強さの一部
タイトル一部変更しました。
勇者なりそこないから、元勇者へ表記変更
序盤一部呼び方がかわりましたが、大きく内容は変わりません
「ねぇやらないの」
「やらない」
リュミナは息を荒くしながらアレスに迫る
「前は寝かせてくれなかったじゃない」
「それはお前が激しいから」
小屋の外でリュミナが棒切れをアレスに向けている
「人間の姿でどれくらい戦えるかやってみたいの!」
「その棒切れであそこの木を切れたら相手してやる。棒は折れたら失格な」
物干しに使っている木を、リュミナが持っている棒で切という難題に、リュミナは怒っていた。
「どう考えても強度が足りないでしょ!それにあんなの素手で切れますぅう」
かつて竜王とアレスは三日三晩戦い続けた。
その竜王の生まれ変わりリュミナは小さい姿ながらも、強力な力を持つ。
かつての1割と本人はいうが、その強さは並の冒険者の遥か上をいく。
「素手じゃ意味ないだろ、加減の問題だ。」
アレスは朝飯に食った肉串を薪に貫通させる。
「あんたまじ変態」
「変態じゃないよ。ほら速度があれば強度がないものでもいけるよ」
薪がスポンジのように穴だらけになっていく
「俺とお前だけならいいが、周りに迷惑かけたらダメだからな」
「それはわかるけど」
リュミナが棒切れを振り抜くと、木はおろか後ろの岩まで粉砕した。
無論、棒切れは粉々
「あー 無理 無理無理ぶり。あっブリ食べたい」
「どんな思考だよ」
「こっち来てからお魚食べてないのよね」
どうやら戦いたい欲より食欲が勝ったようだ。
前の戦いも空腹で休戦したくらいだからな。
リュミナらしい。
「ダンジョンでは食えたのか?」
「私のいたところの先に湖があるんだけど、海と繋がってるのよ」
「へぇ そんな場所があったのか、魚も取れるのか」
「そこでは迷い込んだのしか食べれないけど、そこから海に出て食べ放題よ」
「あー お前そこから出入りしてたのか、あの入り口でどうやって生活してるのか謎だったわ」
「変なところに関心持つのね」
リュミナが少し呆れている。
「まぁ海なら人気のいないところも探しやすいし、魚取りと手合わせするか」
その言葉にリュミナが目を輝かせて、アレスに抱きつく
「ただ、すぐにはいけないからな」
「えー 行こうよー」
「今日の夜 門番だし」
「私と仕事どっちが大事なの?」
「今日行ったら、しばらく休むからな。 今日は大人しくしててくれ」
その言葉に満足したのか、リュミナは素直にアレスから離れた。
鼻歌まじりに棒切れを拾い、近くの岩に当てる。
――すぱり。
棒切れは、折れていない。
その光景に、アレスは目を丸くしたが、リュミナは鼻歌を歌いながら、まるで気にした様子もない。
……もう少しかかると思ってたんだけどな。




