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17.お色直し。それは手持ち無沙汰なひととき!
遠くでベルのなる音が聞こえる。
早く、彼女を連れ出したい。
あなたはなんとかウエイターの振りをして、彼女の披露宴会場に潜入した。
披露宴会場は今、花嫁のお色直しが終わり、再入場しようとしていた。
あなたは彼女の前に立ち、連れ出そうとするが、彼女はあなたを見ても、動かない。
むしろ、悲しそうだった。
『もう遅いの』
彼女はあなたにそっとすれ違いざまに呟いた。
あなたは思い出す。
会場に潜んでいた時に鳴ったベル。
あれがあなたのタイムリミットだったのだ。
立ちつくすあなたの様子に気がついて、警備員が呼ばれた。
12へいけ。
披露宴じゃ、ちょっと遅かったようだね!




