第4話 万里・日菜・陽・???・ユウギ
「まあ、竜に好かれるのは悪いことやないで?」
「そうなのか?」
胸元がはだけられてたわわが見える状態のまま歩くユウギから距離をとる万里。
「せや、竜の血は特殊な祝福があるんや。 それは鬼も一緒やんな」
「ふーん、どちらもすごいんだな」
「ぴぎゅ《すごいんだよ~》」
ユウギの説明を聞いて腕を組みながら歩く。
なぜか自慢げにえへんと胸をはるチビ竜にユウギはくすくすと笑う。
「では、狙われやすいということですね」
「万里はそんな大変なやつらに好かれているわけか・・・・」
日菜と陽は万里をみながら拾った魔石を袋にいれていた。
「あはは、そんだけ旦那はんは魅力的ちゅーことやな」
「それはあんまりうれしくないんだが・・・」
ユウギの言葉にため息をこぼしそうになる万里。
チビ竜はすりすりと万里に甘えているようだ。
「ところで、旦那はん。 なんでそんなに離れるん? うち、寂しいやんか」
「その服装で近寄られてると困るんだよ!」
しなだれかかられると慌てて距離をとり、日菜を盾にしようかともくろむ万里。
「ところで、ユウギさんはクリムさんと深紅さんと似ていますけど。 なぜですか?」
「ああ、そないなこと? そうやね、この世界にきたときにすでにいた者と渡来してきたものとして別れることがあるんよ。 その人物にあった種族なんてもんもあるからなぁ」
日菜の問いにユウギは笑いながら説明してくれた。
彼女としてはどうでもいいことなのだろう。
「つまり魂が別れたということですか?」
「せや、うちもそうやけど・・・・つぐみという子もそうやね。
特定の誰かにより、別れる人も限定されるんや」
日菜がそう聞くと彼女はうなずいて酒を飲みながら告げる。
それはつまり、深紅もつぐみもかなり特殊な存在だということになる。
「それを千里さんたちは?」
「知ってるえ。 エレナ・千里・美桜・みずはは・・・な」
海里の問いかけにあっさりと彼女は答えて万里に後ろから抱き着いてたわわを押し当てる。
鬼ゆえに力もつよいので万里はひきはがすこともできずにじたじたと暴れていた。
「なんで、ユウギさんは万里に?」
「ん~・・・・なんちゅーか面白そうやし。 うちの元の子も気に入ってるようというのもあるけど、うちがはじめて気にかかるわっぱはなかなかおらんからな。 それで旦那はんをみてこのひとやと思うたんよ。
そのチビ竜もそのてやろうな」
日菜は万里の様子をあえてスルーし、聞くとユウギは万里の頬にちゅっとキスしながら笑った。
「これで旦那はんは骨のずいまでうちのものや」
ユウギはくすくすと妖艶に笑っていた。
万里は硬直していたが、わたわたと暴れているようだ。
「なんで逃げるん? うち、寂しいわぁ」
「そんなこと思ってないだろ!?」
悲しそうにしているユウギに万里は否定する。
がっしりとつかまれている万里は動けないでいた。
まあ、あの千里さんとやりあう仲なのだから当然といえば当然である。