第13話 フェルーレのメンバーは?
あの後近くにある都市のヴァデールにいき、宿屋に向かいチェックイン。
ちなみにその間もずっとトゥラーシュを懐に入れて歩いている超怒級竜人サムライことドラグーン。
まあ、エルフの血も流れているので精霊たちの声やマナの声も聞こえるのだが。
ちらちらとドラグーンの懐で垂れているトゥラーシュに受付の人は見ているのはいうまでもなく。
なにがどうなったらああなるのかという謎が見ていた住人は思ったであろう。
「とりあえず、風呂にいくか」
「ちょいまち、まさかそのまま行くわけやないやろうな」
歩き出すドラグーンにクリムがそう話しかけると。
9つの狐しっぽをわさわさと動かしているクリムは不機嫌なのかも?
「いくら兄貴でもそれは」
「行くが、いけないのか?」
ザンバートのとりなしに不思議そうな顔で言うドラグーン。
ハイズとルージュがそれを聞いてずっこけるのと同時にフィーナもずっこけていた。
「ああもう、あんさんは昔からそうやったな」
頭を抱えてため息をつくクリムにザンバートがぽんぽんと肩をたたいていた。
宿屋の店主がそこへ歩いてきてなら、専用の風呂場でまったりしていくとよろしいでしょうといい案内してくれた。
隠し風呂場なのでこれを開放されるときはドラグーンとトゥラーシュがいるフェルーレ限定な風呂であるとか。
「ああ、ありがとうな」
「いえ、ごゆるりと」
店主も苦笑しながら言うとドラグーンはトゥラーシュを懐にいれたまま案内された秘密の風呂場へと入っていく。
「俺たちは別に別に入るぞ」
「だな」
ザンバートとハイズはそう言って男風呂へと向かい。
「ウチらもいくにゃ!」
「お姉ちゃんのいうとりにゃ!」
双子の妹のルーチェと双子の姉のルルーシュは猫しっぽを揺らして風呂場に向かう。
ちなみにルルーシュとルーチェは双子なのでよく似ているらしい。
「羽の汚れをきれいに落とさないといけないじゃん」
「手伝うの~」
「し、仕方ないから手伝ってあげるんだから!」
「わたしたちもいきましょう」
フィーナに言われてクリムとルージュはうなずいて女子専用風呂へと向かう。
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「気持ちいいか? トゥラーシュ」
「うん!」
彼女の長い髪を風呂場にて丁寧に洗うドラグーン。
ちなみに二人とも裸なので悪しからずなのです。
なお、このようなことは幼いころからの習慣なので恥ずかしいとかそういうのはないらしい。
特にドラグーンにはそういった意識もなく、トゥラーシュは少し恥ずかしいかなと思う程度だとか。
たぶん、そのうち慣れてしまうのだろう。
ところ変わって女性陣の方をいこうと思う。
クリムは丁寧に耳としっぽを奇麗に洗っているようだ。
数が多いと洗うのも大変なのだろう。
まあ、自慢の毛並みというのもあるのだろうが。
「わしゃわしゃ」
「きもちいいにゃ~♪」
ルーチェはルルーシュに耳と髪と猫尻尾を奇麗に洗ってもらっているようだ。
猫耳がぴくぴくと動いているのがよくわかる。
「ルージュ、ありがとう」
「気にしなくてえぇよ」
シヴァの犬耳と犬しっぽと髪を丁寧に洗うルージュ。
優しく優しく洗って堪能しているといってもいいかもしれない。
「エースの翼ごわごわなの~」
「ルミア、お願いだから変なふうにしないでほしいじゃん」
「大丈夫よ、私も一緒に洗ってあげているから」
違う方ではエースをルミアとシルフィが体や翼などを洗ってあげていた。