
澪次の従者の一人に案内されて分厚い扉をくぐると、そこには岩のようなもに剣が刺さっていた。
「これは勇者の選定の剣でカリバーと言われており、これを抜ける者は勇者しかいないということです!
どうか、お納めください!」
従者はそう言って少女の背中を押す、少女はどうせぬけっこないと思いつつ、柄をもち引き抜こうと力をこめようとしたらあっさりと抜けてしまい、少女は呆然としていた。
澪次の周りにいた従者たちは、やはり彼女が王の剣となる勇者だと騒いでいた。
「ふふ、これからよろしくね。 えっと・・・僕の名前は夜瀬澪次というんだ、一応王様なんだけど
気楽に接してね」
「しょうがないから、付き合ってあげるわ。 澪次、私の名前はほのかよ、苗字は嫌いなの
呼ぶなら名前で呼んでちょうだい」
手を差し出す彼にぶっきらぼうに言いながらほのかも手を差し出して握手をする。