セフィラ王国【設定資料】
セフィラ国(Sephira)
所属: エリオス帝国の内包国家(属州的地位だが、形式上は王国)
政体: 女王による神権政治(女系王朝)
首都: セフィリエ
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■ 国家の特徴
•王権と神権が融合:
セフィラの女王は「神の器」として即位し、セフィロト信仰の最高権威でもある。王位は母から娘へと受け継がれる。男子は王位継承権を持たないが、「聖務官」や「守護騎士」として重要な地位に就くことがある。
女系が途絶える、あるいは適格者が現れぬとき、ごく稀に男性が“代位の王”として即位することがある。これは“神の意志による臨時の措置”とされ、王は「守護者」「暫定の器」として数えられる。
•帝国との関係:
フィラ王国はかつて、覇権を狙うエリセントリア王国との激烈な戦争に身を投じていた。戦局は次第に不利に傾き、ついには神聖なる聖域セフィリエにまで敵の旗が翻る寸前に至る。女王は聖域の破壊を防ぐため、苦渋の決断で講和を選択した。
だが、エリセントリアは単なる武力制圧を目指したわけではなかった。唯一神継承の宗教的威光と、深く根付く神秘思想に裏打ちされたセフィラ文化の影響力を見抜き、政略結婚や保護条約、聖務官への皇族派遣といった手段を駆使し、王国の内側から浸透し、影響力を徐々に拡大していった。
やがてエリオス帝国となったこの大国の中で、セフィラは形式上は独立王国の体裁を保ちつつも、外交・軍事の主権は名目上残されているものの、実質的には帝国の強い監督と介入下に置かれた属国的地位に甘んじている。女王は内政と宗教に関する限定的な自治を許されるにとどまり、唯一神の継承者としての威光だけが、帝国の干渉を一定程度抑えているに過ぎない。
それでも、帝国の中枢にある者たちは、セフィラ王家の神託と婚姻を巡る駆け引きを続けている。剣で征服できなかった“信仰”を味方につけるための知略戦が、いまも終わることはない。
帝国の礎は、剣の勝利ではなく、信仰を包み込む緻密な統合の妙手によって築かれたのだ。
•文化と宗教:
セフィラはセフィロトの樹を中心に据えた独自の神秘思想を持ち、女性が「世をつなぐ神の代行者」とされる。儀式、魔法体系、衣装文化などにその影響が色濃く表れている。