能力付与。
俺は妄想世界に家を建てた後、すぐに俺の室内にあるベッドで寝た。
そして、今起きたばかりなのだが。
母ちゃんもいないし、腹がすいているな。
窓を開けると、日差しが真上から降ってくる。
もうこの世界でいうところの、昼過ぎのようだ。
雑然とした部屋を出ると、木造の階段をゆっくり下りて、
キッチンへ通じる扉を開けて中に入る。
自宅の様子は教えない。
プライベートな部分は省く。
さて、冷蔵庫に向かい中を物色する。
あるのは麺類と、冷凍ピザ。昨日の夜食の残り。
その他。
その他は、昼ごはんには向いていないものなので省略。
とりあえず、オーブンでピザを焼いて食した。
腹がいっぱいだ。
おなかが一杯になると眠くなるな。
部屋に戻って眠りたいが、動くの面倒くせえ。
そうだ、テレポート能力を俺に付与するか。
『テレポート能力を俺は身に着ける』
携帯にうちこんで反映。
俺は二階のベッドをイメージすると、ふわっと体が浮いたような感覚がしたが、
同時に、視界に移るものが変わっていた。
二階にあるベッドに一瞬で移動したのだ。
さて、もう一度寝るか。ベッドに横たわると、
やわらかい布団をかけて寝た。
そして、また目覚めた。
体を起こすと、掛け布団を跳ね除け、ベッドから這い出て、
リクライニング式の椅子に腰を下ろした。
前には木製のテーブルが置かれている。
その上にはパソコンがあった。
インターネットでもしようかな。
繋がるのか?
俺はデスクトップのパソコンを起動させる。
OSを立ち上げ、ブラウザーを開くが、なにやら繋がらないみたいな文字が出ている。
当然か。
プロバイダーの会社もこの世界にはないしな。
やれやれ、暇だなー。
俺はパソコンをシャットダウンすると、
また携帯を取り出した。
『俺に空を飛ぶ能力をおくれ』
世界に反映される。
俺はふわっと浮き上がると、室内の窓から外に飛び出した。
気持ちいい~。
ジェットコースターに乗ったような、ぞくぞくっとする感覚とともに、
宙を自在に移動する。空を切る際に肌に感じる風の抵抗が心地よい。
障害物に当たらないくらいの高さで荒野を駆け巡る。
某漫画の主人公のように。両手を広げてほどほどの速度で。
あんまり速いと、目が開けられずに、岩かサボテンに当たって死ぬからね。
俺は高所恐怖症なので、高度をあげすぎずに、そのまま飛行しつづけた。
最初は恐々だったけど、もう大分慣れてきた。
力の使い方も分かってきたし、そろそろ降りるか。