犠牲あっての繁栄
皆さんはじめまして非凡作家人です。前書きの内容が思いつかなかったのでなにか話そうと思いましたが、それすら思いつかなかったので短い前書きとなりました。誠にすいません。
史暦1930年5月オルランタ連邦管理区アルラード
朝霧が薄れていく頃、アルラードの街はすでに目を覚ましていた。石畳の通りには露店が軒を連ね、焼き立てのパンの香りが漂う。
子どもたちは賑やかな街の音によって目を覚まし、母親たちは家事や世間話をしそして父親は仕事に行く準備をしており玄関で靴を履こうとしていた。
太陽に照らされたその街は、ただの場所ではなく、人々の息づかいそのもののようだった。すれ違う誰もが、今日という日を生きる喜びを全身で語っている――そんな、生命のざわめきに満ちた街であった。しかし…
「オルランタの連中が来たぞ!!」
その言葉を聞くや否子どもたちは怯え再度布団に潜り母親たちは世間話をやめ駆け足で家に戻り父親は家に戻ってきた母親とともに怯えながらも玄関で息を潜めていた。
石畳の通りの奥から、低くうなりを上げるエンジン音が響いた。埃が舞い、鉄の匂いが風に混じる。
ある家の父親が窓からそっとその音の方向を見るとオルランタ連邦のマークをつけた軍用トラック5台ほどが列を作って走行していた。「今日もアルラード市民の歓迎は無しか……」
トラックの後部で揺られながら、ひとりの兵士がぼそりと呟く。
「当たり前だ。俺たちは“管理者”だからな。あいつらからすりゃ、侵略者にしか見えねぇ」
隣の兵士が苦笑いしながら答えた。
トラックは数十分ほど走行を続けた後あるところで停止したトラックの前には少し古びたビルのようなものがあった。先頭のトラックから一般兵とは異なる濃紺の軍服をまとった男が降りてきた。
肩章には金糸の縁取り、帽子にはオルランタの鷲の紋章。三十代半ばほどの男は、冷たい目をしていた。
それと同時に建物からスーツ姿の男が出てきて「バルストン少尉本日も偵察ご苦労さまです」と軍服姿の男に声をかける「アルラードの偵察は我々オルランタの義務だ別に感謝などをせんで良いハルベット君。そして今日は君に伝えたいことがある」バルストン少尉はハルベットにあることを伝えた。
「……つまり、次の四半期で徴収量を倍増させる、ということでしょうか?」ハルベットの声は、かすかに震えていた。額には汗をかき今にも倒れそうな感じであったがそれを無視してか気づいていてかバルストン少尉は「その通りだ」と短く、切り捨てるような声で答えた。
「現地の収穫量はすでに限界です。そしてそれができたとしても住民が飢えてしま――」
「犠牲あっての繁栄だ。」
バルストン少尉はハルベットの発言を遮って「我らオルランタ連邦は他国に侵攻しその国を植民地化しそして植民化した国から物資を奪い国の運営そして次の戦争のための物資を集めている。これはオルランタ建国当時からの伝統である。たとえそれで植民地の人間が死のうと我らには関係ない。君達敗者は大人しくオルランタに従えばよいのだ。要件は以上だ。」バルストン少尉は要件を伝えトラックに戻っていった。トラックがオルランタへ帰るのを見届けたハルベットは建物に戻った。
中央アルラード管理本部所会議室
「…つまりこういう事だ。」
「そんなふざけたことをオルランタは要求しているのか??」「なぜその要求を拒否しなかった!!」
「物資徴収の時期を延長するように要求しては…?」「ここは大人しく従うべきだ!!」
机を叩く音が響き、怒声が飛び交う。会議場は大荒れしておりハルベットも頭を抱えていた。
(物資徴収の日は約1ヶ月後どう頑張っても物資調達は目標の80%未満…徴収時期を延長?要求を拒否?ふざけるな!そんなことを言ったらアルラード管理本部の人間は全員極刑に決まっているだろ!!)
ハルベットが考えている最中にも会議室はざわめいていた。しかし…
「私に考えがあります。」
声は静かだが、会議室のざわめきをいなすには十分な重さを持っていた。黒髪の短髪で古びた軍服を着こなした三十代半ばの男は、席からゆっくりと立ち上がった、人々の視線が彼に集まる。
彼の目は、未来を見透かすかのような野心の光を宿していた。
その男の名は――。アルフィン・ルンシュター
アルラード自治区の軍統帥長であり、かつてアルラード公国陸軍少将だった男である…
私のデビュー作である「我らが進む道」をお読みいただき誠にありがとうございます。続きも現在書いておりますので是非楽しみにお待ちしていてください。




