詩小説へのはるかな道 第66話 愛してるったら愛してる
原詩:愛してるったら愛してる
あなたの優しさがなくなるのが 怖い
あなたの微笑みが消えるのが 怖い
あなたの愛を失うのが 怖い
ああ そんな毎日は もう嫌 嫌なのよ
馬鹿らしいったら馬鹿らしい
今の幸せを 明日の不安で曇らすなんて
あなたは優しい
あなたは微笑んでくれる
あなたは わたしを 愛してる
そして
わたしは あなたを
愛してるったら愛してる
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詩小説: 愛の握力 愛してるったら愛してる
窓辺に置かれたソファーに座り、彼女は小さな声でつぶやきました。
「愛してるったら愛してる」
それはまるで呪文のようであり、必死な祈りのようでもありました。
彼の優しさが消えてしまうのが怖い。
微笑みが曇るのが怖い。
愛が途切れるのが怖い。
彼女の頭の中は、まだ来ぬ未来への不安でパンパンに膨れ上がっていました。
隣で新聞を読んでいた彼は、パサリと紙面を閉じ、眼鏡の位置を直しながら言いました。
「どうしたの。不安そうな顔してるけど、なんか心配事?」
そう言って、彼は穏やかに笑います。
その柔らかな笑みは、彼女の胸の奥にポッと灯りをともしました。
彼女はハッと気づきました。
愛とは未来の保証書ではなく、今この瞬間に差し出される温もりなのだと。
感極まった彼女は、万感の思いを込めて彼の手を強く、強く握り返しました。
震える指先を隠すように、ありったけの力を込めて。
「あなたは優しい」
「あなたは微笑んでくれる」
「あなたはわたしを愛してる」
言葉を重ねるたび、不安は春の雪解けのように消えていきます。
そして彼女は、確かな声で宣言しました。
「わたしは、あなたを――愛してるったら愛してる!」
その瞬間、未来の不安は消え、ただ「今」だけが輝いていました。
最高にロマンチックな静寂が、部屋を満たします。
しかし、彼は優しく、けれど少しだけ引きつった笑顔で口を開きました。
「うん、僕も愛してるよ。……でもね」
「でも?」
彼女が小首をかしげると、彼は握られた自分の手元に視線を落とし、困ったように言ったのです。
「君の『愛』が強すぎて、僕の指の血が止まりそうなんだ」
見れば、彼の手ほ彼女の凄まじい握力によって赤紫色に変わり始めていました。
「ああっ! ごめんなさい!」
慌てて手を離すと、彼はしびれた手をさすりながら、それでも笑いました。
「痛いなぁ。でもまあ、これくらい痛いほうが『生きてる』って感じがして、悪くないかもね」
「……もう! あなたったら」
痛みという強烈な「今」を共有して、二人は笑い合いました。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: 愛の握力 愛してるったら愛してる
愛してる ったら愛してる 呪文めく
言葉の奥に 震える指先
未来より 今が怖いと 言いながら
君の笑顔に 灯るあかりよ
握る手に ありったけ込めた 愛の圧
痛みも含め 生きてる証
ごめんねと ほどいた瞬間 残る熱
それでも君は 笑ってくれた
また握る 少し力を 抜きながら
愛してるったら 愛してるから
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




