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第2話 響と流牙

街を目指して歩くのは黒いコートを羽織った黄色い瞳が特徴の秋獅子流牙。

誰にも教わらず我流で強くなった傾向があるが、千里や美桜からは危ういとも思われている。

そんな彼の隣を歩いているのはローズピンクのポニーテールの少女?、いや女性というべきか。

龍星とは年齢は同い年の女性で、方向音痴が難ありだけど、それでも流牙といるために強くなるために体を鍛えて、一緒に冒険者となった。


「わざわざついてこなくてもよかったんだぞ」

「いいのいいの! ボクがいないと肉ばかりで偏るりゅーがを心配してついていくんだから!

それにほら、ボクは大人だし? 年長者としても心配だからね!」


ため息をつく流牙の隣でにこにこ笑顔で言う響。

彼が幼いころから一緒にいて、慈しみ、隣にいる道を歩んだのは響だ。

たとえ、すげなくされても彼女は彼の隣で明るく笑うと決めているのだ。

まあ、せつなくならないなんてことはなくもないが、ダーリンといえば反応してくれるので

それでよしと、思ってもいたりする。


「・・・・・妹の方はどうなる」

「あの子は大丈夫だよ、しっかりしてるし」


流牙の問いに響はにひっと笑って腕を組んでしまう。

振り放つことなどせずそのままにして歩く流牙。


「歩きにくいだろ」

「え~、ロマンチストじゃないなぁ。 りゅーがは、もちっとりゅーせーやひでりんみたくなろうよ」


ため息をこぼす流牙に響は不満そうに言うと抱き寄せられてキスされる。


「榊のことはともかく、やつのことはだすな」

「は、はぁ・・・・りゅーがはいつもそうだよね。 不愛想でそれで余計な反感かうんだから」


そう言って歩き出す流牙のあとを追いかける響は隣で笑う。


「ふん、勝手に反感などもたせておけばいい」

「りゅーが、それだとお姉さんは心配なわけだよ? わかってる?」


歩きながら言う流牙の頬をつんつんする響は笑顔だ。


「どうでもいい」

「・・・むぅ。 だーりんってば!」


不愛想に言うと背中に飛びつかれてしまう流牙。

やわらかいバストの感触と呼ばれたセリフに振り向いてしまうと嬉しそうな笑顔の響が目に映る。


「ダーリンって言うな!」

「やっと振り向いてくれた☆」


そう言う流牙に響はにこにことすごくうれしそうに見ている。

しまったと思ってすぐにとりなおす。


「なんのことだ」

「えへへ、今更隠しても無駄だよ?」


そっぽを向く流牙ににこにこと笑う響。

これはこれで仲がよいのかもしれないのである。

そんな感じで歩いていると、緑色で半裸で腰には布切れのゴブリンが襲撃してきた。

だが、こんなときでも焦ることなく、槍で目を突き刺すと、振り払い。

黄色の瞳が獣の目へと変わっていく。

響は空気が読めないな~と言いながら羽つきの弓で矢をつがえてゴブリンの目に向けて放つ。

この武器は姉妹とも同じなのである。

だから、よくお揃いで練習をしていたりする。

全滅させるのにそんなに時間はかからず、あたりにはゴブリンの血が蔓延している。

布切れをまいて再び背中に背負う流牙と同じように背中に背負い、流牙の歩き出す方へと歩みを進める。

ゴブリンのキバと斧を採取して、後は野ざらしにしておくそれが流牙と響の決め事である。


「あの、ゴブリン。 宝石とかもってたからどっかで商人でも襲ったのかも」

「だろうな、まあ・・・弱いやつが悪いだけだ」


宝石を日にかざしながら歩く響の隣でぶっきらぼうに話す流牙。

それに苦笑を浮かべる響であった。

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