表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓、一年後の私へ  作者: 秘匿の猿
第1章 僕たちの新たな春
16/30

第15話 大雨の中の違和感

お久しぶりです!えー、投稿が少し遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。

 次の日 午前10時28分

 昼間のはずなのに晴れた夜の日のように暗く、ザーザーと雨が降る音がする。

 前日に大雨警報と土砂災害警報がこの地域に出されてからそれが解除されておらず、今日は休校ということに鳴っている。

 昨日は1時あたりに寝たから…約9時間睡眠か。最近新作のゲームが出てゲームばっかやってたせいで寝不足だったからよく寝れたな。

 俺はベッドから起き上がり、窓の外を見てみる。案の定外は大雨で窓の外側ががびちゃびちゃになっている。

 大雨を確認し、もう一度ベッドに戻り二度寝を開始する。

 親は基本的には放任主義で、あんまり俺たちに口をはさむようなことはしないからぐっすり眠れる。

 目を瞑りただ無心で寝ようとすると、俺の部屋のドアが急に開く。俺は咄嗟にドアの方向へ向くと、そこには弟である時任陽翔(ときとうはると)が立っていた。

 陽翔はいつも陽気でクラスの中心人物ともいえる、いわゆる陽キャといわれるような人だ。

 性格も明るく、友達も多い。さらに容姿も端麗で自分で言うのもあれだが俺とは違った系統の陽気な感じのイケメンだろう。

 

陽翔「兄ちゃん…まだ寝てんのかよ…。まあいいや。ねえねえぬいぐるみ持ってない?」


 ベッドで横になった状態で俺は陽翔に言葉を返す。


俺「多分クローゼットの中にあると思うが…なんでほしいんだ?」

陽翔「ちょっとね…あるものを作ろうと。」

俺「そのあるものとは?」

陽翔「秘密で。」

俺「あんまり変なもん作んなよ~。」


 陽翔はモノづくりや完成品の改造が趣味で最近作ったものだとたまに勝手に動き出す不気味な人形とかだ。

 たまに役立つものを作るが普段は頭おかしいものしか作らない。もっとまともなもの作れるなら作ってくれよ…。


 陽翔は俺の部屋のクローゼットを開け、下の方に落ちている犬のぬいぐるみを拾い上げる。


陽翔「まあ大丈夫か。ありがと。」

俺「一回使用料1800円な。」

陽翔「ぼったくりなうえに微妙にちゃんと払える額なの殴りたくなる。」

俺「まあまあそんな怒りなさんなって。」

陽翔「今度、某ピザや警備のゲームの動物が叫ぶ奴こっそり作っとくからな。」

俺「いやなうえに俺に言った時点でこっそりじゃないやん。」

陽翔「じゃ。」


 そういって部屋を出ていった。

 俺はあけっぱなしになったドアを閉め、寝ようと思ったが会話をしてしまったせいで頭が起きてしまい、寝れない状態になっていた。

 仕方なく、俺はベッドからでて下のリビングへと向かう。

 リビングには母さんがソファにねっこりがりながらスマホを見ていた。


俺「母さん、おはよう。」

母「おお颯真!起きたのか!おはよう!」


 俺は母さんにすこし挨拶をして、テーブルの上にあるテレビのリモコンを取り、テレビをつける。

 テレビはちょうどいろんなニュースがやっており、主に大雨の影響である洪水や地域によっては津波、高潮警報とかの速報もやってる。

 興味はないがほかにやれることがないので俺はテレビを見続ける。すると、次はいろんな事件についてのニュースに切り替わった。

 正直、どっかの誰かがなんかされたとか、俺にとっては知ったこっちゃねえって話だった。

 ぼーっと眺めていると少し気になるニュースが出てきた。


人「えー、次のニュースです。全国各地で突如、行方不明になる事件が多発しています。警察によりますと、全国各地の中学生から高校背くらいの年齢の男女が連続的に行方不明になっており、大体がその被害者の部屋に謎の模様が描かれていたそうです。警察はそのことから大きな集団での…」


 全国各地かよ。しかも中高生って俺も対象じゃねえかよ。

 あんまり良くないもん見ちまったな。気を取り直してゲームするか。

 俺はテレビの近くに置いてあるゲーム機を取り、ゲームを始める。

 

ーーーーーーーーーー


 一体何時間だったのだろうか。時々飯を食って、それ以外はずっとゲームをして、今日という日をゲームと睡眠だけに費やしてしまった。

 外を一度確認するが外は下から真っ暗だから今が何時か分からない。だから俺はスマホの時計を見てみると午後8時18分と書いてあり何してたんだろ…と謎の虚無感に包まれる。

 まあそれでもいいやと俺は切り替えて風呂へ向かう。

 風呂に入ってぼーっと湯船に浸かる。やっぱりなんかすればよかっなあ…なんて思う。

 いざ今日を振り返ってみると遅くに起きてただゲームをしてただけ。はっきり言ってゲームが大好きなニートとやってることが変わらない。

 それは嫌だなと少しニートに対して嫌悪感を持つ。

 明日は頑張ろうかな、そう思うが何故か嫌な予感がする。

 まるでこのあとに何か大きな事情があるような気分だ。

 しかし、明日も多分休校だから何も予定はない。じゃあなんだ…この違和感は…。

 このあとに面倒くさいことをやらないといけない時のような変な気持ちになりながら俺は風呂を出る。

 風呂を出てリビングに向かう。この時間は普段は弟がリビングにいるのだが、今日はなぜかいない。

 俺は近くにいた母さんに聞いてみる。


俺「なあ、母さん。陽翔はどこいったんだ?」

母「あの子なら明日朝早くからなんかするとか言ってもう寝ちゃったわよ。」


 あいつが早寝なんて珍しいな。いつもはもっと夜遅くまで起きてゲームやモノづくりに没頭しているイメージがあるのに。

 まあそんなことはどうでもいい。俺は夜遅くまでゲームを楽しむんだ。

 夜11時を過ぎたあたり。やっと少しずつ眠気が出てきたが、まだゲームをやめる気にはなれない。

 無言でスマホでヨウチューブという動画サイトを見ながらゲームを続ける。

 母や父はもう寝たし、本当に一人になったわけだが…。なんだろう。早く寝ないと悪い予感がどんどん強くなっているんだよな…。

 なんだか怖くなってきたな。そろそろ寝よう。

 俺はやっていたゲームを中断し、いつもより早い時間に自分の部屋に向かい。ベッドの上に乗り横になる。

 ぼーっと天井を見上げ続ける。一体この変な感じは何だろう。そんなことを考えながら眠れるまで目を瞑り続ける。

 数分経ったがまだ寝れていない。まだ意識がはっきりとしている。やっぱり何かが引っかかる。まるで立体の箱の中の清掃の時に角の汚れに届かないようなもどかしさがある。

 多分この謎の正体を判明させるまで寝れないんだろうけど…。いや無理だ。怖くてベッドから出たくない。

 俺はそのことを忘れようと目を瞑り、羊を数え始める。

 羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹…。

 そうして俺はやっと意識が遠のき、眠りについた。


ーーーーーーーーーー


 深夜4時、静寂な空間の中で雨音だけが響き渡る。

 俺はいつもからでは考えられないような時間に目が覚めてしまった。

 そうすると、寝る前と同じ嫌な予感が何度も湧いてくる。

 なんか飲もう…。一度落ち着くために。

 俺はベッドから出て自室のドアへと向かう。その途中、自分の机のものや棚の上のフィギュアなどが一部倒れていることに気が付いた。

 不思議に思いながら俺はそれらを立て直し、この部屋を出る。

 部屋をでていざリビングに行こうとしたとき、陽翔の部屋からかすかに何か物音がすることに気が付いた。

 どうせまだ何か作ってんだろうと思い、俺はその光景を覗こうとする。

 陽翔の部屋のドアを開けいざ覗いてみても何もない。だがクローゼットから何か液体がこぼれていると同時に光が見えている。


俺「おーい、何やってんだ?早く寝たんじゃないのか?」


 そういいながらそのクローゼットの戸を開けると、中には腹部をナイフで刺されて大量に出血をして倒れていた陽翔がいた。


俺「…あああああああああああ!!」


 俺は怖くなって咄嗟に叫んだ。冷静にもなれずにただ発狂して急いでこの部屋を出る。

 すると、俺の叫び声で起きた父さんと母さんがすぐに階段を駆け上がってくる音がする。


父「颯真!どうしたんだ!」

俺「は…は……が…んでい…。」

母「落ち着いて、何があったの?」


 弟の部屋の前で俺は言葉にならないような声で頑張って状況を伝える。


俺「…陽翔が……誰かに……殺された…。」

父「なんだと!?」


 父さんが急いで陽翔の部屋に入って電気をつける。すると開けっ放しのクローゼットの近くに大量の血があふれており、父さんがさっき俺が見た状況を見る。


父「おい…母さん!今すぐ警察と救急車を呼んでくれ!」

母「わかった!」


 そうして警察や救急車が到着し、陽翔が運ばれていくこととなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ