Is it japanese?
「あの、ね」
「うん」
「雪城くん、ね」
「うんうん」
「好きな人が、いて、ね」
「うんうんうん」
「・・・ぃて、・・・・・が、・・で」
「んん?」
「なーくん、で」
・・・・・・・・・・・好きな人がいて・・・が・・で、なーくんで・・・。
えっ。これ日本語?日本語?え、日本語?じゃぱにーず?いずいっつじゃぱにーず?
顔紅くして必死にしゃべってる奴にこんなこと言いたかねえが、
・・・なに言ってんのか全っっっっ然分かんねえ。
外国語の前に日本語を勉強しろ。母国語だろ。
「俺がなんだって?」
「・・・・なーくん、なの」
「だからなにが?」
やば、だんだん苛々してきた。広い心を持たなければ。
「なーくんが、好きなの」
「尊が?」
「・・・・ぅ、違・・ぅ」
なぜ泣くっっっ。
てか、違うの・・・っ!?違ったのっ!?
え、尊、え、まさかまじで別れ話っすか!?まじでじまっ!!?
うっわあ、今すげえ頭混乱しとるっ。それでも表情にださないところ、俺は凄いっっ。
「ち、違うのか?」
「うんっ」
その力強い頷きで、俺はカナリ凹んだぞ。
「俺のこと、好きじゃない、のか?」
やばい・・・泣きそうだ。
泣くな俺。男だろ。しかも攻めだろ。泣いたら終わりだ。泣いたら終わりだっ。
頑張れ、耐えるんだっ。
「へ?」
そんな俺の心情を知るわけもない尊は、さっきまでの泣き顔と違う、きょとんとした、本当に『きょとん』と効果音がでそうな、きょとんとした顔を俺に向けてきた。
「いや、違うっつったから」
「へ?・・・あっ、違う。そうゆう、意味じゃ・・なくて・・・」
泣き顔、きょとん顔、次は焦った顔。意外に百面相だったんだな。
「ぼくっ、好き、だから・・なーくんの、こと」
「・・・・・・」
・・・好きな奴から、好きって言われると、物凄く嬉しいのな。
今、すっげえ実感してるよ、俺。
とりあえず、俺の勘違いだったんだよな?あぁ、勘違いで良かった。
「それ、で・・・雪城くんも、なーくんのこと、好き・・なんだって」
「へえ」
そうか、雪城が。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・な、なーくん?」
そうか、雪城が。
「・・・・・・・・・・」
雪城が・・・?
「雪城が?俺のこと?」
なんだそれ。