表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

手を出したい恋

掲載日:2026/01/13

この2人に『告白』はない。

「先輩! チョコあげます!」

「学校にそんなもの持って来るな」

冷たく返す。

そして、再び書きはじめる。


「校則違反?

じゃあ、可愛い後輩のことを考えて、尚更受け取ってもらわないと!」

「何でそうなるんだよ。

ここは学校、しかも図書室。黙って持って帰れ」

気にしない。

「…泣いてみましょうか」

「わかったよ、もらうよ」

手を止め、後輩の方に顔を向け、チョコをもらう。

1つ10数円のチョコ、それを1つだけ。

何の意味があるのやら。

「ありがとうございます!」

「もう持って来るなよ、この中学校の決まりを守れ」


よく考えれば、それは、人生で初めて何かをもらったことだった。




そして、

「先輩! チョコをあげます!」

「…」

笑顔で差し出してくる後輩。

これで、何個目だろうか? なぜか、毎日チョコをもらっている。今は、1月。バレンタインは、まだ近くない。

新しい遊びだろうか?

僕に話しかけるだけでも、十分遊びだろうに。


理由は、聞こえてこない。


「ほら、もらって下さい! いつものように!」

「…」

「先輩?」




『明日も渡そう! バレンタインまでずっとチョコあげる! 面白いから!』


理由は、わからない。

けど、こういうのは、聞こえてくる。

心の声が。


僕は、恋愛ができない。

相手にも、産まれてくる子にも、迷惑をかけてしまうから。

事実、両親からは避けられている。

小さい頃から、盗っ人のように、隠れて食事をしてきた。冷たい目で見てくるから。

そして、幼稚園から一緒の同級生たちからも。


「先輩? 本当にどうしたんですか?」

『また距離が近いのかな、私にはそういう感情がないから分かんないや』


「また、明日もチョコを持ってくるのか?

君のチョコは美味しいから、困るよ」

僕は微笑んで返す。


そして、今日もチョコをもらう。


後輩は、顔を赤くする。

『恋愛』の感情はなくても、そういう顔は、してくれるらしい。

まあ、去年の4月からの付き合いだから、わかってるけど。


僕は、恋愛をしたらいけない。

でも、そういう感情は、抱いてしまう。

そして、この、よく構ってくれる後輩を、からかいたくなってしまう。


数ヶ月後には、僕は受験。

告白はないけど、まだこの子と遊びたい。

ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ