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あなたがそっと眠れるように
繰り返し思い出す
ティッシュペーパーに包まれた裸のチョコレート
あなたは私が喜ぶ顔を想像しながら
あのプレゼントを用意してくれたのでしょうね
いつも私達の幸せを祈ってくれていた
それを笑った人もいたけれど
あなたが謳うように呟く祈りの言葉が
私はとても好きでした
あなたが嘆き悲しんだとき
私はまだほんの子供で
先立たれた人の元に行きたいと呟いたとき
自分の哀しみしか見えなかった
あの時、私はわからなかった
どんなに歳を経た人の心にも
苦しみはあるのだと
どんなに強く見える人の心にも
弱さはあるのだと
もうあなたはこの世にはいないけれど
十余年も経た後で
ようやく私の心はあなたにつながった
私は何もあなたに返せなかった
だから、今度は私があなたのために祈ろう
あなたがそっと眠れるように
静かな彼岸の向こう側で




