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とある書き手のエッセイ集

もしかして私、感情薄いのかも?と思ってちょっと怖くなった話

作者: 空野 奏多

 私は今まで、自分ってなんなら人より感情豊かだよな! と、疑ったことがない――なかった!



 だってなろう(ここ)にいるくらいですよ⁉︎

 ここで書き手してるくらいですよ⁉︎

 何かしら思ってることあるじゃん!!??



 だからきっとそれを形にしたくて、創作も好きなんだろうなぁと思っていた……私の趣味の創作活動歴はそこそこ長いと思う。


 私は物語の創作というものを、幼稚園の時からしている、らしい。


 幼稚園の時は小説も漫画も書けなかったから、画用紙にマーカーで絵を描きまくっていた。どういう話だったのか私は1ミリも覚えてないけど、だいたい女の子が楽しそうにお花畑にいる感じ。


 小学生のころに少女漫画を知って、漫画を描くようになった。自由帳に自由に描いて、漫画が好きな友達と回し読みするのが休み時間のあるあるだった。


 高学年の頃には友達に誘われて、ホームページを作って二次創作小説を書いたりしていた。ほぼ自己満足だけど、感想がつけば嬉しかったりした。


 中学もだけど、高校はとくに半分漫研みたいな美術部にいたし、大学も一年生の時は漫研にいた(ちょっとついてけない空気があってやめちゃったけど)。


 それで社会人になってからも、わざわざ他の遊びがあるはずなのに、お金も昔よりあるだろうに、小説を選んで書いてる。



 だからーーこんなに長くやってるんだし⁉︎

 私ってば相当情緒豊かなのでは⁉︎

 と、実は自分では思ったりしていた。





 でももし、そうじゃなかったら?





 ふと気づいたのだけれど、私は周りの人ほど喜怒哀楽を表に出してない、というかリアクションが薄いなと思う時がそこそこある。



 大声で怒ったこととかないし。

 地団駄踏んで泣いたこととかないし。

 声を上げ大爆笑みたいなこともそうない。

 旅行先で飛び跳ねるほど喜んだこともない。



 ほしいものとか、引きずることがそこまでない……というか大抵は諦められてしまう。悔しい! と愚痴りまくる友達のように、私は人に話せたことがないなぁと思った。


 あと明らかに泣かせてこようとするB級映画みたいなのでも軽率に泣ける自信はあるのだけれど、我慢できない友達と違って、私はその場で泣かないと決めたら是が非でも泣かないことができる。


 友達が泣いてる横で、外だから泣かなかったこともあるけど、「やっぱクールだね」と言われたことがある。その時はそうでもないけど……とその時は思ったけど。


 それって、抑えられる程度の気持ちしかないってことだったりする……のかもしれない?


 上にあげたタイプが感情豊かなんだと定義する。それに私は異論ないのだけれど、その定義でいくなら、私は全然感情豊かじゃないってことに……なるよね?


 めちゃくちゃよく喋る友達の前では省エネモードになってしまうし(ずっと頷いてるとか)、そんなことしてると「クールだよね」とか言われる。まぁでも、人によるので、そんなことないと思うと言ってくれる人もいるけど……。



 人付き合いで笑顔は大事だからつくる。

 でもまぁ、作り笑いは結構ある。

 心の底からって感じでは、結構なかったり。



 さすがにしないけど、急に無表情になって、と言われたらできてしまう気がする。どういう反応を相手が求めているかはわかるけど、疲れてると全然無視してテキトーに流してしまうこともあるし……。




 私って実は、そんなに喜怒哀楽ないのかもしれない……?




 そう思うと、結構ショックだった。

 結構、現在進行形で落ち込んでる。

 信じていたものに裏切られた気分……!(勝手に)


 文なら、絵なら、すごーく自由に話せるのだけれど、多分話すと表情にそこまで出ない……気を抜くと余計にでない。本当に豊かなら、自然と出るもの……なのかも、と今思った。



 そしたら、ちょっと怖くなった。



 私は私がそこそこ感情あると思って生きてきたのに、今更感情がないかも、なんて思う日がくるとは。信じてたものの崩壊は、なんもとも……アイデンティティの喪失みたいなものを感じる。



 別に感情がないわけではないとは思ってる。

 あるから、書いてるんだし!

 でももしかしたら、薄いのかもしれない。



 いやぁそんなことある〜〜〜!???

 認めたくなさすぎるんだけど〜〜〜〜!!??



 でもだからなんでも諦めてたり譲ったりできちゃうのかなー、なーんて思ったら、ちょっとため息が出た。でもため息しか出ない。多分、今人前に出ても、ため息は外に出ないと予想できる。出さないでいられる。


 それがなんか、悲しいなって。別に私の何が変わるわけでもないんだけど、ちょっとだけそう思った。

オチなんかないよ!!!

もしかしたらこれ私史上初めてオチのないエッセイなんじゃないの⁉︎


こういう風に話してたら感情あるなと感じるかもしれないんですが、もしこれも今まで影響受けた漫画とかのテンションの真似事なんだとしたら――相当ホラーじゃないですか!???


私こんなにテンション高そうなのに!??

実は感情ないかもしれないとか!???

そんなことありえる!???


……と思って、勢いで書いてしまった(急に冷静)


今の自分は現実で会っても人当たりいい印象を持たれやすいのですが、よく考えたらただ鳥が人の言葉を覚えて喋るように形だけつくってるかも、という疑いはぜんぜんあるよね〜〜〜〜!!?? うっそぉ、マジでぇぇえ!?? というきもち。


そして多分、半分はあってると思うの……私ってば薄情者だったのだな……いや思い返せばそうなのか……。それなのに感情豊かだと思ってたの……? え、やべぇやつじゃん……こわぁ……。

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― 新着の感想 ―
人間って正常に発散できないと爆発させるしかないんですよ。 普段の感情が薄いのは裏を返せば健全に発散できているってことかも?
大丈夫です、充分感情豊かだと思います( *´艸) 感情が薄いと言うより、感情を自分の中で消化しきっちゃって表にでないだけじゃないかなぁと感じました(*´▽`) なので心の中で「うっひょーい!」ってな…
初めまして、感想失礼します。 エッセイを拝読させて頂いたところ、感情はとても豊だと思います。 感情が薄い、もしくはない方は、空野様と同じ場面に出くわした際、おそらく特に思う事もなく、また自分がそう…
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