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第二話「試行錯誤」

『ビーーーーッッ!!』

アラームがけたたましく騒ぐ。

ちなみにもう起きているから意味はない。

(いつも一応かけてるけど意味あんのかこれ。)

まあ意味なんてないだろう。

コンビニ弁当を食べながら左手でアラームを止める。

一人だとマナーが悪くなると聞いたことがある。

大正解、今現在その通りになっている。

そのままの手で時間を確認する。

(8時、、、)

学校は9時からだ。普通なら登校するには早い。

が、パトロールを兼ねていつもこの時間に家を出る。

戦闘能力があれば見つけたその場で駆除できるだろうが俺にそんな力はない。

そのためもし見つけたとしても報告だけだ。

アレに普通の攻撃は効かない。

一年目に嫌になるほど感じた。

アレは特殊な粘液をまとっていて衝撃を九割ほど吸収する。

憑き物由来の攻撃なら貫通するらしいが、、、

あいにくそんなもの持っていない。

(今日は特にないか。)

いつもの道は見終わったが、まだ時間がある。

別の場所も見てみるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日はいつもと違う道でも通ってみようか。

そんなことを突如思いつた。

まあ特に変わったことは起きないだろ、

そう思っていたのに。

ビルとビルの間を跳ね移動している人間がいた。

何言ってるかわからんだろ、俺もわからん。

しかもそれは知っている人間だった。

純真 翔、同じ高校のクラスメイトだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁーー、、、つかれた。」

教室の机に突っ伏しつい声が漏れ出る。

「まだ朝だよ??疲れるの早くない???」

彼女は佐々木(ささき)、下の名前を覚えられないのは記憶力がないのか、はたまた覚える気がないだけなのか。

「体力がないもんで。」

化け物を探してるとか言ったら一発で頭がおかしいといわれるだろう。

まあ組織内では体力がない方だ嘘は言ってない。

「ちゃんと運動しなよ?」

栗色の鮮やかな髪。

ショートボブが活発な笑顔を引き立てている。

くそ上司という異例がいなければ素直に美しいと思っていただろう。

「純信 翔さーん?いませんか?」

(うえっ出欠っっ!!。)

「はっ、はいっ。」

変なことを考えているうちに出欠確認が始まっていた。

何かに気を取られてしまう性格は直したい。

佐々木 蒼(  ささき  あおい)さん。」

「はいっ!!」

ああ下の名前って蒼なのか。

結構覚えやすい名前なのになんで二年にもなって覚えてないんだ。

(まあ下の名前なんてよばないからな。)

佐藤 道真(さとう どうま)さん。」

そして一人ひとり名前が呼ばれていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ぬぁーーーー、、、やっと昼休憩だぁ。」

腕を上に伸ばし息を吐く。

疲れた。

どうも長時間拘束されるのは苦手だ。

よしいったん休もーーーーー「ちょっといいか?」

ん?なんだ?あいにく今の俺は休むことしか考えていないぞ。

声がした方を見る。

彼は佐藤、中学から同じのやつだ。

だがあまりにも佐藤過ぎて下の名前を知らない。

「んだよーー、、俺は疲れたからパスで。」

佐藤はあせった声で

「いや、ちげぇっていつものじゃねぇの。」

いつものとはキャッチボールのことである。

暇さえあればキャッチボールに誘ってくる人間がほかの用事とは。

「いいから!こっち来い!!。」

無理やり腕を引っ張られていく。

ずるずると引きずられ旧校舎まで持ってかれた。

俺モップかなんかと勘違いされてるかもしれん。

「なんだよーー、こんなとこまで。」

不満だ。

「これ見ても言えんのか?」

と言いある動画を見せてくる。

やばい冷や汗出てきた。

なぜならそこにはビルとビルの間を跳ね移動している自分が映っていた。

「、、、すぅーーー。」

調子に乗って別の道通るんじゃなかった。

なんとかごまかさなければ、

「すげぇ、スーパーマンじゃん。これって誰だろー()」

佐藤の方を見る。

頼む。バカであってくれ。

そんな願いは届かず佐藤の顔からはあきれたオーラを感じる。

「ごまかせるわけねぇだろ!!。『せ つ め い』しろ!!。」

どうしようまじで。

まじでどうしよう。

「お前結構前からなんか隠してんだろ?」

息をのむ。

「そんなに俺頼りないのか?」

(そういう問題じゃないんだけどな、、、。)

「わかった。白状します。」

両手を上げ降伏の姿勢を見せた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「、、、ということなんだ。」

さすがに全部は言えない。

憑き物などの超常的なものは隠し説明した。

「なるほどなあ、、まあそれは言えないよなあ。」

だから佐藤の中では俺の姉は誰かに殺されその復習のために反社に入ってることになってる。

身体能力についてなにも言ってないが理解してくれたらしい。

、、、やっぱ馬鹿か?

「わかった。誰にも言わないし、お前とは今まで通り接する。」

反社と知っても仲良くしようとする佐藤はいい人間なのだろう。

(俺にはもったいない友人だな、、、。)

「危ないときは言う。そん時は深入りしないでくれ。」

だから巻き込んじゃいけない。

「おう!了解!」

これ以上踏み込ませては危険だ。

「でも、大変だったら頼れよ!」

馬鹿だな。

「大変だぞ?反社の悩みは。」

やっぱ馬鹿だ。

他人に期待してしまう。

「どんとこい!」

無責任な言葉だ。

何も知らないのに背負う気でいる。

なのに、

どうしてこんなにも気が楽になるのか。

「わかったよ。でも危険なことはさせないけどな。」

何とかなりそうな気がした。

「ってか昼休み終わるって!飯食わんと!!」

教室に向かって走る。

その時だった。

『ドォオオオオン』

けたたましい爆発音が響く。

遅れて爆風があたりを抜ける。

「なんっっ、、!!」

やばい、少なくともシャレになることじゃない。

「佐藤お前逃げろ!」

音の方に向かいつつ無線を取り出す。

「教瀬高校で謎の爆発!!誰か!来て!」

二階から爆発が起きたのだろうか、

建物が曲線を描いている。

今にも崩れそうだ。

火薬と血の混じった砂埃が鼻を突く。

そして爆発地点の中心部に女性が佇んでいた。

純白の髪はポニーテールによってまとめられている。

色素のない肌、

赤い瞳。

どうも同じ人間とは思えなくて、

その姿は神秘的なものすら感じさせた。

「あっれ。おかしいなあ。」

その女性はこちらを見ていった。

「死んでないのか。」

どういうことだ。

それはわざわざ自分に聞くことなのか?

「死んでなかったって、、、どういう、、、?」

目の前の女性は少し以外といった表情を見せ、

「あぁ、いや、君に言ったんじゃないさ。」

そんなわけはないだろう

ここには二人しかいない。

「そうか、思ったよりもーーー。」

そう言ったかと思うとリボルバーを取り出し空に向かって撃つ。

砂埃が立ち上り、視界が奪われる。

目を開けたときには誰もいなかった。

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