表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/56

第6話 ギルド「フェルーレ」

「ところで、ハイズ。あの時のことなんやけど」


「ああ、今回は誘拐じゃなくて殺し屋だった・・・」


「手に入らないのならいっそってことかしら」


クリムとクムレはそれを聞いて奇麗な眉をしかめていた。

大事にしている歌姫の命を狙ったのだからそうなるのも無理はないだろう。

不機嫌そうにグラスの酒を飲み干すクリムとクムレ。


「まあ、そろそろだろうとは思っていたが。 道中でオオカミに似せた使い魔で狙ってきたしな」


「でも、予想は波長が似た少女に注意がいったちゅーことは・・・・危険やな」


「そうね、あの子は一人で冒険させるのは無謀というものよ」


ハイズはグラスの酒を飲み干しながら言うとクリムとクレムは狙われたつぐみのことを思う。


「ねぇ・・・なんの話?」


と、クリムたちに近寄りながら、小首をかしげるトゥラーシュ。


「ん~? どんな奴らに狙われてもわっちらがトゥラーシュを守るちゅー話や

それがたとえどんな殺し屋でもな」


むぎゅっと抱きしめながらクリムは笑う。

その言葉を聞いて怪訝そうな顔つきをするトゥラーシュ。


「殺し屋ってどういうこと・・・?」


不安げな表情でハイズ達を見上げるトゥラーシュ。

余計なことをと睨むハイズに、別にえぇやろ?と悪びれた様子もなくトゥラーシュの頭を撫でている。


「こっちから行こうが向こうから来ようが、いずれはトゥラーシュにはバレルことや

なら、さっさと言うといた方があとくされなくすむやろ?」


「クリムの言う通りですね」


クリムが笑顔で言うとクレムも賛同なのかうなずき、トゥラーシュの頭を撫でている。


「それもそうか。 トゥラーシュ、これからあわただしい日常になると思うが、大丈夫か?」


「うん、みんながいるなら。 わたしは大丈夫だよ? それよりあちらの子のことも心配だよ」


ハイズの問いに笑顔で答えるトゥラーシュはつぐみのこと心配していた。

優しい彼女だからこそだろう。


「大丈夫だろ、Sランクの幻想種と魔獣と日の精霊獣がいるんだから」


「でも、あの子冒険者になるんだよ? 慣れてないと思うんだけど」


「それは仲間がなんとかすることやろ」


「そういうことよ、まあ・・・あちらになんらかしらの事情があるなら一緒に旅するのもいいかもね」



クリムとクムレはトゥラーシュの頭を撫でながら笑みを見せていた。

それでも心配そうなトゥラーシュにハイズは彼女らしいと思っているようだ。


「まあ、ひとまずはトゥラーシュを狙う輩をぶっ潰すところからはじめないとな」


「それなら、あのつぐみっていう女の子は連れていかない方がえぇやろ」


「そうね、それが一番だと思うわ」


ハイズがこぶしを鳴らして言うとクリムとクレムは真面目な顔でそう言った。

それもそうかっとトゥラーシュは納得する。

自分と似たような彼女を連れていくのは彼女を危険にさらすことにほかならない。


「さて、トゥラーシュはそろそろ寝てきたらどないや?」


「添い寝が必要なら、いくけど?」


クリムとクレムはにこにこと笑っているのを見て頬を膨らまして。


「大丈夫だよ、いこ!スノウちゃん」

「わきゅ、一緒に寝ますの♪」


手をつないでトゥラーシュとスノウは仲良く用意された部屋に入る。


「がうう《待ってよ~》」


真っ白な虎があとを追いかける。

この子も精霊獣のひとりでトゥラーシュと仲がかなり良いのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ