第11話 龍星・芹香・京里・つぐみ・ルイセ
つぐみたちは野営をして休んでから町へとたどりついた。
そこにで買い物をすることになった。
まずは宿をとるためにそちらへと向かうつぐみたち。
まあ、保護者と思われた龍星と芹香を見てご両親と旅に出ているの、えらいね~と言われたことでつぐみと京里が落ち込んだのはいうまでもなく。
子狼状態のルイセがそんなつぐみを見て頬をペロペロとなめていた。
「いや、違うんですけど」
「え、二人とも16歳? と、とても見えない」
龍星が苦笑しながら訂正すると店員にそういわれてますます落ち込んだのはいうまでもない。
芹香も苦笑しながらつぐみの頭を撫でて励ましたのもいうまでもない。
「部屋割りは、つぐみと芹で俺と京里でいいな」
「はい、それでいいと思います」
龍星が言うと京里はうなずいた。
まあ、そうでもしないと理性が保てないというのもあるのだろうけど。
「部屋も決まったし、買い物に行こうか♪」
「わふ~♪《わーい♪》」
「賛成!」
芹香が笑顔でそういうと飛び跳ねるルイセと同じように笑顔を見せるつぐみ。
響より姉ぽいのは彼女の特性ゆえなのかもしれない。
「つぐみ、これはどうだ?」
「りゅうくん、一応聞くけどそれをなににするの?」
「つぐみに着せて抱きしめて寝る」
現在、武器や防具を見ようとしていたが、なぜか服を見ることに
うさぎのきぐるみを見せる龍星に芹香がじと目で見つめて聞くと真面目な顔でそう言ってきた。
まあ、つぐみはお兄ちゃん子なので嫌がりはしないだろうけど。
「龍星さん、それ冗談じゃすまないんですけど」
「そうか? つぐみに似合うと思うんだけどな~」
京里が苦笑しながら言うと龍星はうさぎのきぐるみをみながら悩んだ様子でそう告げた。
ハムスターのパジャマやらバニーガールやらなどがなぜかある。
「もう、りゅうくん! そこはこのねこさんパジャマを着せるべきだよ!」
「違うよね!? 否定とか注意する場所違うよね!? いや、いやというわけじゃないけど!!」
芹香もなぜか対抗意識を見せて見せるパジャマにつぐみが思わずツッコミをいれていた。
なんというかカオスな光景である。
「うーん、それもすてがたいな」
「すてがたくないからね!?」
悩むように腕をくむ龍星に京里が思わずツッコミをいれていた。
さすが似たもの夫婦で有名な二人である。
「あ、ルイセにこれ似合うかも」
「鞍馬か。 そうだね、つぐみが乗るときに必要だもんね」
つぐみはため息まじりにしながらルイセの背中に合うものを選んでいた。
京里もそれを見てうなずいて、ルイセに装着してみる。
「どう、ルイセ?」
「わうわう『大丈夫だよ~♪』」
京里に問われて笑顔でしっぽを振りながら答える。
「大丈夫だって、ケイくん」
「そっか、よかった」
つぐみの言葉に京里は安堵していた。
「そういえば、ルイセは人間形態にもなれるんだろ?」
「わふ~《やろうと思えばできるよ?》」
龍星の問いかけにルイセは尾をふりながら答える。
「そうなんだ、ならなんでしないの?」
「ガウウ《こっちの方が楽だから》」
つぐみの問いにルイセはつぐみにすりすりと甘えながら鳴いた。
それを聞いて少し苦笑を浮かべているようだ。
「ふむ、とりあえずつぐみのとルイセのパジャマを選ぼうか」
「そうだね、りゅうくん!」
龍星と芹香はうなずくと全力できぐるみパジャマを探し始める。
「あの、あたしこれでも16歳なんですけど~」
「ダメだ、聞こえてないよ」
つぐみの声かけに京里は苦笑しながらそう言った。